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8界の物語

オレと私で世界を暴く!

作者: 流水一

よろしくお願いします。暇潰しにどうぞ。

ーーーあなたには誰にも負けたくないと心から思えることがありますか?ーーー

ーーーーもし、それを可能にする『力』が与えられるとしたらーーーー

ーーーそれを存分に振るって偉業を成し遂げて欲しいとお願いされたらーーー

ーーーーーーーーさて、どうしますか?






オレの名前は、天地(てんち) (ゆう)16歳。

自分で言っちゃなんだが平凡で凡庸な高校生だ。

家族は、父さん、母さん、姉ちゃん、弟、妹の5人家族だ。

隣の家には幼馴染みが住んでたし、クラスのヤツにはよくからかわれてたな。

オレん家は裕福だった。いや、自慢じゃねーけど。

両親は毎回揃って海外出張に行ってしまい家には、オレら子供しかいないで半年とかざらだが、特に不満はなかったな。


オレが中学に入る頃に、ねぇちゃんがスカウトされた。

なんタラ芸能事務所でアイドル業やタレント果ては女優として売り出そうって持ち掛けられていて、贔屓目に見ても、ねぇちゃんは美人だし、オレはーーー。

当然だろう。良く目をつけたな、この事務所はやるじゃないかと上から目線でいたのを覚えている。

しかし、今思うと何故、あんなことになってしまったのだろうか。


中学二年生になって、みんなが『左手が疼く』とかやってるときに、オレはあることを夢中でやっていた。

つまりオレの輝かしい厨二の歴史は始まってもいなかったんだ。

オレは行き詰まり、ストレスで倒れてしまい、その時幼馴染みに胸ぐらを掴まれ問いただされたな。

いや、アイツは怖かった。

世界に魔王がいても、真に恐いのはあいつだと思った。

オレはあのときのアイツは邪神じゃないかと思えるほど震え上がったのを身体が覚えている。

ただ、その時アイツが泣いていたし、弟妹達も心配で病院に駆け付けてくれたことが、嬉しくて、情けなかったと猛省した。

ただ、ねぇちゃんだけは見舞いには来なかったけどな。メールで『ばか、男がそんな簡単に靡くわけないだろ?』と言っていた。

意味不明だろ?

まぁ、今は気にしないでくれ。


そんで、オレはプライドを投げ出してアイツに協力を求めたんだ。

病院で問い詰められたとき一発殴られたが、協力を求めるときも殴られるとは思わなかった。

頼れって言ったり、私をダシにする気!?と怒ったり、女は良くわからんかった。

今のオレなら行けるかもしれんが。

結局、嫌々な顔をしつつもオレの協力をしてくれた。

ただ条件として、高校に行ったらもうやらないこと。

と言われたが、当然だ!誰がやるか。

これは、ねぇちゃんとオレとの対等な取引のため仕方なくだ。


しいてはオレの一人暮らしのためだ。


今じゃ、取引は上手く行き、念願叶っての一人暮らしライフを満喫していたさ。

そして、ねぇちゃんは役の幅を大きく広げて女の人にも黄色い声をあげられるような存在になった。


WinWinだろう?


