3/30
3
「あばよ」
ゴリラの言葉が終わる前に、フラッシュグレネードを転がす。
強烈な閃光。
あたしはゴーグルで大丈夫。
「ウオッ!」
ゴリラの叫び。
しばらくは、何も見えない。
素早く近寄って、股間を思い切り蹴りあげてやる。
うずくまるゴリラ。
ハンドガンの銃底で後頭部を殴りつけると、動かなくなった。
お休み、ゴリラ。
目が覚めたら、あたしは居ない。
さて。
武器庫を見回す。
あった。
特別な端末。
ネットワークは死んでも情報は生きてる。
パスワードが隠されてるはず。
ゴリラは、あたしを利用してるつもりだったろうけど、あたしも奴らを利用した。
パスワード…あった。
武器で使えそうなのを物色。
施設の入り口に戻った。
まだ、戦闘の音がする。
あたしには好都合。
夜の闇へと脱出。
奴らにはもう見つからない。
月明かりが優しい。
あ、悪い。
あんたが誰かは知らないけど、自己紹介がまだだね。
忙しかったから。
あたしはミーコ。
よろしく。