百十七話 迷宮攻略⑤
お久しぶりです。約1ヶ月ぶりの更新です。(もう少し早く更新したかった……)
「よしっ、八階層到着っと。……ん?」
階段を降り、八階層へと入った俺たちの視界に入ってきたのは四階層のようなこれまでとは違う、辺り一面鉱石だらけの空間だった。
「どうやらここも四階層と同じボーナス部屋みたいだな」
「けど、四階層と違って全体的に色が似とるなぁ」
「寒色系の色も綺麗ですね」
(確かに、四階層は色んな色の鉱石があったけどここは青や紫みたいな寒色系の色だけだな)
「何か寒色系だけの原因がありそうだな」
「そうだな。青から連想するものと言えば……水か」
「後は氷とかだな。となると……」
「嗚呼、四階層と同じであればこの階に魔物は出ないだろうが、この先の階層ではこれまでと違う種類の魔物が出そうだな。例えば、海に生息している魔物とか」
(うわぁ、だとしたらかなり面倒くさそうだ)
「とりあえず、魔物が出ないようならさっさと進んでしまおう」
「せやね、時間も限られてるわけやし」
「了解。っとその前に……ダリス!」
「おう、やるか」
「嗚呼、ちゃちゃっと済ませるぞ」
俺とダリスは互いの意志を確認すると各々壁へと攻撃を始めた。
ガギィン!
ドゴッ!
「よし、これだけ取れれば十分だろ」
「こっちも取れたぜ。けど、四階層の奴よりも少し硬かったな」
「それだけフロア自体の難易度が高くなってるって事だろ」
徐々に広さと次階層への距離が短くなっている分、出てくる魔物の強さや仕掛けの難易度は上がっている。ここまでは大きな問題も無く早いペースで進んでこれたがここから先はどうなることやら。
「二人とももういいのか? 急いでいるとはいえあと少しぐらいなら別に構わないぞ」
「とりあえずは大丈夫だ。四階層でもかなりとったしあんまり多くても使い道に困るしな。サクラ達はいいのか?」
「うちらも大丈夫。装飾品にはあんまり興味無いしな」
「なら先に進むか」
そうして俺たちは八階層で止まることなく、九階層へ繋がる道を探した。
□
「あっちは大丈夫ですかね」
「心配はいらないでしょう。シン君も分かっている通り、先に進んだ六人の実力は言うまでもなく高いですから」
「それにしても、この道があって良かったね。来た道を戻ってたら帰るのにも数時間はかかってたよ」
「うん、そうなってたら途中で倒れてたかもしれない」
レオ達と別れた後、俺たち帰還組は地上直通一方通行の道を使い迷宮入口へと戻っていた。
「迷宮はその性質上戻る時にしか使えない直通の道が作られてるんだよ。どういう原理でできているかは謎が多いけどね」
「迷宮に関してはまだ解明されていないことが多いですからね。どうやって魔物は湧き続けるのか、どうやって仕掛けはできているのか。そもそも、どうやって迷宮自体が出現するのかもその出来方がわかっているだけで他は何も明かされていません」
「けど、そこが迷宮攻略の醍醐味でもありますからね」
そう言ったのは俺の前を歩くシロウだ。
「嗚呼、これだから迷宮攻略は楽しいんだ」
「私はよく分からないけど、シンが楽しそうでよかった」
「私も、二度とあんな蜘蛛の大群に襲われたくないなぁ」
「そこは男子と女子の違いなのかもしれませんね。かく言う私も迷宮探索はそこまで得意ではないので。まぁ、サクラさんは別ですけど……」
(確かに、彼女はかなり楽しそうだったな……)
「あの人ももう少し落ち着きをもってくれると助かるんですけどね……」
『はぁ……』
そこで見事にユキノとシロウのため息が重なる。
「あっはは、えっと、二人とも苦労してるみたいだね……」
(うん、まぁ仕方ないか。あまり長い間一緒にいたわけじゃないけど、それでもあの子の性格は何となく想像がつくし)
「とりあえず、我々は早く地上に戻って皆さんを待ちましょう」
「ですね、地上に出てからゆっくり休みますか」
そうして俺たち帰還組は地上へと進む足を早めた。
□
――九階層・最深部入口前――
「この階はかなり短かったな。降りてからまだ30分も経ってないだろ」
「嗚呼。だがその分出てくる魔物は面倒だったがな」
俺たちが九階層に降りると、壁にはサンゴ礁のような物が生え並び、魔物の種類も予想通り海に生息するものへと変わったのだが、問題はその数にあった。
「手のひら程度の大きさの魚が何百匹も同時に押し寄せてきた時はさすがにビビったぜ」
「しかもかなり獰猛だったからな。アレクのおかげで何とかなったけど、正直あのままどうにもならなかったら今頃身体中穴だらけだ」
