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第七十六話 パーティ登録

「もう1つの機能はね、『パーティ登録』っていうんだ。これはね、『冒険の書』でパーティの登録をしたメンバーのステータス情報や経験値情報を見ることが出来るようになるんだ」


「私達のステータスがハルトに筒抜けになるというのね」


「それに関してだけどね、『パーティ登録』するとみんなも『冒険の書』のステータスを見えるようになるらしいんだ」


「えっ! じゃぁ、私もマップとやらが使えるようになるのね!」


「いや、他の機能は使えないよ。ステータスと経験値情報の共有のみだね」


「つまらないわね。こう言っては何だけど、お互いのステータス情報を見て何か楽しいのかしら?」


「そうだね。例えば気づいていなかった毒とかの状態異常のステータスとか、あと、おそらくシーデーモンに操られているとかも判断できるはず」


「なるほど、ステータス情報はギルドでしかわからなかったから、そういう意味ではこれも便利な機能なのだな。それに今までハルトしか見えてなかった『冒険の書』の一端を見れるというのはちょっと楽しみだ」


「それから、大事なことが1点あるよ。アストラルでは討伐者に全ての経験値が入るでしょ。それがこの『パーティ機能』の登録をすると戦闘の貢献度に応じて経験値が振り分けられるらしいんだ」


「貢献度に関する判断は『冒険の書』が行うということですね。先ほど私の飛行平均スピードを算出した機能を鑑みるとかなり細かく正確な判定をしてくれそうですね」


「この『パーティ機能』の登録については、お互いの同意が無ければ登録されることはないから安心してほしい。でも便利な機能だから一緒にいる間は出来れば登録してもらいたいかなとは思ってる」


「私は登録してくれて構わないぞ」


「キュイ!」


 クロエとベリちゃんはパーティに加わってくれるようだ。ベリちゃんのステータスちょっと気になるな。


「私も登録するわ」

「ハルト君、私もお願いします」

「私も短い間ですがお願いしますね。『冒険の書』楽しみですね」


 という訳で、全員が『パーティ登録』をすることになった。ヴイーヴルのステータスめっちゃ気になる。


「それじゃあ、登録していくね。えーっと、こっちで登録したら確認連絡が行くと思うから了承してね。そうしたらステータスが見れるようになるはず」


「確認連絡ってなによ」

「まぁまぁ、とりあえず様子をみましょう」


 どうやら、近くにいる人の名前が表示されるようで、『冒険の書』にはクロエ、ベリちゃん、アリエス、ローランド、ヴィーヴルの名前が表示されている。名前を押すとパーティ登録送信ボタンが表示される。


「えいっ! これで送信っと。どう? なんか連絡いってる?」


「あ、頭の中に声が響いてる! よし、登録だ」

「こ、これをOKすればいいのね」


 どうやら無事に登録が進んでいるようだ。


「ハルトの左手に持っているのが『冒険の書』なのだな」


 いち早く登録が完了したクロエには僕の持っている『冒険の書』が見えているようだ。僕以外の人が初めて『冒険の書』を認識してくれた。何とも感慨深いものだ。


「そうだよ。『パーティ登録』すると『冒険の書』が見えるようになるんだね。ということは、このマップ機能は見れる?」


 僕は『冒険の書』に念じて『マップ機能』のページを表示する。今表示されているのはカイラルの街周辺の地図だ。クロエはこれが見えるのだろうか。


「おぉ! すごい! これが『マップ機能』なのか。見えるぞ! この青いのが海なのだな」

「ちょっとぉ! 私にも見せなさいよクロエ!」


 気が付くと、ローランドさんもヴィーヴルも後ろ側に回り、『冒険の書』を覗くようにして見ている。ここにきて『冒険の書』大人気な様子。なんだ、みんな気になっていたんじゃないか。


 マップにはカイラルの街を中心に緑色のアイコンが固まって表示されている。縮尺を更に大きく表示させると借りている家のみを表示している。これは今までに無かったものだが、おそらく1つだけ離れた位置に表示されているのがボア肉に夢中のベリちゃんだとすると登録したパーティメンバーの位置を表しているのだろう。


「これなら、はぐれたメンバーを探すのも楽よね」


「こ、これは凄いですね。私が空から見た地形と一致しています。間違いなくこの地図は本物でしょう」


「こう見るとリンカスターとハープナは近いのよね。馬車で半日以上掛かるとは思えないわよね」


 マップの縮尺率はわからないが、指で自由に拡大したり縮小したりすることが出来る。今アリエスが見ているのは最大に縮小した地図なのでリンカスターとハープナがとても近く見える。


「ドラゴンで行けば、あっという間だよ」


 アリエスから冷たい目線が向けられた。


「とりあえず、ボア肉が全部ベリちゃんに食べられてなくなっちゃうからテーブルに移動しようよ」


「それもそうね。ヴィーヴル、このマップとか明日の作戦に使えないかしら」


「どうでしょうね……」


 さて、全員のパーティ登録が完了したようなので食事をとりながら全員のステータスを眺めてみることにしようかな。

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エビルゲート~最強魔法使いによる魔法少女育成計画~
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