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百二十七話 プロローグ

 お待たせしました。第7章「侵略編」スタートです。


 ――スタ、スタ、スタ、スタ――


 曇天の空の下、屋根が崩れ落ちた教会に一つの足音が響く。


「お待ちしておりました。陛下」

「はぁ〜、気が早いぞガラン。俺はまだ王でもなんでもない」

「ですが、あなたはいずれトップに立つ存在。今の内から慣れておくのも大事かと」

「ほんっと、クソ真面目が服着て歩いてるみたいな奴だな。……それで、状況は?」

「はっ、人はある程度用意出来てあります。準備も万全かと」

「他の奴らは」

「全員こちらへ向かっております。ただ、ノワール達の空いた枠を埋められる人材は未だ見つかっておりません」

「ノワールにゼニス、その前にはゲルトか。この短期間でよりによって優秀な人材が3人も欠けるとは……全く、何をやってるんだか」


 まぁ、ゲルトは少し性格に難アリだったけど。と、男は続けた。


「申し訳ありません、我々の力が及ばぬばかりに……」

「いや、もういい。元々お前達にはそこまで期待してないから。それよりそうだな……ガランの言う通り、そろそろテッペンを取るのも面白そうだ」

「っ! という事は……」

「嗚呼、全員が集まり次第伝えろ。我々は持てる力全てを使って――」


 男は空いた天井の先に見える漆黒の城を見据え、宣言する。


「魔王城を奪い取る」


 そう言うと、男――アッシュは不敵な笑みを浮かべた。


 ▲▽▲▽▲▽▲▽


「ふあぁ〜」

「今日はいつにも増して眠たそうですね、レオ君」

「嗚呼、今朝は起きるのが早くてさ。あんまり寝れてないんだ」

「夜遅くまで起きてたのではなく、朝が早かったんですね。何か用事があったんですか?」

「こないだの迷宮(ダンジョン)で二本の剣を手に入れただろ? その件でちょっとドラグリアにね。グレンさんも一緒だったから、グレンさんが出勤する前までに用を済ませなきゃい けなかったんだ」

「なるほど、そういう事なんですね。朝からお疲れ様です。それで、剣の事は何か分かりましたか?」

「今竜王に調べてもらってる。学院が終わる頃には何か分かるだろうって」

「それじゃあ、また学院が終わってからドラグリアに?」

「うん、だから残念だけど――」


 『今日は一緒に帰れない』そう、レオが伝えきる前に、アリシアが一つの要求をする。


「でしたら、私も御一緒してよろしいですか? ドラグリアには一度行ってみたかったんです!」

「えっ、ドラグリアに?」


(それは別に構わないし、なんなら放課後はアリシアと一緒に入れないと思ってたから嬉しいけど……)


「行っても多分つまんないよ? 俺達が話してるの聞くだけになっちゃうだろうし、用が済めばすぐに帰ると思うから……」

「それでもいいんです! ドラグリアの街並みも見てみたいですし、竜王様にもご挨拶したいので」

「ご挨拶って、なんでまたアリシアが……」

「ムッ、レオ君忘れてませんか? これでも私、この国の王女…なんですよ。これから先、親交を深めるかもしれない国の王様に挨拶するのは当然です!」

「いや! ぜんっぜん忘れてないから!」


(今だってアリシアを城に迎えに行ったばかりなんだ、忘れるわけが無い!)


「でも、そう言うのってアリシアのお父さんとか、お母さんがする事なんじゃ……」

「そ、それは、そうなんですけど……未来の旦那さんがお世話になってる人ですから、一度ご挨拶したいなと思って……」

「なっ!? だ、だんっ……!」


(いや、でもそうだ。さっき自分でも言ってた通り、アリシアは王女という身分にある。そんな子が学生時代に男と付き合って別れていたって言うのは一部の人からどう思われるか分かったもんじゃない。ま、まぁ、アリシアと付き合うって決めた時から別れる気は無いけど……)


「ご、ごめん……そうだよな、未来の旦那……だもんな」

「も、もう! 何度も言わないでください! 恥ずかしくて顔から火が出ちゃいそうです……」

「そ、そう、だな……」

「……」

「……ッ」


(この空気。き、気まづい! アリシアとこんなに気まづくなったのなんていつぶりだ!?)


