表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

117/135

百十四話 迷宮攻略④

アレクサイドまで書くと約二話分の文字数になりそうなので分割しました。

という事で、今回は少し短めです。


 ――第六層・最深部――


 ガルルルッ


 低い唸り声をあげ、今にも俺達を引き裂こうと睨みつけてくるのは、人の数倍はありそうな巨躯の狼だ。


「こいつが六層最後の魔物か」

「みたいやね、ここまで長かったわぁ」

「気を抜くのはまだ早いよ、どうやらこの下もあるみたいだ」


 シンが指さす先、そこには下へと繋がる階段がある。


「じゃあ、さっさと倒して先に行かないとな。シン、行けるか?」

「嗚呼、ここまで来る間に充分体も温まってきたからね。ただ、解放までには一分間時間が欲しいところかな」

「分かった。サクラ、シロウ、俺達で一分間時間を稼ぐぞ」

「一分と言わず、いくらでも稼いだる」

「何か策があるんですね、分かりました」

「私はその間シンを守る」

「頼む、それじゃあ行くぞ!」


 ガルルルァッ!


 レオとサクラ、シロウが息を合わせて走り出すと大狼も同時に三人へと飛びかかる。


「胴がガラ空きやで『居合い抜刀・不知火』」


 ガルルァッ!


「あら、避けられてもうた。あの体制から避けるなんて、意外と器用やなぁ」

「そんな事言ってないで、攻撃の手緩めないでくださいよ! クッ!」

「シロウは人の心配より自分の心配しとき。この犬っころ近づくと想像以上に速いで!」

「それは、今身を持って実感してますよ!」


 ガルルッ! ガァッ!


「っ!」

「サクラさん!」


 シロウを襲っていた大狼の爪が瞬時に背後へ迫るサクラへと標的を変える。


「させるか、はぁっ!」


 ガキィ――ン


「大丈夫か、サクラ」

「レオ君、助かったわ。ありがとぉ」

「気にするな。それより、あの速度と身体の周りの魔力を見るに、雷魔法が使えるみたいだな」

「せやね、あの速度をどうにかせんと攻撃しても致命傷は避けられそうや」

「サクラさん、無事ですか!」

「あぁ、レオ君のおかげでな」


 ガルルァッ!


「どうやら、作戦会議をさせてくれそうには無いですね」

「だな。とりあえず俺が囮になる、二人はその隙に後ろから攻撃してみてくれ」

「りょーかい」

「分かりました」


 ガルァッ!


「待たせたな、お前の相手は俺だっ! 『創造・刃(クリエイト・ブレード)』」


 迫る大狼へ、レオは火、水、風、砂の刃を放つ。


 ガルルァッ!


 大狼は迫り来る無数の刃を空中に飛ぶことで回避する。


「チッ、やっぱり避けられるか」

「いいや、バッチリや。シロウ、着地するタイミング狙うで、しっかり合わせ」

「はい!」


 そうして声を合わせると二人は同時に大狼へと距離を詰める。


「『雲雀流剣術・攻式二の型 月影』」

「『業火の太刀・心火』」


 ガウッ!


 右から迫るシロウの攻撃を避けるも、左から繰り出されたサクラの攻撃は大狼の素早さをもってしても避けることは出来なかった。


「よし、やっといいのが入ったな」

「今のは手応えあったで」


 その時、背後にいるシンの魔力が膨れ上がる。どうやら時間稼ぎはできたようだ。


「レオ!」

「あっちも準備できたみたいだな。二人とも下がるぞ。俺達の仕事は終わりだ」

「そ、それより、何なんこの圧は。まるであの副官さんみたいや」

「シンさんは一体何をしようとしてるんですか?」

「それは、見てからのお楽しみだ。さぁ、早くしないと俺達も巻き込まれるぞ」


 サクラの攻撃で怯む大狼を置き去りにし、俺達はシンの居る位置まで下がる。すると、それまで俺達の戦いを見守っていたグレンさんに声をかけられる。


「皆さん、お疲れ様でした。それでは、余波に気をつけてくださいね」

「余波?」

「それってどういう……」


 この後に何が起こるのか予想もつかない二人にはその言葉の真意が分からなかったようだ。それでも、グレンさんの助言を聞き、二人は何らかの余波に備える。


「竜気解放『プリメラ』」


 ドンッ!


 そう呟くと、シンの身を包むように収まりきらない魔力が溢れ出す。


「っ、これは……っ!」

「とんでもない魔力量と洗練された(オーラ)、一体何が起きてるん!?」

「二人も闘気って言うの使ってるだろ? それと同じで、シンのは竜人族に伝わる竜気っていう気の一種だ」

「しかし、その性質は似て非なるもので、闘気が身体能力を上げる物とすれば竜気はそれに加え魔力の量も大幅に増やすことが出来ます」


 グレンさんの説明に二人は信じられないと言った顔をしている。その間に、シンは攻撃体制に入っていた。


「それじゃあ、いくよ」


 聖剣を上段に構えたシンは、刀身に魔力を集め、大狼目掛けて聖剣を振り下ろす。


「『竜の咆哮(ドラゴニック・ロア)』」


 指向性を持ったその攻撃は地を抉り、動けぬ大狼へと直撃する。


 ガルルルァッ!


 今までの唸り声とは明らかに違う断末魔が部屋中へと響き渡り、土煙が晴れた先には壁に激突して横たわる大狼の姿があった。


「ふぅ、終わったみたいだね」

「嗚呼、お疲れ」

「な、なんて言う威力……」

「さすがは、勇者って呼ばれるだけはあるなぁ……」

「さ、驚いてる暇は無いぞ。さっさと素材だけ貰って先に進もう」

「せ、せやね、これだけの力があるなら簡単に進めそうやし」


 そうして、俺達は大狼から素材をいただき先へと続く階段を降りた。




□読んでくださった方へのお願い


 この話が面白いと思っていただけた方は下の方からブックマークと☆の評価をお願いします。


 読者様からの応援が励みになるのでどうかよろしくお願いしますm(*_ _)m


 話は変わり、少し前から最新作の更新も始めました。もしよろしければそちらも応援していただけると有難いです。


 以下タイトル


「組織を追放され、絶望した重力魔道士。この世界で生きる気力を無くしたので二度目の人生に希望を託し転生します! 〜人の世界を救った英雄のはずなのに組織から裏切られた俺は、二度目の人生を幸せに生きたい〜」


https://ncode.syosetu.com/n5836ha/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