16/30
16
「チェイミー、聞いてるか!?」
ハインツが呼びかける。
「パパ!」
「お前を愛してる! それだけは忘れないでくれ!」
「ハハハ! それが遺言か、ハインツ! 脳みそブチまけて、くたばりやがれ!」
アルゴの銃がハインツに向く。
あたしはハンドガンを撃って、アルゴを妨害する。
ハインツが、フラフラと立ち上がった。
スクラップ場のプレス機のコンソールに、もたれかかる。
ハインツが起動ボタンを押すのと、アルゴの銃が火を吹くのが同時だった。
ハインツは頭を撃たれて、コンソールに倒れた。
アルゴの足下が開き、プレス機に落ちる。
これがハインツの狙いだ。
捨て身の策。
チェイミーを守るために。
あたしは隠れ場所から飛び出した。
落ちたアルゴの指が、穴のふちにかかっているのが見えたから。
アルゴの位置が、穴の端すぎた。
落ちる瞬間、アルゴは反射的に手を伸ばし、両手で穴のふちを掴むのに成功した。
あたしは穴の上から、アルゴの頭に銃口を向けた。




