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改史 大戦  作者: BT/H
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2章3-1戦間期 政治の戦い 貧乏国

 今回 量が少ないです。この時期の政治に関しては調べても複雑怪奇です。今回出来が悪いことは自覚してます。

 しかしながら史実と違う歴史を歩む大きな一幕です。さてとどのように変えましょうか。

 1905年11月25日 国会

 ポーツマス条約が発効した。同時に政府からの記者会見が始まる。

「此度の講和会議の段階において発生した反対活動での罪は問うべきではない。なぜならば、我々は国民にうそをついた。『敵をだますならまず味方から』ともいう。戦争も終わり、ポーツマス条約が発効したのでこの戦争の真実を公表する。」

 彼らは日露戦争で失われたものを読み上げる。

「以上のことより、継戦は困難と表現せざるを得ません。賠償金請求を断念してでも講和しなければ日本国は失われていたことは疑いない。

 勝つためとはいえ国民をだましていたことは我々に責任がある。よって内閣は総辞職。西園寺公望氏に政権をゆだねるとする。」

 史実よりも少し早い権力の譲渡。それが与える影響について知る者はいない。

 

 予算会議

「金がない。」

 日露戦争による戦費は莫大な戦費を必要とした。その一方賠償金は1円も入らなかったことから、当然、節約をしなければならなくなる。

「増税は継続しなければならない。金がないからな。」

「だが、輸出産業の振興も行わねばならない。その予算は…」

「必要のないものを削り、税金を増やすしかない」

「増税や税率の据え置きには民間人に協力を要請しなければならない。新聞に予算に関する資料を上げるか。」

「金額についてあげると、大きな問題になる。信用にかかわる借り換えの金利が急上昇することになる。それは今後の大きな影響になる。公表すれば大きな問題になる。」

「それについては民間人の顔色を見て決めるしかあるまい。」

「軍隊にも協力を要請しなければならない。金がないから軍拡はできない。むしろ軍縮の必要性がある。ともね。」

「しかしそれを認めるか…」

「認めさせるしかあるまい。一人ひとりにあいさつに行くしかないな。これについて了承を得るしかあるまい。」

「輸出可能な産業も育てなければならない。何かあるだろうか。生糸か?」

「生糸では出ていく金に対して少なすぎる。生糸も必要だがそれ以外も必要だ」

 会議は行き詰る。

「今できることをやろう。軍部への根回しが重要だ。ちなみに新しい産業についての案は考えてくれ」

「わかりました。」


 北京

「援軍ありがとうございました。袁世凱様」

「あの程度の被害で多くの金を得ることができた。見返りは十分だったよ。青木殿」

 青木宣純大佐は袁世凱との密談を行っている。

「ただ国内では不満をいう新聞社がおります。『清国は火事場泥棒』という記事が躍る部分もあります。」

「火事場泥棒?」

「混乱を利用して不当な利益を得るもののことを言います。」

「賠償金が多すぎるということかな。」

「日本国は一切得られませんでした。その点から思う点もあるのでしょう。」

「少し金がほしいということか…。」

「先日、日本軍の奮戦がなければ死傷者は10倍になったという旨を話されました。それを口実に戦没者保障をすれば徳が高いという評価と日本国からの支援が得られます。」

「…」

 彼は袁世凱に近づき、耳打ちする。袁世凱の顔色が変わる。

 しばらくして袁世凱は日本人の奮戦に対して支援金を出す。この使用目的戦没者への補償を対象としていたがその分、節約された予算が日本の利益になったのは言うまでもなく、清国(袁世凱) と、日本の関係は大きく進展、接近した。


 ロシア サンクトペテルブルク 大臣会議

 ロシアでは日露戦争後の改革で皇帝を補佐する大臣会議が作られた。史実では日露戦争の講和条約のポーツマス条約をまとめたセルゲイ・ヴィッテが初代議長を務めている。これは首相に相当する立場である。

 しかし改史では違う人物がそこに入る。史実では2代目の議長となるイワン・ゴレムイキンが初代議長になっいている。どうやらヴィッテは十分な成果をポーツマスで得られずに議長になれなかったらしい。

「我が国は極東における拠点をすべてこの戦争で失いました。極東領域での南下政策は断念せざるを得ないと判断いたします。」

 アレクサンドル・ロディガー軍務大臣は今後の方針を語る。

 ロシアは失ったものが多すぎた。ウラジオストックを含む沿岸州南部の港、樺太、旅順。まともに使える太平洋側の港湾をすべて失うことになったのだ。

「さらに港湾を取られてしまった。極東方面の開発も大きく遅延すると思われます。どのような対策があるか検討もする必要があります。」

 新設された商工省の大臣もその場にいる皇帝に報告する。

「黒海方面から南下するには戦力の不足しています戦力の回復と、およびオスマン帝国の弱体化が必須です。すでにオスマン自体虫の息ですが、黒海艦隊を極東派遣し、すべて失われてしまいましたので艦隊の再建から始めなくてはなりません。

