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JOKER  作者: 二見
クラス内対抗戦編
6/55

一次試験

 ついに、クラス内対抗戦の日がやってきた。

 体育館には、クラスの生徒たちが集まっている。

ケンはあれからずっと同じ修行を続け、戦闘力を鍛えてきた。今日はそれを発揮する日だ。


「……よし」


 燃えているケンのもとに、イブキが近づいてくる。


「どうですか、特訓のほうは」

「順調だったよ。それに……」


 ケンはイブキをちらりとみて、


「お前に助けてもらったしな」


 といった。


「……楽しみにしてますよ」


 そう言うとイブキは去っていった。


「おい、お前イブキといつの間にか仲良くなってたのか」


 そんな二人の様子を見ていたヨハンとミスティが、ケンに話しかけてきた。


「以前ちょっとね。それより、わかってるよな」

「何がだ?」

「俺は本気で優勝を狙っている、ってことだ」

「……ふん。そうはさせないぜ」


 ケンとヨハンの間に、火花が散る。


「でも、ケン君はまず一次試験を突破できるかどうかじゃない?」


 と、ミスティが言った。


「一次試験?」

「クラス内対抗戦は、能力テストをする一次試験と、試合をする二次試験に分かれてるのよ。一次試験の成績上位者8名が、二次試験に進めるってわけ」

「なるほどな」

「まあ一次試験は霊能力の他にも、身体能力のテストもあるから、そっちで頑張れば突破できるかも」

「なら、そっちで頑張るだけだ」


 ケンが徐に立ち上がる。


「どこ行くの?」

「ランニングだ。体を温めるためにな」


 といって走り始めた。


「ずいぶん燃えてんなー」

「でも、一か月修行したくらいじゃ優勝は無理でしょ」

「そうか? 案外行けちゃうんじゃね。まあ俺は負けるつもりはないけど」

「もちろん私もよ」

「まあとりあえず、一次試験は適当にやろうぜ」


 ヨハンはやる気のない声を出す。




「では、次はケン君。霊能力測定に入ります」

「はい」

「この機械に向かって、全力で霊能力をぶつけてください」


 先生に呼ばれたケンは、目の前にある機械に向かって閃光弾を放った。


「えーと、数値は……840ですね」

「……ちょっとは、上がったかな」


 全力を出して息を切らしているケンは、些細な数値ながらも上がったことに喜んでいる。


「じゃあ次は、身体能力測定に入ります。まずやることは……」


 こうして一次試験は順調に進んでいった。




「では、試験の結果を発表します」


 一次試験が全て終わり、生徒たちは教室に集められた。


「一次試験合格者は、ご覧の八名です」


 合格者一覧が、紙で貼りだされた。

 そこには、イブキ、ヨハン、ミスティ、マリカの名前があった。

 ケンは自分の名前を探した。すると、一番下にケンの名前があった。


「お、俺も合格だ!」

「ケン、すげえじゃねえか!」


 ヨハンはまるで自分のことのように喜んでいる。


「ほんとおめでとう。正直一次試験を突破できるとは思わなかった」


 ミスティは少し申し訳なさそうにしている。


「お、おめでとう、ケン君」


 マリカも控えめだが、祝福しているようだ。


「さて、では二次試験ですが、対戦表はこのようになりました」


 先生は、もう一枚の紙を黒板に張り出した。

 その対戦表を見てみると、ケンの相手はマリカだった。


「俺の相手はマリカか」

「あ、ケン君、よろしくね」


 マリカはおずおずと手を差し出した。


「ああ、よろしく」


 ケンはその手をしっかりと握った。


「……」


 その手を握ったマリカは、何かを考えている。


「ケン君。マリカは普段はオドオドしているけど、意外と戦闘は強いから、油断しないようにね」

「心配するなよ。俺は手加減ができないからな」

「全力を出すことしか知らないだけだろ」


 ヨハンがケンを茶化した。

 その様子を、イブキが微笑みながら見守っていた。

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