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ブックマークありがとうございます。


更新遅くなりました。

すみません。

 「そうね。ここからは1本道でもうすぐ抜けるものね‥‥じゃあフレイとアルテもいいかしら?」


 「いい。」

 

 「はい、任せてっちゃよ。」


 シャルさんはそう言うとフレイと替わってラッシュの背に乗った。ラッシュのしっぽが犬みたいにご機嫌に揺れていた。



 僕は空間把握と危険察知で素早く敵を捉えると、不可視の刃を展開し大剣と化した風のシルエアで斬りつけていった。


 ーーよし!!この調子で‥‥へへへ。


ーーーーー

ーーーー


 何れくらい進んだのか、時間感覚も狂い始めた頃、洞窟の道が緩やかな上り斜面になった。


 「ここからは上り坂になるの、皆、ここまで来ればもう少しよ。」


 「‥‥よかった。」


 僕達は、ハイペースで真っ暗な洞窟を進んだ。レベルも気が付いたら2つ上がっていた。


 ーーこれは良いのだが。


 浄化のお陰で僕達の攻撃はアンデットを一撃で倒す事が出来るのだが、僕達もレベル差がある為、一撃で致命傷を負う‥気を付けていた、だからそこ、油断なんてしてなかったのにー。


 ーー‥‥はぁ、情けない‥。

 

 僕は3人に良いところを見せようと張り切り、盛大に転倒してしまった。躓いたのだ。


 空間把握を展開し敵の見落としはなかった‥警戒もしていたし、そう敵は‥でも足下の凹凸が‥暗かった事もあるが、全く意識していなかった。足下をよく見てなかった。


 初歩的なミス、冒険者としてあってはならないミスである。


 決して"ルシールもやるようになったわね"とシャルさんの呟きがボックリくんから聞こえ浮かれたからじゃない、、事もなかった。


 僕はシャルさんに調子よく"よく見てて下さいよ"と勢いよく走り盛大に転んだ。運が悪いことにゾンビファイターの直ぐ側でー。

 

 アルテが慌てて盾で殴り付けて倒してくれたけど、ゾンビの体液を浴びた。転んで倒れてた所為で全身に‥。


 アルテは謝ってきたが、アルテの所為じゃないのでお礼だけ伝えた。


 浄化で保護されてるのに直に浴びたドロドロの体液は、それを凌ぐほど酷く臭かった。

 生活魔法でキレイにしたのに、今も僕の鼻の奥に残っている‥気がする。


 ーーそれはまだ、よかった‥。


 その後の沈黙が‥3人の会話がピタッと止まり何も言ってくれない、ラッシュも素知らぬ顔でパカパカ歩いてるだけだし‥辛かった。

 アンデットでも出ればそんな空気も払拭出来た筈なのに‥。

 そんな時に限ってアンデットは出てくれなかった‥。


 ーーぅぅぅ。


 この洞窟に入ってツイて無い気がする。


ーーーーー

ーーーー



 緩やかな斜面を上るにつれ、アンデットの数は少なくなっていった。途中からは更に登りがきつくなりアンデットは全く出なくなった。

 ひたすら出口を目指し登るだけだ。これはもう体力勝負。男の僕は負けられない。苦しいなんて言ってられ無いのだ。


 「出口が見えたわ。」


 「ふぅ、ふぅ、最後は登りが坂が‥‥ふぅふぅ、急っちゃね。」


 「ふぅ、ちょっときつい。」


 ーーくぁ、きつっ。


 「‥そうだね。後もう少しだ。」


 最後はラッシュから降り皆で歩いていた。ラッシュには、洞窟を出てからまた馬車小屋を引いて貰わないと行けないからな。

 

