3.一方そのころ魔王城。
ここまでオープニングです_(:3 」∠)_
「いったい、どうなっている!? ――人間の軍勢に、なぜ押される!?」
「分からない! だが、確実に迫ってきている!!」
「ダメだ、関門が突破された!!」
「なん、だと……!?」
――一方そのころ、魔王城では。
人間の兵士たちによって、魔王軍は壊滅の危機へと陥っていた。
今までは簡単にあしらえていたはずの相手。それなのに、そのはずなのに、どういうわけか魔王軍は徐々に押し切られつつあった。
その理由が分からずに、魔王軍の元ナンバー2であり、現トップの魔族は困惑する。何かがおかしい、どうしてだと。
「あの平和ボケした魔王を追い出して、一気呵成に人間どもを捻り潰す好機だったはず。そのはずなのに、どうして我々は敗北を重ねているのだ!?」
彼は爪を噛みながら、必死に考えた。
しかし、答えは出ない。
「なぜだ、なぜだなぜだ……!!」
魔王城の階下より、黒煙が上がった。
それに呼応するようにして、人間たちの威勢のいい声が響き渡る。
彼らは多くの魔族兵が闊歩する王城を、一気に駆け上がった。そして、幹部のいる部屋の前までたどり着き、こう宣言する。
「貴様たちの敗北だ! 人間を侮りし、魔族ども!!」――と。
それを耳にした者たちは、みな震え上がった。
壊滅が、すぐそこまで迫っている。
「そんな、馬鹿な……!?」
結局、最後まで彼らは知らなかった。
アドレッドが壊滅寸前の魔王軍を生き永らえさせていたことを。そして、人間と公平な取引が結ばれる、その直前まで迫っていたことに。
そして――。
無能な幹部たちの生涯は、ここに潰えたのだった。
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