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ブックマーク、評価ありがとうございます。

嬉しいです。


いつも更新遅れてすみません。


 精霊の洞窟は入るとまず、外の光が反射し天井で煌めく大小様々な水晶が目に入る。足を踏み入れたルシールは神秘的な光景に目を奪われ思わず感嘆の吐息を洩らした。


「はぁ…凄い!!」


 だがこの洞窟、何某かのイタズラ心満載なのか、天井に気を取られていると、足元が滑りやすく、意図的に角が丸く加工され踏面が狭い下り階段が顔を出す。


 ルシールは洞窟に入り、魔物なんて出そうにない澄んだ空気に神秘的な空間、そして角度により虹色に淡く光る煌びやかな水晶、ルシールの視線は天井に釘付けである。


 天井の淡い光が朝の出来事で騒ついていたルシールの心を穏やかに、そして癒していくのを感じる。

 もはやここが洞窟の中だと言う事さえ忘れ、ルシールの気が緩む。


「ここが精霊の洞窟っ!!」


 そんなルシールは、案の定、意図的に滑りやすく加工された様に見える階段を踏み外した。


「って…うわゎゎわ!!」


 ルシールは盛大に尾骶骨を打ち付け体中に、細かなキズをつけ階段を滑り落ちていく。


「あだっ!っだ!っだ!っだ!っだぁぁぁぁ…!!」


 幸い踏み外し滑り落ちた段差は5、6段程で先に打ち付けた尾骶骨が一番痛むくらいで、後は軽い擦り傷程度ですんだ。


「ぃ痛たたた、、、ぁ、危なかった出だしからついてないや。」


 ルシールは階段を見上げ体中をさすりながら起き上がると治療スキルを展開する。


 ――そう言えばスキル使用、、久しぶりだな。


 治療スキルの淡い光をボーッと眺めていると体中から痛みが引いていく。加護のお陰か、久しぶりに展開したスキルでも以前より効率よく展開できている。


 ――よし。


 >ぷははは、ルシ坊、、ぷくく、何やってるのさ、隣にいた筈なのに、振り向いたら居ないんだぜ、いきなり消えるとかあり得ないだろ、、くくく。<


 パタパタ小さな翼を動かし大笑いしながら追いかけてきたラッシュがルシールの頭に止まる。


「ああ、ラッシュか。はは、天井の水晶に見とれてたら、階段踏み外しちゃったんだよ。」


 >ぷははは、ルシ坊気抜きすぎだ。ここは精霊の洞窟だぜ。気を抜くと何されるか分からないんだ。ぷくくく。<


 ラッシュは、笑いのツボに入ったのか体を震わせルシールの頭を小さな前足でポコポコ叩いた。


 笑い転げる馬の人形、人界の時のラッシュってこんな奴だったっけ?と疑問に思うほど幼く感じる。


 ――体が小さいからそう感じるのかね?


 まあ本気で叩いている訳ではないので全然痛くないが、いつまでも笑われてると気恥ずかしくなる。


「そんなに笑う事ないだろ。

 ……確かにラッシュの言う通りなんだけどさ……。

 はあ、どうも感覚が鈍ってる、気も緩んでた。

 今のも空間把握してれば何ともなかった筈なのに…。」


 ――これじゃダメだ!!


 ルシールは両手でパチーンと自分の頬を叩いた。


「くぅぅぅ…よし!!」


 頬がヒリヒリとヒラつくが、気合いは入った。ルシールは右腕の腕輪を意識し風魔剣を具現化しようとした所で懐かしい呼び鈴の音が聞こえた。


 チリンチリーン♪


「…あれ。」


 >どうしたルシ坊?<


 ラッシュが不思議そうにルシールの頭から身を乗り出し顔を覗き込む。


「スキルショップから呼び出しがあったの様な気がするんだよね。」


 ルシールがそう口にした所でまた呼び鈴の音が聞こえた。


 チリンチリーン♪


「やっぱり聞こえる。ラッシュちょっと待っててよ、スキルショップを展開してみる。」


 >ふーん…好きにすれば。<


 何が不満なのかラッシュはプイッと顔を背けたが、ルシールの頭から離れる気は無いようだ。


「確認だけだから。」


 ラッシュからの返事はない。ルシールはラッシュが気になりつつも、お金もないし、ちょっと覗くだけだと思いスキルショップを展開した。


【お帰りなさいルシール様!!そして、ようこそスキルショップへ、ただいまリニューアルキャンペーン中なのですよ。

 あらあらまあまあ今回は可愛い同行者様もいらっしゃるのですね。】


 ――はい?


 ルシールは思わず気の抜けた返事をしていた。


 ルシールがそうなるのも無理もない。何時も頭に響く声はどこか無機質で抑揚なく、まるで感情がない様な声だった。

 それが今は何故か、お店の女性店員さん?自分はどこかのお店に入ってしまったのか、と錯覚する程、元気で明るい声が頭の中に響いていた。


【はいっ!!リニューアルしたのです。分かりやすく言いますと、ルシール様がよりお求めやすくなる様にスキル機能を充実させました。】


 ――そ、そうですか……それは…【そうですよね。サービス内容が気になりますよね。はいっ!!任せて下さい。】


 ――い、いやそうじゃ…【はいっ!!では、まず1つ目に買い取りサービスをはじめました。】


 ――……。


【そうです。不要になったスキルを買い取るのです。】


 ――まだ、何も言ってませんけど。


【凄いですよ。】


 ――不要が…ですか…。


 苦労して手に入れたスキルだ、それをわざわざ買い取ってもらう人っているのか?と疑問に思った意思が伝わったのかスキルショップから続けて声が聞こえてくる。


【では〜〜はいっ!!丁度そこの可愛い同行者様には不要なスキルがあるようです。試しに買い取りましょうか?】


 ――そうなのラッシュ?