現状、海軍は世界第6位以下の海軍力を持ち、日露戦争開戦前合計26隻いた戦艦は現在5隻まで減少しております。しかし、英国新型戦艦の完成で世界中の戦艦が旧式化した現在、戦力再建の好機であります。

 黒海艦隊では新型戦艦エフスターフィイ級…英国戦艦よりは旧式ですが2隻が建造されており、進水間際です。さらに次のインペラトール・パーヴェル1世級も起工しました。これにより、黒海艦隊は新型戦艦4隻と戦艦パンテレイモンを配備することになり、ロシア海軍最強の海軍になります。これでオスマンに砲艦外交を仕掛けることが可能になります。」

 海軍長官はそこで一度言葉を切る。

「しかしながらバルト海の本国艦隊は壊滅的です。現状、欠陥品のボロディノ級5番艦スラヴァ、日露戦争の生き残りの戦艦ツェサレーヴィチ、日露戦争時代ドック内におり、出撃できなかった最古参の戦艦ピョートル・ヴェリーキー、練習艦に指定されているインペラトール・アレクサンドル2世の合計4隻で、まともな戦力にはなりえません。本国防衛を考慮に入れると、バルト海の防衛にも注意が必要であります。バルト海艦隊の再建を断念するのであれば海軍は首都サンクトペテルブルクの防衛に責任を持てません。」

 海軍長官は堂々という。

「さらには設計に関して大きな変更を加えるべきです。今回の敗戦の原因にフランス系設計を採用していたという面もあります。新型戦艦の建造に際してはフランス以外の国に設計を依頼すべきでしょう。」

「つまり、海軍の再建には戦艦の新規建造、その際、フランス製の設計を採用しないことが重要だというのか。」

「はい。さらに言えばドイツ、オーストリアも今後の外交を考えると採用すべきではありません。」

「ならばどの国に依頼するか。考える必要があるな。海軍の人間から見て君はどう思うかね。依頼を受けてくれる国はあるのかね。」

「…残念ながら現在、世界各国は新型戦艦の建造に追われることでしょうから難しい一面があります。受けてくれる可能性があるのはアメリカ…イギリスは…オスマン帝国とのラインでぶつかるから難色を示す可能性が高い……」

「アメリカか。たしか日本に鹵獲された戦艦レトヴィザンはアメリカ製だったな。」

 皇帝は自分の記憶をたどり、つぶやく

「日本…も…ありかもしれませんね…」

 海軍長官の一言に会議場は大きな声に包まれる。

「日本!!東洋の山猿風情の助けを借りるというのか!!」

「敵国だぞ!!」

「売国奴!!貴様らが日本に負けなければ我が国は!!」

 海軍長官に罵声が飛ぶ。彼は黙る。罵声はやまない。ひたすら黙る。そして、皇帝が手を上げる。そうすると罵声は自然と鎮静化する。

「どうゆうことだね。海軍長官。事と次第によっては重大な問題になるぞ。」

「可能性の問題です。軍艦の設計建造にアメリカだけにオファーを出せば足元を見られることは必然。他の列強各国は複数の要素から良いとは思えない。そうなれば残りは日本となります。さらに戦術面ではわが海軍に勝利した日本海軍に学べる…。さらにある意味幸いかもしれませんが、当分わが祖国は極東に海軍を置くことはない。対立の恐れも薄いとなる。関係修復にも一役買う取引になる。日本は新興国なので安く購入することもできる。という利点があげられるのではないかと思います。」

 海軍長官が考えながらゆっくりと紡がれる言動。皇帝はそれをゆっくりと聞く。

「日本の技術力は?」

 話が終わった途端、質問を行う。

「少なくとも前ド級戦艦に関しては十分な技術力があります。それ以上は調査の必要があるかと。」

「そうか。調査を命じる。日本との取引が成功すれば沿岸州開発に関しても助力が期待できそうだ。」

 皇帝は命じた。


 ロシアの戦艦が史実よりもすごく少ないです。

 ちなみに黒海艦隊の戦艦パンテレイモンは有名な反乱艦ポムチョキン。改史では日露戦争に動員されなかった。艦の反乱は皮肉にも他の艦艇が出航したためいい食材が手に入るようになったため比較的低規模で終わり、(史実反乱の直接的原因が飯に入っていた腐った肉だったため)革命が起きかけた名前を変えられています。

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