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第13話 壁の骸
近くの壁には、骸がはりつけてあった。
十代になるかそこらの、少年の骸だ。
けれど、すぐにでも動きそうな気配をかもしだしている。
貼り付けられているから動きはしないんだろうが、やはり怖い。
「さ、先に進むぞ」
僕は足早にその場を去った。
演技をしている人も、僕達にじっと見られていると辛いだろうしな!
慎重に、二階の部屋を順々に回っていく。
スピーカーで二階だけに音を流しているのか、時々怨嗟の声みたいなのが聞こえてきた。
たまに大音量で「オ オ オ ォ ォ ォ !」とか言うのでやめてほしい。
心臓に悪い。
「ツ ギ ハ オ マ エ ノ バ ン ダ !」
とかもね。




