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迷走

治は自分の希望する高校への進学をあきらめた、

それと同時に高校進学自体を止めにすることに自分では決めた。


ある日の夜に父親に


「とうちゃん、高校行かんばい・・仕事すっけん」と伝えると父親は。


頭ごなしに「ばかかぁー高校に行けーー!!」と怒鳴り出す。。

こうなったら、、その場を逃げるしかない。


逃げた・・


何の話し合いも無いままに、、何の進展も無いままに、、ただただ時間が過ぎて行く。



結局、、治は地元の高校に入学することになった。


治自身、父親の考えが分からないままの高校進学であった。


しかし、、地元の高校では治の入学はちょっとした「ニュース」となっていた。


そのころから治はよく「東大」と言う言葉を耳にするようになる。

それと同時に治自身は心にあることを誓う、、


「絶対に東大には行かない!」


と言う事である、、理由は簡単、、周りの大人たちへの反発であった。


ヒロちんは治の進路を聞いて大喜び、であった。


「15一緒に寮に入っばい」とか「わからんやったら教えてくれんばぞー」とか、、

とにかく仲間が出来て安心したのかもしれない。

治にしても、ヒロちんと「バレー部の先輩」が地元の高校にいる、、その2点だけが救いであった。


入学試験の日、治の村からだと受験時間に間に合わないから、前日から

「都会の先生」が引率して高校の近くの「旅館」を取ってくれて泊まり込みで受験に向かう

2泊3日の日程である。

男子2名女子1名それに先生の4名。

女子は治の憧れの先輩の妹。この妹は、、とにかく「凄い!」何が凄いのかと言うと、、

「全てが凄い」のである。

身長こそ170センチぐらいしかないが、、体重はたぶん治とヒロちん二人分は楽にありそうで、、

それでいて、バレー部のキャプテン、、エース、、生徒会の会長、、学級委員長、、運動会では中心人物、、

頭の良さも、小学校4年までは「学校一」であった。

勿論卒業式では中心人物。


とまぁーとにかく凄い女であった、、ヒロちんなどは「あっや、、こわかぁー」と近づきたくもない様子。

治は、、別段何も思っていなかった、、ただ一つ姉との天と地ほどの違いを除いては。

姉は天使、、妹は「岩石岩子??」・・そう感じていた。


そんな子だから。旅館は当然?4人同じ部屋となった、、誰も不思議にも思わない。

当の女子生徒本人も何も言わない。


受験前日夜旅館の一室で、先生がテストのときの注意点を皆に教えてくれた。

特にヒロちんは先生に「ヒロ落ち着けよ」と何度も言われていた、そう言われる度に。

神妙な面持ちで「はい、わかりました」と言うヒロちんを見て治は笑っていた。


夜はあいにく先生が同じ部屋なので騒げなかったけど、治たちにしてみればとても楽しい時間であった。

まるで修学旅行である。

寝る時は、まず治、ヒロちん、先生、、、そして、、「岩子(本名ではない)」の順番で寝た。


受験当日はとても寒い朝だった、、旅館から歩いて高校に行く受付などは全て「都会の先生」が済ましてくれた。

試験会場となっている「2年4組」の教室に3人は入室した。


窓際の席に前から、治、ヒロちん、「岩子」の順番で座った、、


1時間目国語2時間目数学3時間目社会、、それでその日は終わり。

二日目

残りの英語と理科を受験して、治の高校受験は終了した。


とても寒い日で初日などはこの地方には珍しく雪が降っていた。

治はテスト中にずーっと窓の外の雪を見ていた。


結果。。



「合格」



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