百十一話 再会
「おいおい、嘘だろ……」
あの地獄のような蜘蛛の大群を乗り越え、先を進んだ俺達だったのだが、現在進行形で最悪の事態に陥っていた。と言うのも……
「連戦はキツイってぇぇぇ!」
カサカサカサカサッ
またもやあの地獄のような光景を目にしていたのである。
「『破壊の光』!『破壊の光』!『破壊の光』!」
幸いにも、その数はさっきの半分程度で、怒涛の破壊魔法三連発で何とか全滅することに成功したがあの見た目による精神攻撃は中々きつい物がある。
「随分とお疲れみたいですねぇ、レオ君」
「そりゃ、俺一人で、やってれば、こうなりますって!」
「悪いね、サヤがこの調子だから……」
「無理、キモイ、虫、無理ぃぃ……」
ま、まぁ、苦手なものは仕方ない。そこまで虫が苦手じゃない俺でさえあの光景はなるべく目にしたくないんだから虫が苦手なサヤちゃんからしたら尋常じゃないほどの拒否反応を示すだろう。
「そんな疲労困憊のレオ君にいいお知らせですよ。どうやら次の部屋に六階層へと続く階段があるみたいです」
「それって、四階層みたいに魔物いたりします?」
「えぇ、居ますねぇ。中々面白そうなのが」
「う゛ぁ゛ぁ゛」
「とりあえず進みましょう。魔力ポーション要ります?」
「いただきます!」
これでとりあえず魔力は一安心だ。問題は拾うと精神面だけどね……
「で、その部屋はまだ少し先なんですか?」
「いえ、そこまで遠くは無いようです。この先の通路を少し歩けばすぐに見えてくるでしょう」
「てことは、また連戦か〜」
「少し休みますか?」
「いや、ここで休むのは気分悪いですし、面倒なことはとっとと済ませて第六階層で休みましょう」
「それがいいですね、二人もいいですか?」
「はい、大丈夫です」
「なんでもいいから、早くここから立ち去りたい……」
これは、しばらくサヤちゃんの支援に頼ることはできなさそうだ。
□
「ここが、第五階層最後の部屋……」
何だかんだこの第五層には四十分近くいた気がするが、その長い道のりもこれで最後だ。
「今攻略されてるのは確かここまでだっけ?」
「そうだね、大体の人がさっきの蜘蛛の連戦で撤退してるみたいだから、ここからは正真正銘未知の世界だよ」
「安心してください、私の目にこの三人の内の誰かが重傷を負うような未来は見えていません。これで心置き無く戦えますね」
「でも、グレンさんが面白い敵って言うってことはそれなりに面倒くさそうなんですが」
「そうですねぇ、まぁ、何とかなりますよ」
今まで、これ程までに信用出来ない何とかなるがあっただろうか? いや無い! 絶対に無い!
「はぁ、それでも、先に進むには行くしかないもんな……よし、行くか」
「嗚呼、行こう」
「サヤさんは私に任せて、お二人は戦闘に集中してください」
「お願いします」
そうして、俺達は第五階層最後の部屋へと踏み入れる。するとそこには、見慣れない鎧を来た大きな魔物? が部屋の中心に座っていた。
「あれは、何だ?」
「確かヤマトに伝わる甲冑と言う鎧ですね。昔一度見たことがあります。中身は、鎧で見えづらいですがスケルトンのようですよ」
「スケルトン!? それじゃあ中々倒せないじゃないですか……」
「そうでも無いですよ、この場には偶然にも光魔法の使い手が二人もいるので、スケルトンには相性抜群です」
「あ、そう言えばそうか」
なら、意外と何とかなりそうだな。
「けど、気をつけた方がいいね。ただでさえ俺達の倍はある大きさに、あの長い刀だ。魔法戦に持ち込もうと距離をとれば逆に的になるよ」
「そうだな。けど、俺は一度、あれに似た長い刀とは戦った事がある。少しは対処できるさ」
「それなら、接近するのはレオに任せるよ」
「了解。っと、そんなことを話してる内に、あいつも俺達に気付いたみたいだぞ」
カシャ、カシャ
「よし、それじゃあやるか。シン、最初任せたぞ」
「任された、光竜斬!」
シンが聖剣を振り下ろすと、前方のスケルトンへ一直線に光の斬撃が襲いかかる。その影に隠れて俺も眼前の敵へと距離を詰めた。
カシャ、カシャカシャ
(っ! 来る!)
