19
部屋に入ったあたしとチェイミーは、鉱山での疲れもあって、ガタガタのベッドでも気にせず、ぐっすりと眠れた。
自然と目が覚めると、もう日が落ちて夜だった。
チェイミーは、まだ寝てる。
あたしは部屋を出て、廊下の手すりに手をかけた。
階下を覗きこむ。
ハゲオヤジの頭頂部が、真上から見えた。
カウンターで流れ者風の男と話をしてる。
金塊の話や荒くれ者たちのアジトの話、他にもいろいろ。
いちいち客が興味を示すから、オヤジのお喋りが止まらない。
また、首筋がチリチリし始めた。
いやな予感がする。
客が鍵を受け取って、1階の部屋へと消えた。
宿を閉めるのか、オヤジが入口の扉に歩く。
鍵をかけた。
周りに人が居ないか確かめるように首を動かす。
こっちに顔を上げた。
あたしは自分の勘に従うことにした。
頭を引っ込めて、息を殺す。
しばらくすると廊下の電気が消えて、オヤジが1階の部屋に入っていく音が聞こえた。
あたしは、音を立てない忍び足で階段を降りた。
カウンターを乗り越えて、すぐにオヤジの後を追う。
部屋の前まで来た。
扉に耳を当て聞き耳をたてる。
微かに話し声が聞こえた。
扉のノブに手をかけて、そっと動かしてみる。
開かない。
あたしはポケットから、ピックとドライバーを取り出した。
この程度の鍵なら、数秒で開けられる。
「カチッ」という音がして、ロックが外れた。
扉をゆっくりと、少しだけ開ける。




