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第六十三話 新しい魔法

 翌朝、食事は軽くとって僕達は既に馬車の上だ。昨日の夜は久々に食べ過ぎてしまったし、ふかふかのベッドでぐっすりと眠ることができた。睡眠ってとても大事だね。なんだか朝からとても調子がいい気がする。


 そして、ベリちゃんのテンションも朝からとても高い。理由はとてもわかりやすい。なんと、ベリちゃん用の服が1着完成しており、自慢げにみんなに見せて回っているのだ。想像以上に気に入ってもらえたようで何よりだ。そして、夜なべしてくれた服担当の神官さんに心からのありがとうを言いたい。


 アリエスは、御礼は構わないわ。と言って神官に留守中の細かい指示を出しているようだったので、僕達は先に馬車の準備を進めることにした。


 僕はというと再び御者をしており、たまに肩に乗ったり膝の上に来るベリちゃんの相手をしながら馬を進めている。ベリちゃんは気がつくと馬車の中でクロエやアリエスの膝の上にもいる。余程嬉しかったと見える。なんともほんわかな空気が流れている。


 今回の馬車の旅は2回ぐらいの休憩でカイラルに行けるようにしたい。なるべく馬に負担が掛からないようにしたいと思っている。昼休憩と夕方休憩ぐらいのイメージで到着させたい。



「アリエス、カイラルに戻ったら、またマーマンクエストを中心に受けるのか?」


「そのつもりだけど、……あれよね。クロエはシーデーモンが気になるのよね」


「うむ。あれが港に現れるというのはカイラルの街としても問題があると思うのだ。近辺の駆除はもちろんのこと、生息地域を押さえておきたい」


「そうね。マルローにお話して、高額のクエストを用意させましょう」


 アリエスの瞳がお金になっている……。ギルドとしても、前回の時もしばらくの間はクエストを出していたと言うし、今回もおそらく準備しているだろう。マルローさん的にも僕達パーティがカイラルに滞在している間に片付けたいと思っているはずだ。ブルーノさんやロカ達の安全のためにも少しぐらい頑張ってもいい。


「ハルト、そろそろお昼休憩にしよう。良い場所があったら馬車を止めてくれ」


「うん、了解。馬車を止めたら周辺に魔物がいないかもローランドさんと確認してくるよ」


「了解した。馬の面倒は引き受けよう。あとはアリエスとみんなの昼ご飯の準備をしておくぞ」


 マウオラ大森林から流れる川の支流が多く別れており、馬を休ませる場所には事欠かない。すぐに休憩場所を決めると馬車を止め、ローランドさんと周辺を確認しに行くことにした。


「ハルト君は、今レベル12と言ったかな」


「はい。しばらくレベル上がっていないのでカイラルに戻ったら少し頑張ってみようと思っています」


「そうですか。では、私も出来る範囲でハルト君のレベルアップをお手伝いしましょう」


「本当ですか? ありがとうございます」


 そんな話をしていたら早速魔物が現れる。


「ハルト君! そこの茂みから魔物の気配だ。魔法の準備を」


「は、はいっ」


 すると草むらを掻き分けるようにしてフォレストウルフが現れた。全部で3頭、こちらに気づいて戦闘態勢をとろうとするが、既に僕の魔法は発動していた。


 深眠(ディープスリーパー)


 一瞬にして3頭のフォレストウルフを眠らせると続けざまに撃った魔法で討伐を完了させた。


 火炎竜巻(ファイアストーム)


 火魔法は相変わらず素材をダメにしてしまう。早く次の魔法を覚えたい。と思っていたところ、どうやら久々にレベルアップしたようだ。しかもこの感じ、新しい魔法を覚えたっぽいぞ。


「ハルト君、これ、私の手伝いとかいらないんじゃないかな」


「そんなことないです。僕は索敵や気配を探ることとかが苦手ですし、先制攻撃できるのはローランドさんのおかげなんですよ」


「いや、それにしても手際がよすぎます……。ハルト君の深眠(ディープスリーパー)って魔物だけでなく人間にも効果があるっていってましたよね?」


「そうですね」


「それって、初見の人には絶対避けられないというか、無敵なのでは……。王都で行われる武闘大会に参加したらシルバータグの部ならいいところまでいけるんじゃないでしょうか」


「へぇ、王都ではそんな大会が開かれているんですね。ローランドさんも出るんですか?」


「僕は一度優勝したからもう出ませんよ。次の人達に道を譲りました」


「さ、流石ですね……」


「いやいや、そんなことよりですね、ハルト君の魔法にはもの凄い可能性があると思うんです」


「いやいや、眠らせるだけですよ。確率で眠らない場合もあるわけですから、そんな簡単ではないですよ。眠らなかったり、隣の仲間にすぐに起こされて目を覚ましたりするんですよ。微妙すぎますから!」


「確率が異様に高すぎるような気もするんですけど……。気のせいですかね?」


「ちゃんと回数を数えてないからわかりませんけど、それなりに失敗してるんですからね」


「い、いや、失敗しても問題ないくらいにMP消費が低いのも強みですからね。アリエス様ではないですが、ハルト君が次に覚える魔法がちょっと気になります」


 ハルト(16)レベル13

 ☆新しい魔法を2つ覚えました

 職業:魔法使い

 HP:140

 MP:106/120

 筋力:65

 耐久:60

 早さ:60

 魔力:130

  運:180

 魔法:魂浄化(プリフィーソウル)火球(ファイアボール)火炎竜巻(ファイアストーム)毒消治癒(デトキシーメディスン)深眠(ディープスリーパー)、☆氷刃(ブレードアイス)、☆防御上昇(プロテクション)

 装備:魔法使いのローブ+5、木の杖(魔法攻撃)+20

 次のレベルアップまで経験値あと4600

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エビルゲート~最強魔法使いによる魔法少女育成計画~
新作投稿開始しました。こちらもよろしくお願いします。
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[一言] あ、プロテクションは優秀(//∇//)
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