〜〜〜はてこい〜〜〜 ダブルベース
第九話
雨の日は憂鬱だ、自転車に乗れないから、一時間以上早起きして駅前のバス停に向かう。しかし、もう行列が出来ている。傘が濡れているのはお互い様だが、乗客達のレインコートの湿気には慣れない。立っているのは十数分程度なんだけれど、この不快感は少し辛い。
街道の一本道だし、雨の上がった帰りは歩こうと思った。そこに秘書アヤカの赤いマセラティが停まる。
「ショウちゃん何トボトボ歩いているの? ご飯食べた? モールのイタリアン行かない?」
特に断る理由もないので、クルマに乗り込んだ。白いレザーシートは、あたかもイタリア紳士が抱きかかえるかのように、彼女を包み込んでいる。
が、現地には女性社員が4人。「(女子会じゃねーかよ!)」と直感した。困ったコトに、この会社のスタッフはみんな相当の美人だ。いつも短めのスカートにしなやかな御御足が眩しい。
「何かボク場違いなので帰りますよ。」
「関係無いし、みんな興味津々だし、いいじゃんか。帰りはアタシが送って行くから平気。ビール飲むの?」
「いやいや、皆さんを差し置いてお酒なんて…」
「ショウちゃんお酒好きでしょ? 次はウイスキーの水割りよね?」
何を知っているんだ? 彼女の言動に女性社員達が怪訝な顔をしている。
「ショウちゃんは、一緒の大学の先輩なんです。で、合コンに誘われて。」
「ちょっと待て、そんな覚えは無いです!」
「あの日のことを忘れたんですか? アタシお持ち帰りされたのに。あんなコトさせられたの初めてだよ?(笑)」
「ウソだ! みんな信じないで下さい!(汗)」
ちょっと待って下さい、絶対にヤッてません。でも結局送って貰った。オマケにコンビニにクルマを置いて、ウチのアパートに入って来た。そりゃ可愛い娘が家に来るとテンションも上がる。でも手を出すとクビ、ソコだけは決して忘れない。
「ショウちゃん、私じゃダメなの?」
「いや、そんな…」
まるで子猫のような眼差しに凄くグラっと来た。しかし、早々にご帰宅頂いた。伯父から聞いた話し、地方の中小企業でワンマン社長の会社は、女性社員の採用を容姿で決めるらしい。早々に社内恋愛で寿退社されても構わない。その代わり、ダンナは一生会社に忠誠を誓うのだと。
続く
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