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「おい、その兵隊どもが持ってた無線機は……?」

「それが……電源がOFFになってます」

 そう答えたのは「教授」。

「入れりゃいいだろ?」

「それが……ブッ壊れてるようには見えないのに全員分が自動的にOFFになってて……電源が入りません」

 無線機と言っても、今主流になってる「ブンコPhone」が出る前の携帯電話ぐらいより更に一回り大きく……小型モニタなんかも付いてて、結構、高機能なようだ。

「おい、見ろ……」

 その時、死んだ兵隊の服をひっ(ぺが)してた久米が、そう声をかけた。

「何だ、こりゃ?」

 死んだ兵隊の心臓の真上あたりには……直系5㎝ぐらいの薄型でほぼ円形の電子機器らしきモノが貼り付いていた。

「多分だが……無線機その他の敵に奪われたらマズい事になる装備は、こいつとON・OFFが連動してるんだろ」

「へっ?」

「場所からして……心臓が動いてるかを検知する為のモノみたいですね」

 そう言ったのは……姐さんだった。

 つまり……この兵隊達の、その手の備品・装備は、持ち主の心肺停止が検出されたら、自動的に電源OFFになる、って仕掛けか……。

「巧い事、考えやがるな……」

 東南アジアの中には「新先進国」と言われてる国が何ヶ国か有る。日本もウカウカしてたら……どころの騒ぎじゃなくて、十年前の富士の噴火の時点で、その手の「新先進国」に抜かれてる分野なんて山程有ったらしい。

 今や数少ない日本が誇れる「最先端工業製品」の1つである高性能強化服(パワード・スーツ)の「水城(みずき)」すらも、設計・改良・試作・テストなんかは北九州の門司(もじ)に有る高木製作所で行なわれてるが、その高木製作所や関連会社は、肝心の生産部門や大量生産品が可能な工場が無いらしく、実際の(ブツ)は韓国や東南アジアの企業によるライセンス生産らしい。

「じゃあ、ちょっと探ってみますか……」

 姐さんは、そう言って目を閉じる。

 そして……。

 轟……。

 姐さんの体から「気」が四方八方に放射された。

 攻撃じゃない。

 いわば……レーダー波や潜水艦のソナーの音波みたいなモノだ。

「人が集まってるのは……3箇所。操舵室と……大部屋の客室と……食堂」

 大部屋と食堂には、客と……船を動かすのに必要ない船員が集められてるんだろう……。

「よ〜し、じゃあ……」

「すいません……後藤さんと教授はウチの『お客さん』達を見張ってて下さい」

 ……。

 …………。

 ……………………。

「私と久米さんで、操舵室に向かいます」

 ……あ……どうやら……既に「使えねえ奴」認定されてるらしい。

 ふと……渋谷・新宿区(site02)の2人を見ると……じゃんけんをしていて……。

「じゃあ、私が、この2人と一緒に操舵室に行くよ」

「俺は……あいつらを見張るのを手伝うわ」

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