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第一章 吸収

【魔装】は魔法が使えない戦闘職の者にとって必須とも呼べるスキルだ。魔法職の場合、魔力量と魔力操作に補正がかかり魔力障壁を張れるようになる。

だが、魔法職になれる者は魔法を使えるものだけ。魔法が使えない人間がほとんどだ。しかしながらこの世界はそんな防御手段が使えないものが生きていける生易しい世界ではない。強力な肉体を持つ獣人、樹属性が使え気配を消すことに長けたエルフ、闇属性が使え飛行能力を持ち魔力に順応した肉体を持つ魔族、そしてすべての種族をあだなす魔物。そんな人間にとっての脅威達に対抗するための手段としてすべての人間が協力し努力した結果が【魔装】だ。その魔装を稀に持っているスキルや技能で更に昇華させスキルとして確立させる者がいる。

 

【吸配魔装】はその一つだ。


単純に言うと【魔力吸配】という魔力を吸収し支配するスキルを発動しながら魔装をしている、それが【吸配魔装】だ。

だが、こんな技はふつうあり得ない。魔力吸配は例外なく発動したら周りの魔力を吸収するのだ。そんなスキルを発動しながら魔装をしたら体を覆う魔

力が吸われて魔装なんてできはしないのだ。そんなあり得ない技を編み出すためにシルヴァ・フォートがどれだけの鍛錬をと努力を積み重ねてきたかは

後に歴史に刻まれることになる。


魔族の目には五つの巨大な魔力球が浮かび、今か今かと破壊を待ち望んでいた。悪魔はこの五つの魔力球がいつも通り自分に圧倒的な勝利をもたらしてくれ

ると確信していた。しかしその確信はあっさり覆ることになる。


【吸配魔装】


シルヴァがそうつぶやいた瞬間、景色が一変した。だがそれは魔族の予想とは違ったものだった。込められた魔力が解放され地面がえぐられたわけでもない、解放された魔力の波動が周りの建物や木々を揺らしたわけでもない。何も起こらなかった。そう何もだ。


キュインキュインキュイン



『アウゼス!アリス!エレン様は大丈夫か?』

『おいウルいくらエレン様が倒れているからとはいえ自分の息子も少しは心配しろ』



いきなり名前を呼ばれたアウゼスは柄にもなく慌てた反応をしてしまった。

『え、あ親父!エレンは試合の途中で気絶しただけだから大丈夫なはずだぜ』


振り返ったアウゼスとアリスの視界には頼れる大人であるウルヴァーナとウィードが武器を持ちながらこちらに近づいてきた。

『ウルおじさん!ウィードおじさん!よかったー怖かったよー』

アリスは緊張から解放され泣き始めた。


『いや、そんなことより親父!悪魔が!悪魔がすぐそこに!』


『大丈夫だアウゼス、悪魔はシルヴァ様が退治してくれるさ』

『さあもう帰ろうここにいるとシルヴァ様の邪魔になってしまう』



『はーさすが魔族濃密な魔力だ。だが残念、相手が悪かったな』

『な、なぜ何も起こらない!確かにそこにエクス・ダークネス・エルヴァアルがあったはずだ!』

見るに堪えないほどの慌てぶりだった。魔法同士が衝突して相殺されるということはあっても消えたりはしない、しかもあのおとこがなにかしたというわけでもないのだ。

悪魔も慌てるような普通とはかけ離れた状況が目の前にあった。


『お前の魔法が俺が吸収させてもらった。また試してみるか?何回でも付き合ってやるぜ』

『魔法を吸収だと!?そんな強いスキルを人間如きが持っているはずがない。絶対に何か裏があるはずだ』


悪魔は考えた。吸収できたのはマジックアイテムか何かで回数や吸収できる魔力に限界があると。

ならばそれを上回るほどの絶対的な力でねじ伏せればいい!悪魔が人間を殺す、そんな当たり前の状況に戻さなければいけないのだ。

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