百二話 プロローグ
第6章、スタートです。
長い夏休みも終わり、俺達の生活は普段のものへと戻っていった。今日からは学院も新学期の始まりである。
「今日から学院か〜、何だかんだ夏休み後半はずっと遊んでた記憶しか無いから元の日常に戻れるか心配だな」
「そうですね、私も戻れるか不安です。今年の夏休みは辛いことも多かったけどその分楽しい事も沢山あったので」
ウィルバート王国での一件以降結局革命軍が動きを見せることは無かった。
捉えた捕虜から情報を聞き出そうとしたみたいだが、末端の構成員は殆どの者がその実態は知らず、幹部であるゼニスに関しては戦闘での衝撃が強すぎたことにより記憶障害を起こしていたと言う。もちろんその原因を作ったシンはやり過ぎだと学院長とグレンさんから小言を言われたらしい。
もう一人の捕虜、ノワールは唯一実態を知っていて尚且つ話せる状況にある人間だがそう簡単にはいかず未だ頑なに口を開かないようだ。このままいけば恐らく拷問コースだろう。
革命軍に動きが無かったのは捕虜からの情報漏洩を危惧してのことと甚大な被害を負ったことの二つが理由として挙げられたが被害が大きいのは相手側だけでは無く、セイクリッド学院も人名は心配無いが校舎の損傷が酷く、修理をしなくてはいけなくなった為夏休みに予定していた全日程が頓挫してしまったらしい。アストレア学院も夏合宿の事後処理に追われ、その後の夏休み全日程は中止となった。
つまり、両校は互いに夏休み後半は家庭学習と言うなの自由時間となり、俺達対抗戦組はサヤちゃんおかえりパーティーやグレンさん歓迎会、今以上に親睦を深めようと両国の観光地に遊びに行ったりと夏休みを満喫したのだ。ちなみにその時の移動手段は主に俺の転移門である。
ちなみに、グレンさんの歓迎会と言ったがあの事件以降グレンさんはシンの家庭教師となったのだ。
(まぁ、表向きは家庭教師って言うだけで実際はシンの竜気が制御できなくなった時のストッパーだけどね)
「それにしても、楽しみですね新学期」
「そうだね、まぁ基本は夏休み前と変わらないだろうけど」
「でもでも、二学期は学院全体でのイベント事も多いんですよ!」
「そう言えばそうか……一学期は対抗戦ぐらいしか無かったもんね」
しかもその対抗戦も学院全体という訳では無く一年の代表だけが出るものだった為、本格的な全体でのイベントと言うのはまだ一度も行われていない。
「確か1番早いので来月末のクラス対抗大魔闘祭だっけ?」
「はい、毎年すごい賑わいを見せるそうですよ。一般からの観客も多くて屋台も出るみたいです」
「本当にお祭りって感じだね、でも大魔闘祭って具体的には何をやるんだ?」
「魔法を使った種目で競うって言うのは毎年同じなんですがその種目は年ごとに変わるらしくて。今年は一体何をやるんでしょうか」
後から聞いた話ではいくつかの種目を行いその合計点を競う年もあれば一つの大きな種目を決め一日を通してその種目のトーナメント戦をやる年もあるらしい。
「でも、そうなると学年によって実力に差が出てきそうだな」
「その辺も心配しなくて大丈夫ですよ。大魔闘祭は毎年三日間に分けて開催されるのですが一日目は一学年、二日目は二学年、三日目は三学年と学年ごとに分けられているので」
「へぇ、そうだったのか」
(確かに、そのやり方なら少なくとも学力による差は出なさそうだ)
「おーい」
「あ、サリー。おはよう」
「おはよう」
「うん、二人ともおはよう。今日熱いね」
言われてみれば、夏と言うこともあるんだろうけどいつもより少し日差しが強い気がする。
「ところで、二人は何話してたの?」
「来月末の大魔闘祭について。今年は何をやるんだろうって話してたんだ」
「あー、もうそんな時期か。早いね」
「俺は出るのはもちろん見るのも初めてだからな。人一倍楽しみだよ」
「そっか、レオ君はあんまり王都に来たことが無かったんだもんね。毎年凄い盛り上がるの」
「そうみたいだね、アリシアから聞いたよ」
やるからには本気を出さないとな。目指すは1位だ。
「そう言えば、知ってる? なんでも今日から新しい先生一人と留学生が二人来るんだって」
「へぇ、内のクラスに?」
「留学生の子達はそうみたいだけど、先生はまだ分からないみたい」
「そっか、仲良くなれるといいね」
「そうですね、留学という事であればこちらにもまだ慣れていないかもしれないですし」
(にしても、この時期に留学生か。タイミングとしては新学期が始まる初日だしおかしくは無いけど、何か気になるな……いや気のせいか)
「そういえばアリシア、昨日はどうだった?」
「昨日? 昨日何かあったのか」
「あれ、レオ君知らないの? 3日前からこっちに用事があるらしくてサヤちゃんとシン君が来てるんだよ」
「そうだったのか、俺の方は何も聞いてないな」
「うーん、時間が無かったのかな。忙しかったみたいだし。昨日も少し時間が取れたからってアリシアと二人で街に出かけたんだっけ?」
「そうなの、用事の内容はまだ教えられないって言ってたけど、凄く楽しかったよ」
「サリーは一緒に行かなかったのか?」
「うん、お父さんとお母さんが日帰り旅行に行ってて、普段はお母さんが使用人さん達のお手伝いをしてたんだけど昨日は私が代わってたの」
なるほど、そうだったのか。
「今度は三人で一緒に行こうね!」
「うん!」
うん、アリシアが楽しそうで何よりだ。正直夏合宿にサヤちゃんの一件と夏休み中はどうなるかと思ったけど、これなら何も心配は要らないらしい。
(俺も、後であいつの墓参りに行かないとな……)
そんな二人の会話を聞きつつ、夏休みを軽くふりかえっているといつの間にか学院の門まで到着していた。
さぁ、新学期の始まりだ。新しいクラスメイトも増えるみたいだし心機一転、気を引き締めていこう。
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「組織を追放され、絶望した重力魔道士。この世界で生きる気力を無くしたので二度目の人生に希望を託し転生します! 〜人の世界を救った英雄のはずなのに組織から裏切られた俺は、二度目の人生を幸せに生きたい〜」
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