光の斬撃の裏でスケルトンの行動を見ていた俺はその動作で次の動きを予測する。
案の定、スケルトンは自身に迫る攻撃を防ごうと、左に置いた刀を抜き、シンの繰り出した光の斬撃をその刀身で受け止める。
「その隙に! 『光連弾』」
(スケルトンの弱点は光、これで終わりだ!)
と思ったその時だった。俺の放った魔法がスケルトンの鎧に直撃すると、突然その魔法は次々と消滅していった。
「はぁ!? 嘘だろ、ってうおっ!」
謎の現象により俺の魔法は打ち消され、スケルトンはそのままシンの攻撃を払い除け、俺へと刃を振るった。
「あっぶねぇ、一体何が……」
そこで、俺はある可能性に気づく。
(はっ! もしかして……)
「『光弾』!」
その仮説を確かめようと俺は再度スケルトンへ魔法を放つが、やはり鎧に当たった途端に俺の魔法は消滅してしまう。
「やっぱりそうか!」
「どうしたんだ、レオ!」
「シン! こいつに魔法は通じない! こいつの来てる鎧、魔法を打ち消す魔道具だ!」
「何だって!?」
俺は一旦シン達の元へと戻り作戦を立て直す。
「さて、どうしましょうか」
「グレンさん、もしかしてこれ見えてました?」
「さぁ、ご想像にお任せしますよ。ふふふっ」
あー、これ、絶対分かってたやつだよ!
「仕方ない、とりあえず魔法が効かない以上物理攻撃主体で攻めていこう。魔法はサポートだ」
「でも、そうなると面倒だね。スケルトンはいくら倒しても立ち上がってくるよ」
「確かスケルトンには核があったはずだ。それを破壊出来れば……」
「分かった。それなら、俺が前に出るよ。シンは後ろを頼む」
「了解、鎧で見つけづらいけど、頼んだぞ」
「嗚呼、任せてくれ」
そうしてシンと役割を変え、俺達は戦闘を再開するが、それでもやはり決定打には欠ける。
「クソッ、やっぱり核を壊さないとキリがないな。けど、一体どこにあるんだ……」
核を破壊しない限りシンがどれだけスケルトンを倒そうとも何度も何度も立ち上がってくる。この状況が続けば体力の限界でこっちが動けなくなりそうだ。
(一旦引き返して作戦を立て直すか……)
と、レオがそう考えたその時だった。
「『業火の太刀・焔』」
その可憐な声と同時に、後方から赤い着物を着た人影が現れる。
直後、その人物がら繰り出した攻撃により、スケルトンは鎧の内部を炎に焼かれ、その体を崩壊させた。
(この技、あの着物……もしかしてっ!)
「あら、誰かと思えばレオ君やないの。久しぶりやなぁ」
「その声、やっぱりお前か。サクラ」
そこに居たのは、赤い着物に、特徴的な黒髪黒目という容姿をした少女。
「ソルヴァレス学院第三席、サクラ・ミヤシロ。ただいま参上、なんてな」
首を傾げ、冗談めかして挨拶をした、サクラだった。
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以下タイトル
「組織を追放され、絶望した重力魔道士。この世界で生きる気力を無くしたので二度目の人生に希望を託し転生します! 〜人の世界を救った英雄のはずなのに組織から裏切られた俺は、二度目の人生を幸せに生きたい〜」
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