第七十七話 ステータス表示
クロエ・アイギス(16)レベル33
職業:火の賢者
HP:590/600
MP:260/520
筋力:180
耐久:155
早さ:180
魔力:580
運:60
次のレベルアップまで経験値あと518000
アリエス・ロックウェル(16)レベル36
職業:地の賢者
HP:608/620
MP:230/510
筋力:190
耐久:160
早さ:170
魔力:620
運:140
次のレベルアップまで経験値あと438000
ローランド・ブラックバーン(28)レベル41
職業:初級パラディン(僧侶40+剣士12)
HP:562/580
MP:70/220
筋力:260
耐久:230
早さ:245
魔力:150
運:70
次のレベルアップまで経験値あと104500
ヴイーヴル(成体)ドラゴンレベル9
HP:900/900
MP:700/700
筋力:400
耐久:400
早さ:250
魔力:500
運:200
次のレベルアップまで経験値あと1518000
ベリル(幼生体)ドラゴンレベル2
HP:40/40
MP:200/200
筋力:20
耐久:10
早さ:10
魔力:100
運:20
次のレベルアップまで経験値あと22000
流石は賢者と上級職のステータスだ。ヴイーヴルに至っては次元が違う気がする。こう見ると、僕とベリちゃんだけ浮いているな。しかしながら、ベリちゃんもレベルアップの上昇度に関しては、同じドラゴンのヴイーヴルを見てる限り凄そうな気がする。普通の冒険者仲間がほしい。僕だけ場違い感半端ないな。すごく浮いてる気がするよ。
僕の『冒険の書』との違いだと、どうやら魔法や装備については表示されないようだ。そういえば、みんなの名字とか知らなかったけど、アリエス・ロックウェルにローランド・ブラックバーンか。ベリちゃんはそのままベリルで表記されているんだね。
「ハルト、何を見ているのだ?」
「えっ、みんなのステータスだよ。アリエスの名字ってロックウェルなんだね。クロエもステータス見れるんじゃないかな。予想通りというか、クロエの運数値の低さよ」
「むむっ、どうすればいいのだ。ステータスを表示するのだっ!」
どうやら、見たいという思いを浮かべたり、言葉に発することでステータスは表示されるようだ。クロエの左手には『冒険の書』があり、そこには全員のステータスが表示されていた。
「おぉ、これが『冒険の書』なのだな。運のステータスを見比べる……っと、ハルト、ローランド殿と運の数値は私とそう変わらないではないか。レベル的に言えば私の方が高いのかも知れないぞ」
「ちょっとクロエだけずるいわ! それから、享年28歳のローランドの運と比べても参考にならないわよ。私もステータス表示よっ」
「享年……」
みんな次々と『冒険の書』を表示させてステータスを眺めている。こんなにもの人が『冒険の書』を持っている光景というのは、ちょっと想像してなかった。これって、パーティ登録してない人から見たらやっぱり見えないんだろうな。
「ハルト、この、次のレベルアップまでの経験値というのが0になるとレベルアップするのだな?」
「うん、そうだね。次にレベルが上がりそうなのはベリちゃんと僕だね」
「ひょっとして、ハルトの『冒険の書』の魔物図鑑には魔物討伐時の経験値が記載されているのではないか?」
「よ、よくわかったね」
「HPやMPに関しても、今までは体に刻み込まれた感覚のようなものを頼りにしていたのだが、これなら正確に判断が出来るし、回復薬や回復魔法のタイミングも全体を見て調整出来そうだな」
「そうですね。全てを『冒険の書』に頼ってしまうのはよくありませんが、戦術的には参考になりますね。例えば、もう少しでレベルが上がる者にギリギリまで魔法を使わせるとかの調整はした方がいいでしょう」
「なるほどね。レベルアップしたら魔力は全回復するものね」
「しかし、この追加機能はシーデーモンとの戦いにおいて秘策となりうるものではないようだな」
「そうですね。運の低い私が言うのも何ですが、やはり奇襲を仕掛けてヴイーヴル様とハルト君がイシュメル様を抑えている間に数を減らしていく感じなのでしょうか」
「今回は私がいることで、ベリルの行動をコントロールすることが出来ます。ですので、なんとなくお願いするというより、明確に指示を出せるのが大きいでしょう」
確かに今まで割りと雰囲気でお願いしていたし、前回ロードした要因は何と言ってもベリちゃんの単独特攻と言える。ベリちゃん的には良かれと思っての行動だと思うので責められないが、そこに相談だったり、僕たちの会話を細かく理解していたらと思うと違った未来があったかもしれないなと思ってしまう。
「ベリル様に細かい指示を出すのですか……。そ、その、大丈夫なのでしょうか?」
ベリちゃんはというと、ボア肉を食い尽くさん勢いで食事に無我夢中なご様子。こう言っては何だが、割と自由な子だ。性格はのんびりで特技は睡眠とお腹に張り付くことだろう。気分でネコを助けたりする優しいところもある。とても細かい指示を理解して遂行出来るようには思えない。
「ベリルはとても賢い子ですよ。もちろん出来ないことも多いですが、こちらの意図を理解して行動するくらい訳ないことです。フォレストエイプの作戦の時も、しっかりこちらの意図通りに動いてくれました。予想以上とも言えます。そこで、ベリルには単独で動いてもらおうと思っています」
フォレストエイプの時はベリちゃんの様子を見ている余裕はなかったけど、思い返すだけでも絶句しそうになる大量の誘導は完璧に行われていた気はする。
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