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第九話 ボア肉

 周辺は文字通り燃えまくっているワイルドボア。異常な燃え方をしているのを鑑みるにきっと脂分がたっぷりに違いないね。ステーキが焦げてしまう! それにしてもいいチャーシューが取れそうな香り……。


 でもまだ残り5~6頭はいたはずだ。ここで気を抜いちゃいけない。後ろを気にしながら燃えるワイルドボアのバリケードを越えていく。


 現在進行形で炭化していってるワイルドボアを横目に辺りを探るものの気配は感じられなかった。さっきまで血走った目でプギープギー言ってたのが嘘のような静けさだ。ひょっとして逃げてくれたのか!?


「よ、よし。今のうちにステータス確認だ」


バサバサバサッ


 ハルト(16)レベル5

 ☆新しい魔法を覚えました

 職業:魔法使い

 HP:60

 MP:31/40

 筋力:25

 耐久:20

 早さ:20

 魔力:50

  運:100

 魔法:魂浄化(プリフィーソウル)火球(ファイアボール)、☆毒消治癒(デトキシーメディスン)

 装備:木の棒+10

 次のレベルアップまで経験値あと500


 い、いらねー。毒消しだとぉ!! 魔法を覚える順番を知りたい。いや、教えてください。あといくつレベルアップしたら回復魔法なり水魔法をいただけるのでしょうか『冒険の書』さん?


 無反応。バサバサッてならない。チュートリアルも攻略本もネット情報も何もないこの辛さ。もどかしさ。動け! 動くんだ『冒険の書』! 魔法のこと教えて!


 バサバサバサッ


「おぉ! 動いた。動けるんじゃないか『冒険の書』さんってばー……って毒消しのページか。期待させやがって」


 毒消治癒(デトキシーメディスン) 使用MP3


 初級の内科的治療魔法。効果は味方単体を対象とすることができる。まじない魔法とも呼ばれ、整腸作用から微量の毒排出効果を得られ二日酔いにも効果的。お腹の調子の悪い貴方にデトキシーメディスン。


 なんだかお金のかかっていない製薬会社のコマーシャルを見た気分だ。安っぽい。なんと安っぽい魔法なんだ。



 しばらく様子を伺ってみたが、やはりワイルドボアはいなくなったようだ。一応、セーブしておこう。このあと大量のワイルドボアが仕返しに来たらロードしてダッシュで逃げ出せばいい。


「セーブ。3番に上書き」


 セーブ3に上書きしました。



 安心してお腹の減った僕は、燃え方のひどくないワイルドボアを足で転がしながら消火して美味しそうに見える太もも部分を木の棒で骨ごと叩き折るとあとは無理やり手でひきちぎった。


 レベルアップの恩恵でかなりのパワーアップを感じる。お肉は中の方がまだ生っぽかったので、足の部分を手に持つとまだ元気に燃えているワイルドボアの火柱を使ってしっかり焼くことにした。焼くごとにジュプジュプと血が飛び出したボア肉は見た目にも美味しくは見えない。下処理はちゃんとした方がいいんだろうな。だけども匂いは悪くない。お腹が減っているのもあるのだろうけど脂のとける匂いが素晴らしく食欲をそそる。


 我ながらイノシシを焼き殺してその足をひきちぎって食べる日が来るとは思わなかった。人生何が起きるかわからないからいろいろな経験はしておいた方がいいと思う。流石にこれは予想出来ないと思うけどね。


「うぉー! う、うまいぃぃぃ! ちょっと脂が多いけどこれはこれでいい!」


 ボア肉を口に入れると一瞬の内に脂のジュース、ボアジュースになっていった。癖はあるけどこれは堪らない。肉はやわらかく脂の甘さが丁度いい。どうみても雑食のワイルドボアがこんなに美味しいとは意外すぎる。ゴブ肉は食べる気にはならないけどボア肉は全然ありだな。それにしても……。

「喉が乾いた……」


 ボアジュースは飲んでるよ。飲んでるけど今欲しいのはスッキリとした喉ごしの水だ。めっちゃがぶ飲みしたい。ボアジュースで脂っぽい喉と胃を洗い流したいのだ。


「川に行ってみようか」


 頭ではもう少しレベルを上げてから向かうべきだとは理解している。次のレベルアップまではかなり遠い。500の経験値とかゴブリン50体だよ。あっという間に日が暮れちゃうよ。もう欲望には勝てない。飲みたい。水飲みたいのだ。大丈夫だ、きっと大丈夫だろう。


「ロードして戻れるのだから、もっと気軽にチャレンジしてみようじゃないか」


 あっさりと欲望に負けた僕は恐る恐る川へ向かって歩き始めた。前回は待ち構えていたゴブリンにさっくり殺られてしまった。水場は狩場でもある。生きるにはどんな動物も魔物だって圧倒的に水が必要なのだ。この世界に来て数時間で気づかされた。水とっても大事。


 この世界に人が住んでいるとするならば水場近くを集落とするに決まっている。井戸の知識があるなら別だけども、それでも歴史を辿ればどんな文明も川を中心に発達していく。ならば川沿いを下っていくのが一番利に叶っているというか人に会える確率を上げてくれると思うんだ。


 こうして、僕は自分自身に言い訳をしながら川へと向かって歩いていった。


 二度目の川で、この世界初の人間に遭遇することとなり、ついでにとんでもないものも一緒に遭遇することになるとはこの時の僕はまだ知らない。

しばらく毎日投稿頑張ります。

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エビルゲート~最強魔法使いによる魔法少女育成計画~
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