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目が覚めた。
腕時計を見る。
作戦まで、3時間。
今日はあたしにとって、いや、シュトレル人にとって、勝負の日になる。
あたしは装備を整えてテントの外へ出た。
外は荒野。
大勢の仲間たちが車やバイク、武器や防具の点検に、大わらわになってる。
あたしは指令部のあるテントに向かいながら、仲間たち1人1人に声をかけた。
皆、これから始まる決戦に興奮を隠しきれない。
あたしは、ひときわ大きなテントに入った。
中央に置かれたテーブルを囲んで、3人の男女が居る。
「リーダー、おはよう」
若くて背の低い男が、あたしに言った。
「おはよう、マグ」と、あたし。
「ずいぶん、ゆっくりじゃん」
マグが笑った。
マグは、いつもふざける。
「リーダーはいつも頑張りすぎるから、わたくしがゆっくりお休みするように言ったのですわ、マグさん」
メガネをかけたかわいい女性、アミューがマグをたしなめた。
「今日は、とても大事な日ですから、リーダーは万全の体調で臨んでいただかないといけないのですわ」
アミューが、メガネをククッとあげる。
この娘は、あたしたちの作戦参謀だ。
アミューの戦略のおかげで、あたしたちは連戦連勝してる。
ここまでの軍団を編成できたのも、彼女の功績が半端じゃない。
「はい、はい、分かってるよ。冗談じゃん。アミューは真面目すぎて、面白くないんだよなー」
マグが、ブーたれた。
「オレは、早く奴らと戦いたくて仕方ねえ。何だったら、今からオレのチームだけ出撃させてくれ」
デカくて筋肉質な男、ハーベイが言った。
ハーベイは前線で頼りになる。
ハーベイが率いる「PS」部隊は、この戦いの重要な鍵を握ってる。
「その闘志は、本番の戦闘まで取っておいて。始まったら、思う存分に暴れていいから」
あたしの言葉にハーベイが頷く。
テーブルに置かれた、この地域一帯の地図を使って、あたしたちは作戦の最後の確認を始めた。




