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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ある専業主婦の独白

作者: たなか

 私は非常に恵まれている人間だと自覚しています。優しくて働き者の夫に、可愛くて利口な息子。夫の両親とは同居していないので、嫁いびりや介護地獄とも無縁。経済的にも何不自由ない、誰もが羨むような幸せで平和な生活。


 それなのに突然叫び出して暴れたくなるほど窮屈で息苦しくて堪らないのです。


 「家に居場所がない」と悩む方もいるそうですが、私は()()()()()()()()()()苦しいのです。妻としての顔、母としての顔、娘や姉としての顔……居場所を守るために創り出した仮面が肥大化して心に重くのしかかり、毎日押し潰されそうになっているのです。


 全てを無責任に投げ出して、たった一人で誰も知らない場所へ逃げ出すことを夢見て、何度枕を濡らしたでしょう。でも、それは決して未来永劫叶うことのない妄想に過ぎません。もし本当に妻や母親の肩書きを捨ててしまったら、世界中の誰からも必要とされない、がらんどうの抜け殻になった自分が鏡に映る気がして、想像しただけで怖くて震えが止まらなくなってしまうのです。


 結局、臆病者の私は今日もみんなが求める陽気で元気で愉快な「私」を演じています。




 さあて、次回は「楽しいスイカ割り」「祭りのあと」「夏だ、海だ、いざゆかん」の三本です。


 来週もまた観てくださいね。


 じゃんけんぽん、うふふふふふふ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 成る程……想像の斜め上を行く展開に驚きました。 みんなが笑ってますもんね……お日様も笑ってますもんね……。 でも確かに冷静に考えるとなかなか特異な家族構成。子どもの頃はそれぞれの関係性がよく…
[一言] リアルでこんな愚痴溢されたら、暇なだけでしょ。何か趣味無いの?そのうち不倫でもしそう…。て思っちゃうね。
[一言] まぁ気づいてましたよ。 髪型に出てましたから…闇が。 正気ではないフォルムですもの。
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