 「はぁ、はぁ、やった外っちゃ‥はあ、はあ、‥ぁれ?」


 「ふぅ、ふぅ。ふうぅぅぅ。?」


 「やっぱり外の空気の方が美味しぃ‥‥えっ、崖?」


 「そうなのよを渓谷の断崖絶壁の上部に出たの‥暗くてよく見えないから崖側に行かない方がいいわよ。下から吹き上げる風もあるからね。皆、気を付けるのよ。」


 僕達が洞窟を抜けた先は渓谷の何処かの崖だった。横に人が3人並んで通れる位の道幅しかない、狭い。しかしー。


 日が出ていれば、綺麗な景色を拝めたのだろうが、空間把握の範囲内で地上を把握する事が出来なかった。


 ーーこ、これって。


 かなりの高さがあるに違いない。


 幸い下は暗く見えなかった。

 もし下が見えていたら‥足が竦くんでそれどころじゃなかったかも知れない。


 ルシールはこれ以上、3人に醜態を晒したくないのだ。


 「月の光でも十分明るいから気を付けて先に行きましょう。」


 「「「はい。」」」

 

 シャルさんが言った通り、魔法を使うことなく月の光だけでも十分に道を確認出来た。

 これなら足を踏み外す事なく崖路を登って行けそうだ。しかし、また登りと聞いて、アルテの顔色が悪い。


 「アルテもう少しだろうから、頑張ろう。」


 「アルテ無理させてごめんね。でもルシールの言った通り。

 もう直ぐ登りが終るわ。そしたら吊り橋を渡って下って行けば直ぐにエルフの村があるわ。」


 「よかった。これなら‥。」


 「そうね朝までに着くことが出来そうよ。それに下りは馬車にも乗れると思うから‥そこまで頑張るわよ‥ね。」


 「はい。」

 

 暫く崖路を進み登ると、無事に山の上に着いた。吹き上げる風が更に強くなった。腰を低くして進まないと風に体を持っていかれそうになる。


 「はぁ、はぁ、やったっちゃよぉ。着いたっちゃよ。」


 「ふふふ、頑張ったわね。皆、あそこ見える吊り橋を渡れば後は楽出来るから‥‥ラッシュには悪いけど‥頑張るのよ。」


 ラッシュが任せろと言わんばかりにふんふんと鼻を鳴らした。しっぽもブンブン振っている。


 吊り橋に近づき気がついた。


 「吊り橋思ったより小さ‥‥‥あれ?」

 

 「橋‥。」


 「シャルさん橋が腐ってます。」


 「‥‥参ったわ。ここまで来て‥。」


 シャルさんが吊り橋を眺めながら、拳に力を入れていた。悔しそうな横顔になんて声を掛けて良いのか分からない。暫く腐ってボロボロになった吊り橋を眺めた。


 ーーこれじゃ渡れない‥‥空でも飛ばないと無理っぽい‥‥吹き上げる風は激しく荒れているのに‥‥くそっ、何か‥‥はっ、か、風‥そうだ風の精霊は?


