第二視点
続編です。
第一話
−俺は明日死にます−
あなたは明日死にます。そんなことを言われたらあなたは信じられますか?
「いやー今日もいい天気だなぁ!」
実を言うと曇りだけど、俺にとってはいい天気だ。
雨でも雷でも雪でも、みんないい所がある。だからみんないい天気なのだ。
「おっ!あれは・・・おーい!ミキやーん!」
「ミキやんって言うな」
「いいじゃーん!」
俺の名前は大宮勇士。んで彼の名前は片倉幹也。通称ミキやん。友達だ。けど向こうは俺のことを友達とは思ってないらしい。でも俺はいつか絶対にミキやんに俺のことを友達と思わせてやるんだ!
そんでもってミキやんを笑わせてやるんだ!
実は、ミキやんは笑わないんだ。何でだろう?何で笑わないんだろう?不思議でしょうがないけど、
まあいっか!
「一緒に学校行こうぜ!」
「やだ」
「やだじゃない!いくぞ!オー!」
俺達は学校に向かった。
キーンコーンカーンコーン
授業が始まったけど俺は寝てた。国語の時だとちょろいんだ。
キーンコーンカーンコーン
授業が終わった。俺はミキやんに話しかけてたけど、全部無視された。
キーンコーンカーンコーン
学校が終わった。掃除当番で帰るのが少し遅れた。
ミキやんは先に帰った。
「何で先に帰っちゃうんだよー」
「・・・」
「無視すんなよー」
「うるさいな!僕に構うなよ!!」
あーあ怒っちゃった。
どうしよう?
「おこんなよー」
「・・・」
「カタやん〜クラやん〜
ミキやん〜ヤんやん〜」
あれ?ヤんやんて何だ?
まあいいや。ん?あれは
「なあミキやんあれなにかな?」
「・・・」
「あっ!占いだってやってこうぜ!」
「・・・まあ・・別に」
ミキやんはこういうの好きなのかと思いながら俺は占いしのとこへいく。
数分後
「マジで!?どうすれば助かるの!?」
占いしは俺達二人のどちらかが死ぬと言った。
信じてた。
「なあミキやん〜・・・
あれミキやん?」
いつの間にかいなくなってた。
「あー!また勝手に」
「お前!!」
占いしがいきなり呼んだ。「なっ何?」
「知りたいか?助かる方法を?」
「知りたい知りたい!教えてくれんの?」
俺は占いは信じていたが心のどこかでは信じていなかったのかもしれない。このときの俺はあまり危機感を感じていなかった。
「この水を飲め」
「う、うん」
特に異変はなかった。毒ではないようだ。
「少しでいい。そう、そして残った水の中に手をいれろ。」
チャプ
手を入れる。
異変が起きた。
「何だ?なんか、変、だ」何だか言いようのない不快感が体を襲う。
「何だこれ?何だこれ!?
うわっ!うわあ!」
体を襲う不快感に耐えられなくなり全身を掻きむしるガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ皮膚が破れ血が出る。
ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリさらに深く肉をえぐる。
ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ
「あああああああああああああああああああ!!!」「お前には友達がいるのかい?」
「ひいっ!ひいい!」
聞いてはいない。
「思いうかぶ友達を片っ端から殺しな。そうすれば不快感もおさまることだろうよ」
不快感がおさまる?それだけが聞こえた。俺の頭の中には一人の少年の姿がうかぶ。片倉幹也。
「何考えてんだ!?俺!俺がミキやんをこ、ころ、殺せる、わけ」
不快感はおさまるどころかさらに強くなる。
「ぐっ!くうううううううううう!」
(我慢、しきれない!理性を、おさえられない!
ぐっ!ぅああああああああああああああ)
意識がとんだ。
第二話
−俺の生涯は一度です−
あなたはやりなおせますがチャンスは一度です。あなたは、成功できますか?
暗い。どこだここ。
「うっううう」
不快感はおさまっていないが、手足が拘束されていて身動きができない。
「ぐっううううう」
暗い場所でうめき声だけが聞こえる。
はずだが
「その不快感をなくしたいか?」
占いしが暗闇から現れた。
「うううううう」
「なくしたいなら、殺すんだよ!お前の友人を!」
「い、やだ」
殺せるわけない。友達を。ミキやんを。
「ふんっ友情なんてゴミなんだよ。そんなものぶっ殺しちまいな!」
「ゴミじゃ、ない」
「よくそんなことが・・・お前は友達と思っていても相手は本当に友達と思っているのかい?」
「!?」
そういえば、ミキやんは俺の事を・・・
「友達と、思って、いるのか?」
「不思議に思うなら何か思いあたるところがあるのだな?」
そんなはずない。ミキやんは俺のことを
「あああああああアアアアア!!!!!!!」
思ってない!
あいつは俺のことを、友達とは思ってない!!!!!
