百二十一話 迷宮攻略⑨
遅くなってしまい申し訳ありませんm(_ _)m
「ゲゲッ」
「ゲゲェー!」
「おいおい、次は何だ……」
(翼を生やした魔物が4体、数は多くないけど現状じゃ情報が少なすぎる!)
「アレク! 何かこの魔物について知ってること無いのか!?」
「見た目だけなら心当たりはあるが、確証は無い!」
(外見はガーゴイルに近い……だが、あれは不気味な石像が意志を持っただけで、悪魔と一緒に行動するなんて聞いたことがないぞ?)
知り得る知識を絞り出し、アレクが魔物の正直を考えている間も魔物の攻撃は止まらない。
「ゲゲェッ!」
「ゲーッ!」
背中の翼を翻し、4体の魔物はレオ達へと急接近する。
(アレクでも分からない以上対策は立てられそうにない。けど、あのデカい魔物と同時に出てくるって事はデカい方と同じで血が毒の可能性もある。むやみには攻撃できないか)
「ゲェッ!」
急接近しながら繰り出される鋭い爪での攻撃を、レオは何とか弾き返す。
「はぁ、どうやらそうも言ってられないみたいだな。アレク、カエデ後に出て来た方は俺が相手するから、その間あのデカいの頼んだ!」
「嗚呼、分かった!」
「了解。ほなうちも頑張らんとな」
そう言うとカエデは眼前の獲物を見て口角を上げた。
▲▽▲▽▲▽
ガギンッ!
「ゲゲッ!」
「ゲェーッ!」
(この魔物について何となく分かってきたな。速さはそこそこあるけど対処出来ない程じゃないし力も弱い。面倒なのは空中から急接近しての爪攻撃だ。どんな軌道で攻撃してくるのか直前まで読みづらい)
「でも、こっちも今の所防御できてる。目で追えない程じゃないな」
(となると問題は能力だけど、こればっかりは攻撃を当ててみないと分からないか)
レオは離れた位置で別の魔物と戦う二人に攻撃が向かないよう注意を引きつつ、距離を取って魔物を相手にする。
「とりあえず、様子見がてら一発打ってみるか。ふっ!」
レオは念の為1番距離の離れた魔物へと光の刃を放つ。対して攻撃をされた魔物は高速で迫る魔法を避けることも出来ずに片腕を失った。
「ゲッ、ゲゲェッ! ゲゲェーッ!」
「かなり効いてるみたいだな。けど、なんで血が流れないんだ?」
普通の魔物であれば傷を負った箇所から血が流れる。それは人間や他の生物と同じく血が通っているからだ。これまで戦ってきた魔物も例外なく傷を負えば血を流していた。
(考えられる可能性としては血が流れてないって事だけど、それじゃあどうやって動いてるんだ? まさか、魔力で操られてるとか……)
そう考えたレオだが、すぐにその可能性を捨てる。
(いや、それは無いな。仮に操られてるとしたらもっと動きが短絡的になるはずだ。少なくともこの4体はさっきから連携をとってる素振りがある。操られている物がそんな複雑な動きできるとは思えない、仕掛けはもっと他にあるはずだ)
「けど、攻撃してもなんの危険も無いなら割と楽に終わりそうだな。さっさと片付けて二人の加勢に行くか」
そうしてレオは走り出し、4体の魔物を囲むように周囲を高速移動する。
「ゲゲッ!」
「ゲゲェー!」
(いいぞ、このまま1箇所に集めて纏めて倒す!)
ドンッ
「ゲゲッ?」
「ゲゲェー?」
いつの間にか一点へと集められていた事に気づいた魔物達は一瞬互いを見つめあうが、現在の状況がいまいち理解出来てないようだ。その一瞬の隙を見逃さず、空間魔法で魔物の頭上へと移動したレオの右手には光魔法で小さなリングが作られていた。
(咄嗟に思いついた魔法だから名前も詠唱も無いけど、数秒間動きを止めるぐらいの効果はあるだろう)
「ふっ!」
短い吐息と共にレオが眼下の魔物へと右手を突き出すと光のリングは次第に大きさを増していき、すっぽりと4体の魔物を囲んだところで突如縮まった。
「ゲゲッ!」
「ゲェーッ!」
「よっと、捕獲完了」
地面へと着地したレオは捉えた4体の魔物へと体を向け再度右手を突き出す。すると、魔物の頭上には十を超える光の刃が現れた。
「これで終わりだ」
レオがそう言うと、光の刃は容赦なく魔物へと降り注ぎその体を切り刻む。
「ゲッ!」
「ゲゲェッ!」
耳をつんざくような断末魔の後、崩れた魔物の体は次々に地面へと落下していった。
ドチャ ドチャチャ
「よし、これでこっちは片付いたな。後はあっちのデカいのを……っ!」
自分の役目が一段落し、アレク達の加勢へ向かおうと魔物の残骸に背を向けたレオだったが背後からする気配に気づき咄嗟に振り向く。そこには信じられない光景が広がっていた。
ぐぐっ、ぐぐぐっ……
「まさか……おいおい、冗談だろ」
レオの眼前には先程倒した魔物の残骸が次々と合わさり蠢く、奇怪な現象が起きていた。それはまるで、再生しているかのように。
「なんで……さっき腕を切った時は再生なんてしなかったぞ!?」
そして遂に、その肉塊は一つとなり、新たな姿を表す。
「ゲッ、ゲゲッ!」
そこには、レオと同程度の背丈まで大きくなった魔物が一体、復活を果たしていた。
▲▽▲▽▲▽
「『大地の怒り』」
ドドドドドドッ!
「グォォォッ!」
アレクの魔法で突き出した無数の巨岩に直撃した魔物はその巨体をよろめかせて後方へと後ずさる。そこへ畳み掛けるようにカエデが扇を構え攻撃の態勢へと入った。
「アレク君、血が跳ねるかもしれんから少し離れとき!」
そう言うとカエデは2対の扇を巧みに使い、魔力を一点に集める。
「『疾風の舞・天津風の矢』」
集まった魔力は詠唱と共に、風の矢となり魔物を穿つ。
「グォォォッ!」
「右足に随分と洒落た穴が空いたなぁ、これは効いたんやないの?」
「その分出血も大量だが、下半身から下ならそこまで大惨事にもならなさそうだな」
「このまま足狙えば削りきれたりせんのやろか?」
「可能性はある。だが、油断せずに行こう。レオが戻って来るまで何とか持ちこたえるぞ」
「せやね。そろそろサクラちゃんも復活してくるやろし、それまでの辛抱や」
そうして二人は互いに一度視線を合わせた後呻き声を上げながら立ち上がる魔物へと視線をぶつける。
「さぁ、ラストスパートだ」
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「組織を追放され、絶望した重力魔道士。この世界で生きる気力を無くしたので二度目の人生に希望を託し転生します! 〜人の世界を救った英雄のはずなのに組織から裏切られた俺は、二度目の人生を幸せに生きたい〜」
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