 なんとも言えない空気感の中、自分から話さねばと決意したレオが声をかけようとしたその時――


「二人ともー、おはよ〜」

「あっ、さ、サリー、おはよう」

「お、おはよう、サリー」


(よ、よかったぁ、さすがに今話しかけるのは難易度高かったからな。サリーが来てくれて助かった)


「ん〜? アリシア、顔赤いけどどうしたの? 風邪?」

「う、ううん! 違うのサリー、これはえっと……ほ、ほら! 今日は暖かいでしょ? それで、ね?」

「うーん、それならいいんだけど。まだギリギリ夏だし、夏風邪とか気をつけてね? 二週間後には体育祭もあるんだから」

「う、うん! 気をつけるね」


(良かった、アリシアは何とか誤魔化せたみたいだな。それにしても……)


「体育祭って、大丈夫なのか? あと二週間にしては種目も決まってないし準備も進んでないけど」

「そうでした、レオ君は中等部まで王都外の学院に通っていたんでしたね」

「そっか、それなら知らなくても仕方ないね」

「?」

「アストレア学院の体育祭は普通の学院とは少し違うんです」

「違いとしては種目数と人数、それと競技の仕組みかな。普通なら十種目以上あると思うんだけどうちの学院は六種目しかないの」


 そう言うと、サリーはアストレア学院の体育祭についてざっくりと説明をしてくれた。

 種目は障害物競走、借り物競争、的当て、トーナメント戦の個人種目四つと、学年別団体種目のクラス対抗綱引きにクラス対抗リレー。この六つの競技を二日間に分けて行うらしい。


「なるほど、確かに他の学校と比べても種目数が少ないな。でも、仕組みが違うって言うのはどういうことなんだ?」

「簡単に言うと規模が違うんだ。他の学校とか中等部だと招待客は家族とか知り合いだけだと思うんだけど、うちは王国でもトップの学院だから。毎年軍の人が見に来るの」

「それに、冒険者や一般のお客さんも入るので、観客の人が多くなってしまうんです」

「へぇ、見に来る人達からしたらお祭りみたいな感じなのか」

「そうかも。出店も出るし、毎年賑やかで楽しいよ」


(まぁ、競技をやってる方からしたらとんでもないプレッシャーになりそうだけどな……)


「ちなみに、種目の内容自体に変わってる所とかは無いのか?」

「もちろんあるよ。って言っても、大きな違いがあるのは障害物競走だけかな」

「もしかして、それも規模がデカくなってるとか?」

「正解。王都を出た少し先に学院が所有する小さな森があって、障害物競走はそこでやるんだ」

「も、森!?」


(障害物競走って、天然の障害物かよ!)


「森と言っても、大きさは学院と同じか少し小さいぐらいですし、魔物も出ないのでそこまで危険はないんです」

「な、なる、ほど……?」


(百歩譲って学院が所有する森があるって言うのはもう慣れたけど、そこで障害物競走をするっていう発想にはまだ少し理解が追いつかないな……まぁ、毎年やってなんの問題も無いなら大丈夫だろうけど)


「レオ君はどの競技に出たいとかありますか?」

「うーん、そうだな……借り物競争と的当ては、種目名を聞く限り楽しそう。とは思ったかも」


(小さい頃から森を走り回ってたし障害物競走なら得意だろうけど、今の話を聞く限り前日か当日の早朝に王都外まで連れてかれそうだし、それは面倒だからな)


「それなら、どちらかに立候補してみてもいいかもしれませんね。私も応援します!」

「ふふっ、ありがとうアリシア。そうだな……種目決めの時まで少し考えてみるよ」


 そんな話をしている内に、いつの間にか学院の前に到着しており、俺達は三人で教室へと向かった。


□読んでくださった方へのお願い


 この話が面白いと思っていただけた方は下の方からブックマークと☆の評価をお願いします。


 読者様からの応援が励みになるのでどうかよろしくお願いしますm(*_ _)m


 話は変わり、少し前から最新作の更新も始めました。もしよろしければそちらも応援していただけると有難いです。


 以下タイトル


「組織を追放され、絶望した重力魔道士。この世界で生きる気力を無くしたので二度目の人生に希望を託し転生します! 〜人の世界を救った英雄のはずなのに組織から裏切られた俺は、二度目の人生を幸せに生きたい〜」


https://ncode.syosetu.com/n5836ha/

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