前へ目次 次へ 5/9 陰と陽 ⑤ 放課後。 司馬巻は音子の家の近くで待ち伏せしていた。 決闘を叩きつけるために。 自分の正しさを示すために。 だが、音子は戻らない。 苛立ちだけが胸の内で増えていく。 門の内側から丸い鳥が出てきた。 箒をくわえ、庭掃除を始めようとしている。 トトだ。 司馬巻は迷わず鳥を掴んだ。 トトは羽をばたつかせ、丁寧な敬語で叫ぶ。 「やめてくださいませ! ねこさまー! ねこさまーっ!」 「黙れ」 司馬巻はトトを抱えて去った。 門前には紙を一枚、置いていく。 決闘書だ。