ただ誤算だったのは、

まず一つ、弟妹と仲がなんか変わってしまったことだろうか。

高校に入ってから中学生になった弟と会うと、弟がしどろもどろになって、なんか知らんがまともに会話できないし。

妹は逆にグイグイきて、『今友達の彼氏が・・・』『この雑誌の服が・・・』とかどう見ても、男のオレに話すことじゃないことを聞いてくるようになったんだが。


いや、分かってはいたんだ。オレもやるなら惚れさせてやる!そんな勢いでやったからな。

おい、勘違いすんなよ。

オレは男だぞ。

けして女装した訳じゃない。

妹に文化祭で無理矢理させられたことはあるがそれっきりだ。


ああ、肝心なことを言ってなかった。

ねぇちゃんとの取引は簡単だ。もう予想もついていると思うが・・・


オレは一人暮らしの許可を取るために。

ねぇちゃんは男になりきるために。


そう、ねぇちゃんのため、しいてはオレのため。

いつのまにか終わった厨二ライフ。


実態は、ネナベとネカマでVRMMOをプレイをすることだ。

ただプレイすると、ねぇちゃんのダメだしが半端なかった。

『そんなに股は開かない。』とか・・・もう思い出したくない。

まぁ最終的に、幼馴染みの協力のお陰とねぇちゃんに完璧に女として調教されたと思ってくれ。

たが、もう終わったことだ。

そして、結局ねぇちゃんは惚れさすことはできなかったが、大多数のネットユーザーには高い人気を誇ったぞ。

うれしくねぇぇぇ。

ただ、幼馴染みはご機嫌斜めだったがな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。



そして、その記憶を封印したオレは今窮地に立たされている。


「次は天地君です。」


「おい、どうした天地?」


そんな声も遠くに聞こえる。




2回目の衣替えが終わる時期、同じ学校に進んだ幼馴染みと一緒の教室に入った朝。

学園祭も体育祭も終わり、人間関係が出来てきた時に事は起こった。

クラスのメンバー30人が全員揃ったのに一向に来ない担任の神野田奈(かみの たな)先生。

不思議に思い、廊下を覗き込む委員長の愛前(あいまえ) 愛花(あいか)

普段は凛々しいその顔が何を見たのか驚愕染まり、扉を締めてうつ向いていた。


その後すぐにその扉から、担任の神野が入ってきて、いつも通りの身ぶり手振りの話し方で挨拶し出席を取った。


ただ、オレを含めて、全員の視線の先は神野ではなく、悠々と入ってきて神野の後ろに立つ、人間離れした美貌と威厳を兼ね揃えた赤い髪の女性に釘付けだった。


神野いいから、その人を説明しろ!


心のなかで、今だ20代前半に見える神野に愚痴った。

みんな同じ気持ちだろうに。


「田奈.....」


「ハッ......」


赤い髪の女性が声を掛けたら、我らが担任が従者のごとく控えたのを見て、空気が凍る。

おい、誰か突っ込んでやれよ。

気にせずに、赤い髪の女性は前に出た。


「私はリーゼといいます。この世界ではない世界の・・・管理者です。」


「は?」


そう声を漏らすのは仕方がないと思うが、神野が睨んでくる。

『殺しますよ?』

そういっている気がしてぞっとした。


そのあと、まぁ弟と会話の話題を探すために読んだ本にそっくりのテンプレのような設定だったんで割愛する。


異世界の管理者つまり、その世界の神々の代表者である「リーゼ」さんは、俺たち全員を自らの世界に呼びたいらしい。


手を上げて理由を問うメガネの武原。


理由は、優秀なこの世界の人材をスカウトだと神野が説明した。

おい、神野お前の立ち位置ってなんなんだ。

あと、さりげなく自分も実は偉かったのです。

と言葉に混ぜ込むんじゃねえよ。

武原の一言から、全員が納得するまで質問を浴びせた。

ただ、スリーサイズを聞こうとして女子に袋にされた勇者長田・・・お前の死は無駄にしない。


結果、

条件次第では、みんな賛同らしい。

条件①:今いる時間に必ず返すこと。

条件②:死んでしまってもこの空間で肉体を再生すること。ただし、もう一度行くことは禁止。

条件③:向こうでの生活を希望する場合、親族に異世界での偉業の分だけの対価を渡すこと。

条件④:戻るも残るも、最後一回は全員で顔を会わせてパーティーをさせてくれること。


この4つの条件なら行ってもいいらしい。

これがクラスの総意だ。

神様が直に来ることなんて本来はないんじゃないか、

そう力説した内藤 次郎の影響もあるかもしれないが・・・


そして、オレが何故窮地に立たされているのかというと、


神リーゼが偉業を成し遂げるための力をくれるらしく。

その力の源が、オレが隠してきた存在をぶちまけるかもしれないとなると・・・わかるだろ?