そう、俺達が遭遇したのは気性が荒く肉食の魔物だったのだ。
「逆に言えば、雷魔法が使えるんならこの階層はそれだけ早く攻略できるってことでもあるなぁ」
「嗚呼、攻撃的な分耐久力もそんなに無かったんだろう。フロアが短い理由も普通はあそこから先に進むのが困難だからだろうな」
確かに、あれは普通の冒険者のパーティーが挑んでも初見で屍になりかねないな。
「さてと、ここからがこのチームを組んでから初の本格的な戦闘になるが、その前にある程度の役割だけでも決めておこう」
「賛成、その方が連携も取りやすいしなぁ」
「アリシアは大事な回復役だから後ろだとして、他はどうする?」
「そうだな。前、中、後と分けるなら回復役を守る壁が欲しい。俺かダリスが後ろへ下がろう」
「なら俺が下がるぜ。アレクは土以外にも役目があるかもしれねぇからな」
「分かった。それなら俺は中衛に回ろう。その方が動きやすい」
(となると、残るは俺とサクラ、カエデの三人か)
「ならうちも中衛にさせてもらうわ。どちらかと言うと前で戦うよりもサポートの方が得意やし、サクラちゃんにそんか器用な事はできそうにも無いからな」
「ま、言われなくてもうちは元から前で戦う気ぃしか無いけど」
「なら俺とサクラが前衛って事で、とりあえず決まりだな。みんな準備はいいか?」
「はい、大丈夫です!」
「問題ない」
「いつでも行けるぜ」
「うちらも平気よ」
全員の返事を聞き、俺は最深部の扉へと当てる。
「よし、それじゃあ行くか!」
そうして、俺たちは最深部へ足を踏み出した。
□
ゴゴゴゴゴッ
「ここが九階層の最深部……」
「見ろ、ここの家主のお出ましだ」
俺達が睨む先、そこに現れたのは……
「あれは、タコか?」
「みたいやね。けど、どうやら普通のタコやないな」
そう、そこに居たのは家一件分はありそうな巨体の真っ青なタコだった。
ズズズズッ
「っ! 来るぞ!」
バゴっ!
「うおっ、あんなの食らったら一溜りもないな……」
数秒前まで俺がいた位置をタコの触手が攻撃する。そこに目をやれば地面は蜘蛛の巣のようにひびが入り砕けていた。
「作戦通りアリシアとダリスは後ろへ!」
「はい!」
「了解!」
(さてと、それじゃあ……)
「俺達も行くぞ、サクラ……ってあれ?」
俺が隣を見ると先程までそこに居たはずのサクラの姿が見当たらない。
「レオ君、サクラならもう行っとるで〜」
「なっ!」
その時、前方にいるタコの方から唸り声が聞こえる。
「レオ君、はよしないとうち一人で切ってまうでー」
「はぁ、先走りすぎて怪我するなよ!」
俺はサクラに続きタコの魔物へ攻撃を繰り出す。
「フッ!」
ズバァン!
(ん? 何だ、この違和感? いや、そういう事か)
「レオ君も気づいた?」
「嗚呼。こいつ、剣の刃が通りにくいな」
たった今俺が切った場所を見てもそこに傷は着いていない。
「確かに切った。手応えのような物もある。けど、実際は切れてない」
「そう、多分あの柔らかさと体についてるヌルヌルしたんが理由なんやろな」
「となると困ったな。剣でのダメージは期待できないぞ」
「でも、見た限り傷はつけられてへんけど効いてないわけやなさそうやね。悲鳴みたいなんも上げてるし」
「とりあえず、一旦下がってアレクに報告するか」
「せやね」
そうして俺とサクラはタコの攻撃を避けつつ、後ろにいるアレク達の元へと下がった。
「どうした、レオ」
「今攻撃してみて分かったことがあったんだ。あいつ、剣の攻撃があんまり通らない」
「? どういうことだ」
「効いてはいるんやけど傷が入らないみたいなんよ。うちらの予想としては多分あの柔らかさとヌルヌルしたんが原因なんかなって」
「なるほど、傷が入らんからダメージもそこまで大きくない言うわけやな」
「そういう事か……分かった、俺に一つ考えがある」
そう言うとアレクは俺とサクラに指示を出した。
「……確かに、やってみる価値はありそうだな」
「とりあえずそれ、試してみよか」
「アレクが準備してる間俺も色々試してみるよ」
「嗚呼、頼む」
「おう」
「了解」
さぁ、ここから本領発揮だ!
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「組織を追放され、絶望した重力魔道士。この世界で生きる気力を無くしたので二度目の人生に希望を託し転生します! 〜人の世界を救った英雄のはずなのに組織から裏切られた俺は、二度目の人生を幸せに生きたい〜」
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