 ――>へっ?あたい?あたいの事なのか?何か頭の中に声が聞こえると思って黙って聞いていたんだが、あたいも入っていたのか<


 ――うん、多分そうだよ。


 ――>んん?でもよく分からないな。

 不要というより、昔、勝手に人界に行こうとして制限スキルを1つ付けられた事がある。

 その制限スキルも付けた本人が亡くなってもう解除出来ないんだが、それの事か?<


【はいっ!!その通りです、まあお試しだと思って気楽にお任せ下さい。

 ではでは、早速その制限スキルを査定します。サーチオン!!……………。】


 ――>…………ぷっ…ぷははは、なんかくすぐったい、あははっ、あはははっ、ははは、、、はぁ、はぁ…。<


【…はいっ!!査定が終わりましたよ。

 この制限スキルですと10カラですね。買い取り価格は10カラになります。】


 ――>10カラ?<


【はいっ!!10カラです。よろしいですか?】


 ――>いや、まあ。あたいは寧ろ制限が無くなって助かるだけだし、買い取ってくれるなら喜んでお願いする…よ?<


【はいっ!!では、買い取りさせていただきます。

 スキルカァーット!!!!!…………………………はいっ!

 買い取り完了しました。

 ありがとうございます。】


 ――うわぁ………で、ラッシュどうなの?


 ――>ん?ちょっとまって確認してみる。

 ……あっ10カラある……ぉぉ、制限スキル無くなってる。ルシール。これ凄いぞ!<


【はいっ!!ご理解頂けたみたいで良かったです。

 では、2つ目に、分割払いを採用致しました。

 現段階では60回までですが、今でもよりもお求め安くなると思いますよ。

 これは聖樹騎士となったルシール様に合わせたものです。

 当然請求書は屋敷にお送り致しますのでご安心下さい。】


 ――そう、なんだ。


【はいっ!!では最後にですが、同行者様の制限を解除しました。ですのでどんどん同行者様を連れて来てご利用下さいね。】


 ――同行者のですか、、でも、それすると僕、とんでもなくお金が……【はいっ!!今後もよりよくお求めやすくをモットーにリニューアル致しますのでご期待下さいね。】


 ――…あ、ううん。分かった。ありがとう。じゃあ今回はこれで……【ああ!!そうでした!!ガラポン。ガラポンサービスです。

 ご来店10回に1回ガラポンチャンスでスキルを掴め!!

 これをご利用できる様にしたのです。】


 ――へぇ…ガラポンね。前は確かルーレットだったかな?


【はいっ!!そうなのですが、やはりサービスにはガラポンが相応しいかと仕様を変更致しました。

 では、今回特別にそのガラポンチャンスを、早速やってみましょう!!】


 ――えっ、早速って、、うおっ、頭の中にガラポンが出てきた!!


【はいっ!!ささ、どうぞどうぞ。クルクル回すイメージをお願いします。クルクルですよ。クルクル。】


 ――ん、じゃあ。


 ルシールは頭の中ガラポンをクルクル回すイメージをした。すると頭の中のガラポンが勝手にクルクルと回り始め、ポンっと赤い玉が出てきた。


 ――おおっ赤玉だ。


 カランカラーン♪


【おめでとうございます。今回の赤玉は魔力装備スキルですよ。】


 《ルシールは魔力装備スキルを取得した。》


 ――魔力装備スキルって何ですか?


【それは……】

【ちょっとあなた何勝手に私のスキルショップの椅子に座ってるのよ…】

【ま、待って、スキラ、今営業中…】

【いいからキルルこっちに来なさい!!】

【え〜やだ!!やだ〜!!あ、あ、ああぁぁ!!】


 プツッ!


 ルシールとラッシュな頭の中から、快活な声が突然聞こえなくなると、辺り一面に静寂が訪れた。


「……。」


 >……。<


「…さて、僕は、どうくつガンバラナイト。」


 >う、うん。そうだぞ。折角あたいが案内してやるだからな<


「うん。。そうだよ。そうだよね。」


 ルシールは何事もなかったかの様に、風魔剣を具現化した。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【名前:ルシール:LV17】 ギルドランクE

 戦闘能力:410

 種族:人間?

 年齢:17歳

 性別: 男

 職業:冒険者

 称号:精霊界の聖樹騎士

 スキル:

 〈スマイル〉〈料理〉〈洗濯〉〈文字認識〉 

 〈アイテムバック〉〈貫通〉〈馬術〉

 〈カウンター〉〈早寝〉〈早起〉

 〈早食〉 〈早技〉〈早足〉〈早熟〉

 〈治療:3〉〈回避UP:5〉 〈剣術:4〉

 〈見切り:5〉〈捌き:5〉 〈毒耐性:2〉

 〈覗き見:2〉〈危険察知:3〉〈空間把握:5〉

 〈精神耐性:2〉〈魔力装備:1〉new

 固有スキル:

 〈浄化〉〈魔眼:5〉〈飛翔〉

 魔 法:

 〈生活魔法〉〈初級魔法:1〉

 *レジェンドスキル:

 《スキルショップ》

 《スキル制限解除》

 《加護・スキル神》

 借金総額:  セーバス管理 約7100万カラ

 レア装備:竜のブレスレット

 :風魔剣・風のシルフィールド

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

久しぶりのスキルショップです。

ちょっと残念な感じ。


長くなりそうでしたので、区切りがいい所で区切りました。


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