だって深層心理で、誰にも負けないと思えることってそのあれじゃん?オレの黒歴史ことじゃん。


「ばっか、なにとろとろやってんだよ!ほれ。」


「ば、おい、まず、」


武田ぁぁぁぁてめぇぇぇ、恨めしい視線を送る。

武田に手を掴まれ、神が手で持つ液晶にタッチさせられた。

その後に起こるであろう現象・・・つまり、オレのチート能力。


頭を抱えて震えるオレ。


ここまで恐れる理由はある。

何故なら、オレより3つ前の金髪ハーフの(ひじり)・R・セージのチート能力のせいだ。

彼女は自分の使用しているゲームキャラを実体化させたのだ。

アーサーというらしいソイツは・・・うん聖剣を持っていたから明らかに、かの王だろう。


さすがは神だ。みんな驚いていた。


ああ、オレも驚いている。なんでこんなことになっているのか神野に聞くと。


「えっとね、深層心理で誰にも負けないと思っていることが具現化するから、たぶん聖さんはアーサーについて一番詳しく一番理解しているってなってたんじゃないかな?」


「え、田奈ちゃん性格とかは反映されるの?」


そういって、アーサーをみんなで見ると、アーサーは


「困ったな、僕に僕を証明しろと言われても、ただ・・・」


『『ただ?』』


みんなが首を傾げるなかで、アーサーは聖の前で膝をつき右手を取り口づけをした。


「この聖剣()は君のためにあるよ。」


「ちょ、い、いきなりWaT?」


あわてふためく、聖にみんな確認を取った。

ゲームでああいう『振る舞い』をしていたのかと・・・


恥ずかしそうに頷く彼女。盛り上がる女子。

伝説の騎士に緊張しながら話しかける男子。

少し離れたところで青白い顔をしている女子。

同じく青白い顔をしているオレ。


時は、クラスの最後の一人になるまで逃げ続けていたオレが液晶をさわった場面に戻る。


アーサー出現と同じでボフンというコミカルな音。

煙の中からでもオレには解るシルエット。

段々と姿が見えてくる。

慎ましい胸に、白い魔女帽に白い魔女マント。

肩まである黒い髪に青い目。

下にはチェックの青いスカートに黒の珍しいブレザー。

まるで2Pカラーの魔法使いのような出で立ち。


煙が晴れた後、キョロキョロと周りを見回して白い帽子が揺れている。


「可憐だ・・・」「かわいい。」「・・・じゅるり。」「うそ、嫉妬しそう。」「女子力高そう。」


そう言われている白い魔女帽の彼女は、神野の後ろでうずくまっているオレを見つけ嬉しそうに言った。


「カミサマ!やっと、やっとお会いできました。私はこの2年カミサマが・・・うえっ、っく」


途中で泣き出してしまった彼女にオレは焦った。

おいおいおい、2年てなんだ?オレがゲームやめた時期から2年経ったがその間コイツ・・・うそだろ?


そういう視線を赤い髪の神リーゼに送るがこちらに向けて微笑むだけだある。

しかし、何故か言いたいことはわかった。


(いいんですか?泣かしたままで。)


はぁ、ため息を付きつつ、こちらに集まる抗議の視線と探るような目線。

それらを今は無視して、オレは声を掛ける。


「泣くな、オレはお前がこの2年?そのあれだ!何してたか聞きたいんだ。」


そういって帽子の上から頭をポンポンと叩く。


「ふぇ、ん。」


上目使いにこちらを向く青い目が不安を現していた。


「だから、まぁよろしくな。」


口許をひきつらせてなんとか声を絞り出した俺は勇者だと思う。

はっずいわ!なにやらすの?この子!

だけどやったかいはありそうだ。


「・・・はい!カミサマ!!」


嬉しそうな彼女を鏡ではなく触ったりできるのにすこし感動した。


さて、この状況どうしましょうか。


こっちの右手に絡めてくる細い彼女の左手。

視線を向ければ嬉しそうな笑み。


知ってたか、これ全部中学の頃のオレ・・・いや『私』なんだぜ。





今書こうとしてますが、とりあえず保留です。

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