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お兄ちゃんと愛しきキョーダイ達  作者: 文房 群
お兄ちゃんによる前置き
2/19

そんな日常の場所


 

 まずはお兄ちゃんがいる場所の説明から。

 あ、「お兄ちゃん」っていうのは俺の呼称で、俺自身も自分のことをお兄ちゃんって呼ぶからお兄ちゃんなんです。

 だって俺、みんなのお兄ちゃんだし。

 

 それはさておき。お兄ちゃんが十人の弟達に囲まれて住んでいるのは、とある山の中にある施設。

 元々孤児院とか保護所とか、そういう目的で使われていたらしいが、前の利用者がまあ口には出せないような目的の為に使ってまして。

 その後をそのままお兄ちゃんと我が弟達とが引き継いで使っているんです。

 建物は二階建てで、外見は古びたコンクリートの壁に木製の廊下という廃れた雰囲気の否めないボロ施設。

 実際壁に穴が空いたり床が突き抜けたりしたから、一部木の温もり溢れる新しい空間にリフォームしたりしてる、色々ごちゃ混ぜになっている我が家です。

 一階はダイニングとかキッチンとか庭とか有りまして、二階は弟達の個室や客室がある。

 ちなみに風呂場は豪華な露天風呂です。

 そこは現在の管理人が就任した直後に「伝統文化を再現したくて!」との熱い思いで出来た場所です。

 あの人、情熱の使い所若干間違ってる気がするの、お兄ちゃん。

 

 そして最後は玄関前から縁側付きの庭、裏庭にかけて広がる広大な山、森、湖。

 自然豊かな場所で、夏場は虫が大量に出たりするけど、同じぐらいマイナスイオン大量発生してるし静かだから心地快い、子どもがすくすくのびのびと育ってくれる環境です。

 でもね、だからといって山丸ごと買い占めるなんてやり過ぎだと思うの、お兄ちゃん。

 そりゃあ自由に出来るけど、お陰で何回うちの弟が遭難したと思ってるんですか。

 

 とりあえず管理人、後で裏庭な。

 

 

 そんな豊かで素敵な環境で育ったお兄ちゃんの可愛い弟達は、それはそれはもう、のびのびと育ちまして。

 怪我もいっぱいしたけど、それはもう元気に健康に大きくなって――――うん。

 とても自由に育ちました。

 どれぐらい自由かっていうと、常識に囚われないぐらい自由に育ちました。

 お陰でお兄ちゃん、毎日フリーダムな弟達に社会の常識というものを教え込む始末です。

 十人の弟達と暮らして何が大変かって、それが一番大変だったりします――――うん。超大変。

 だけどまあ、基本的にみんな良い子達です。

 

 今日はそんなお兄ちゃんの自慢の弟達を、一人ずつ紹介していきたいと思います。

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