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第一章 親心

エレンとアウゼスの会話?が浮かぶぜルとアリスであったが、そこまで気にならなかったのか試合をもう一回やろうと言い出す。そうして昼飯の時間が来るまで試合を繰り返すのであった。


朝の集まりを終えるとそれぞれの子供たちはそれぞれの家庭で勉強をする。これはシルヴァの方針で教育の費用などはシルヴァが全額負担している。シルベルン領の子供たちが才能をちゃんと開花できるようにということだ。ほかの領や町などでも色々と方針はあるが全額負担などという思い切った方針を打ち出すのはシルヴァだけであった。


目の前にある用意された食事を食べ終え感謝の言葉を述べる。

「ご馳走さまでした」

親や執事からの視線を感じながらも少し急ぎながら自分の部屋に向かう。階段を上り視線を感じなくなると少し肩が軽くなる。自分に視線が集まるというのは相手がだれであっても好きではない。特に両親からの目線は苦手だ。二人とも天才でするべき努力して皆があこがれている。そんな二人の子供であるはずの自分がなぜか誰よりも二人に嫉妬している。


魔力を使えない


ただそれだけで自分は劣等感を覚え二人の子供であることが恥ずかしくなる。申し訳なくなるのだ。二人とも自分のことを普通に普通以上に愛してくれている。自分のことを魔力が使えない恥ずべき子供となんて一切思っていないその純粋なまなざしが、その愛の分だけ胸の奥が 心 とも呼べるものが痛むのだ。


『エレンなんかいつもと違ったな』

そう言ったのはシルヴァだ。さすが親というべきかエレンの些細な違いに気づき話題に出す。


『そうですねセバス今日何かあった?』

反応するのはエレンの母カレン。良き妻良き母を体現したような女性だ。


『お二方のご明察通りでございます。本日坊ちゃまとぜルアウゼスとアリスの二人一組で戦い、ゼルの能力を見事に生かした作戦を坊ちゃまが立案し見事勝利を収めました』


『なんだと!?なぜそれを早く言わない祝杯を挙げるぞ!!』


『あなた少し落ち着いてください領主の名が泣きますよ』


『奥様言葉のわりに体がプルプルしてらっしゃいます、興奮が隠しきれていらっしゃいません。それにお二人とも坊ちゃまはたぶんそこまで手放しには喜んでいらっしゃいませんよ』


その言葉を聞いた二人の表情が曇る、手放しで喜べない原因が自分たちにあると知っているからだ。

二人の胸の内に渦巻く感情はとても複雑なものだ。二人とも才能だけで強くなったわけではない、必要以上に努力をしてきた。その努力によって勝ち取った現在の立場と力が自分の愛する子供を苦しめているのだ。


『坊ちゃまは大丈夫ですよ、偉大なる守国十席第十席シルヴァ フォートと唯一完璧な無詠唱を使うことができる大魔導士カレン フォートのご子息なのですから。ここはひとつ何もせず坊ちゃまを信じてみてください』


曇った表情のままのだがうなずく二人。二人ともどうするのが正解かわかっていない、だからセバスの言う通りにするしかないのだ。


(親というものはままならないものだな、自分の努力の成果が逆に息子を苦しめるとは。エレンすまない)


どんなに皆から尊敬されるシルヴァも息子の前ではただの未熟な父親だ、ほかの親と同じようにに悩み葛藤かっとうもするのだ。そんな様子が椅子に座るシルヴァに体現されていた。

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