「そう、それでいい。チャンスは一度だよ。これでやれ」
そこにはナイフがあった。
「ぐうっうううう」
ナイフを・・・手にとる!
「うあああああ!!」
ナイフで手足を拘束されているロープをきる。走りだす。方向は彼がいつも通う学校、なのだが。そこは何かシャッターで閉ざされているようだ。
「開けろぉぉぉー!!!」
「話をききな。」
「うるさい!!!!」
「きけ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「っ!?」
占いしの迫力はすさまじかった。
「いいかい?時間は三十分しかない。それを過ぎればお前は死ぬ。」
「それでも!俺はやつを!殺す!」
「一撃で仕留めるんだよ。もし二回もしてみな。その瞬間、お前は死ぬ。」
一撃。一撃だ。一撃で、殺す。
シャッターが開く。
片倉幹也の元へ走る。
全速力で、走る。
第三話
俺は死にました
 ̄ だけど死んでません ̄
俺は死にました。だけど生きています。この意味が俺にわかりますか?
この先にある曲がり角を右に曲がれば、いつもあいつと一緒に帰っていた道だ。角を曲がる。そこには偶然にも、やつがいた。
(みつけたぁ!!)
ポケットに手を入れナイフを取り出す準備をする。
(殺してやる!!殺してやる!!)
「お前何で今日来なかったんだよ」
「うおおおおおお!!!」ナイフを上からやつの首に向かって振り下ろす。
「うわっ!」
やつは後ろにとびのいて俺の『一撃』をさけた。
(野郎!!!!)
「あああああああああ!!!!!」
俺はやつに『再び』ナイフを突き刺そうとした。
だが
(体が、動かない!?)
頭が急に痛くなった。
ズキン!!!!
「があああああ!!!!」頭が割れそうだ。
(あいつの言った通り、俺死ぬのか・・・けど、あいつは絶対に、殺す!!)
「逃げられないさ!!!!俺も、お前も!!!!」
(俺は今死ぬが、俺はお前を絶対に殺す!)
「『死』からはな!!」
俺には考えがあった。
この状況で何故こんな考えがうかんだのかはわからない。
しかし一か八かだ。
(死ぬなよ!俺!!!)
俺はナイフで自分の首を切りつけた。
何度も
何度も
そして、俺は死んだ。
占いしは俺の命は三十分と言ったがあれからすでに三十分近く過ぎている。
占いしはもし俺が二回『攻撃』をすれば俺は死ぬと言った。
俺は俺に『攻撃』をした。俺は死を一度に二回味わうことになる。しかしそんな事をすればどうなるか?
俺の考えは『死』と『死』が重なり中和する。というものだった。だから俺はナイフで自殺するときの『死』で占いしが言った『死』を中和しようとしたのだ。
(うまく、い、け)
俺の意識は一度途切れた。
最終話
−俺は全てわかりました−
俺は全てわかりました。だけど、これを伝える術がありません。俺は死ぬしかないのですか?
(死なねぇ・・・絶対に、やつを殺すまでは)
今の時間は真っ暗なことから、夜中という事がわかった。俺はどこかの路地をはいずり回っていた。俺は死を中和は出来たものの、首を切りつけた痛みは消えなかった。だが体を襲う不快感はなくなっていた。
俺の首や口からは大量の血が流れ出ている。
「ガハッ!ゴホゴホ!」
口から血の塊を吐き出す。それとともに激しい痛みが襲い掛かる。
首を切った時の『死』は中和したが、大量の血を失った時の『死』は中和しようがない。
今の俺は怨念だけで生きていた。
ズリズリズリズリ
地面を体がこする音が聞こえる。
だがそれ以外にも聞こえる音がある。いや、声が聞こえる。
(!!やつの声だ)
そして俺は見た。やつが自分で自分の首をナイフで切りつけているところを。
(なっなんで)
「なんでだよぉぉぉぉ!!!!」
俺の体は片倉幹也への怨念だけで生きていたのだ。なのに、やつが死んでしまっては・・・
(な、んであいつが)
その時、やつの使ったナイフを拾い上げる物がいた。
「おっまえ、なに、を」
俺はそいつのシルエットを頼りに話しかけようとしたが俺の体は崩れ落ちた。生きる目的がなくなった体の末路は死のみだ。
(あいつ、占いしか・・・いや違う!あいつは)
その人に月の光が浴びせられる。
(あいつは!!!あの時の!!!そうか、だからあいつはあのナイフを!!)
「お前が、やらせたのか?俺と、そいつに」
声になったかどうかもわからないが俺は聞いた。
「くっくふくはははははははははは!!!!成功だ!!成功だよ!!!!」
そう言うとその男はまた暗闇に姿を消した。
(ちっくしょ・・・誰か、聞いてくれ・・・)
誰もいない路地に『二つ』の死体ができた。
あなたは、解りましたか?
続く
第一視点との矛盾があるところがありますが、詳しくは言えませんが、後でわかります。