~出会い~
そんなこんなで俺は異世界転生した。
「テレビもゲームもないこの世界で何をやれっていうんだ......」
そう、この世界には現代技術もとい科学の概念はなく魔術の概念が存在している。
いかにも喜ばしいこの状況なのだが、俺から言わせてみればまだ何もわからないから
ただの概念でしかない。
「それにしてもあの女の子、初対面のはずなんだがぁ......」
そういう設定に神様はしてくれたのだろうか、そういうことにしておこう。
「つまりあの子は幼馴染ってことかな」
そういうことなら話は別だ。俺には昔幼馴染の女の子がいた。だがしかし中学に入るときその子は転校して遠くに行ってしまっていたのだ。
「お米が食べたい......」
そう呟きながら俺は寝床についた。
この世界はファンタジー、あらゆる種族が存在し神と呼ばれるその種の象徴なるものも存在している。
その中でヒューマンという種族には特殊な力は無いだがしかし魔法を使い発展してきたこの世界でお前は何ができる?
「いってて何で......きる?と言われてもな......」
今まで見ていた夢、というかお告げを整理してみよう。つまりこうだ
この世界は多種多様な種族が存在していてその上に神が存在している。そして魔法が使える種族もいれば俺ら人みたいに使えない種族もいる。で俺が何をするかその人は期待していた......
「俺に何ができんだよ、だいたい俺は一般人やぞ......」
俺は窓の外の景色を見た。
すると小さい光がいくつか飛んでいるのが見えた。
「あれは......妖精か!?昨日は見えなかったのに何で!?」
そしてそのうちの一つが近づいてきた。
「あなた私たちのこと見えるの?普通のヒューマンには見えないはずなのに......あなた名前は?」
「俺は直哉、神田直哉だ。お前らが見えるのは珍しいのか?」
「ふぅーん、ナオヤね。私は妖精族のプリ二シア・レミリー、レミリーでいいわ。私たちが見えるのは本来魔法が使える種族だけで使えない種族には見えないわ。」
「昨日なんかお告げみたいなのがあったんだ。それから見えるようになった。」
「じゃあそのお告げってのが何かのトリガーだったってことね。」
「てことは俺も魔法が使えるってことか?」
「まぁ初級魔法ぐらいは使えるんじゃないかしら?」
ついに異世界らしくなってきたじゃねえか!やったぜ転生!ありがとう神様!
「呼んだ?」
急に現れた男の子に俺は目を見開いた
「初めまして!ナオヤ君!私はアマテラス。ヒューマンの神様よ」
そう言った彼女の見た目は昨日の女の子だった。
「昨日の女の子は君だったのか!?」
「様子を見に来たのよ」
「そうか......」
「ちょっとナオヤ!どういうことよ、なんで神様と知り合いなの!」
「俺にも状況がよくわからん!」
「と、とにかく神様、なぜ僕の布団の中にいるんですかね??」
「いいじゃん、私も眠たいのよ」
そう言った後アマテラスと名乗る神様は寝始めた。俺のベットで
「私、あなたに興味が湧いたわ、しばらく一緒にいるわ」
そうしてレミリーと共にすることになった。
普通こう、超能力とか伝説の剣だとか与えてくれるはずなんだと思うんだけどなぁ......
そう思いながらとりあえず俺は仕事をやりに出かけた。
今後どうしていくかなんて全く見当がつかないのだが一つだけわかったことがある。
想像してた異世界となんか違くね?
そうしてどう生活していこうか考えながら体を動かしていた