 「シャルさんの精霊魔法じゃ無理なんですか?空を飛ぶとか‥」


 僕の言葉にシャルさんはゆっくりと首を振った。意外だった、シャルさんなら何とか出来るんじゃないかと何処かで思っていた。


 「無理なのよ‥吹き上げる風が強すぎるわ。私一人なら‥なんとかなると思うけど‥それじゃ意味がないもの。」


 シャルさんの拳に力が入った。


 「‥‥‥じゃあ、引き返すしかない?」


 フレイも珍しく不安そうにシャルさんに視線を向けていた。


 「そんなぁ、せっかくここまで来たっちゃのに‥」


 「‥‥空を飛ぶスキルがあればルシールに頼むのだけれど‥‥」

 「じゃあ僕が‥‥「無理ね、私でも‥聞いたことないものでも‥仕方ない‥わよ‥私の精霊魔法でここから下に皆を降ろすわ、それなら精霊魔法で出来るから‥‥」


 「でも、それ‥」


 「‥‥‥間に合わないでしょうね‥‥‥‥それでも‥引き返して向かうよりは早く行けると思うの。

 少しでも早く行けば被害が少なくて済むかも知れないから‥。」


 「‥‥‥‥。」


 その後は、フレイや、アルテ、僕の問いにシャルさんは何も言わず寂しそうに首を振るだけだった。


 ーーシャルさんはああ言ったけど‥もしかしたらあるかも知れない‥‥空を飛べるスキルさえあれば‥シャルさんにあんな顔をさせなくていいはずだ。


 僕はシャルさんから見えない様にスキルショップを使った。


 【いらっしゃいませ。スキルショップにようこそ。】


 僕は数あるスキルを一つ一つ確認していく、分からないのでそれっぽいのがあったらシャルさんに聞いてみればいい。だが、それっぽいのすら見つからない。


 ーー頼む、空を飛ぶスキルを‥‥空を飛ぶスキル‥ないのか?


 【空を飛ぶスキルは二つ存在します。表示しますか?】


 ーーえっ?有るの?‥早く教えてくれよ‥もちろん‥はいだ。お願いします。


 【では、表示します。】


 表示されたのは〈浮遊〉と〈飛翔〉スキルだった。

浮遊は異常な位高かった8000万カラだ、逆に飛翔は20万カラと安い。

 これなら僕の持っているお金でも買える。


 ーー飛翔スキルを買うか?だが‥本当に大丈夫か?


 こんなに安いと逆に不安だ。片方が異常に高いだけあって余計に不安が募る。 


 ーーどうする‥。


 見なくても空間把握で分かる。シャルさんは目に見えて元気がない。フレイや、アルテには下に降りる際に使う精霊魔法の事を説明している。


 ーーよし、決めた。飛翔を買う!!


 僕は意を決して不安なスキルを買うことにした。

アイテムバックの中から購入金額の20万カラ無くなった。


【飛翔スキルを取得した。飛翔スキルの説明は省きます。】


 ーーいやいや、、説明してくれ。ただでさえ不安なんだから。


【そのままの意味です。飛べる様になります。】


 ーー飛べる?本当に?これってもしかして当たりだったのか?


【ただし、これは獣人:羽翼人限定スキルです。】


 ーーえっ?獣人?羽翼人?


【そうです。飛翔スキルを展開させる事で、自身と自身の体重の値を限界値として手にした物の重さを0へと変換させます。そして自身の翼に飛翔の力を宿して飛ぶ事が出来るのです。】


 ーーえっえっ、僕翼何てないんだけど‥。


【説明は以上です。ご利用は‥】


 ーーちょ、ちょっと待って、待ってくれ。僕は翼が無いんだ‥どうしたらいいんだよ。


【チッ。】


 ーーえっ、舌打ちした?


【‥‥‥問題ありません。翼が無い場合は魔力がそれを補います。】


 ーーそうなの?じゃあ、今の僕でも飛べる?


【使えないスキルは買えない事になってます。取得出来たので有れば使えます。では説明は以上です。ご利用は計画的に。】


 ーーあ、ありがとう‥だよね。まあいい。それよりー。


 「‥シャルさん空飛ぶスキル有りましたよ。ほら‥見てください。」


 「えっ、ルシールどういう事?」


 3人の視線が僕に集まった。僕は構わず〈飛翔〉スキルを使った。使って見せない事には納得出来ないだろうと思ったからだ、


 ーーえっ。


 「‥‥ぅ、ぅぐっ!!熱い‥背中が‥」


 ーーぐぐっ、魔力が‥抜ける‥。


 僕は今まで感じた事の無い感覚に襲われた。体中が熱く、それでいて背中から魔力が漏れて行くような感覚だ。


 ーー背中が‥ぅぐ‥痛‥い‥ぅぐぐっ!!


 僕は立っている事が困難になり、方膝をついた、それでも魔力の減り治まらない、魔力がごっそり減っていく。

 意識が飛びそうなほど魔力が抜けていく、ヤバイと思った時に魔力の減りが止まった。


 「はぁ、はぁ、ふぅ。」


 「ちょっとルシール!!あなた何をしたの!!」


 「「ルシール!!」」


 シャルさん、フレイ、アルテが慌てて駆け寄ろうとして、立ち止まった。


 「ルシール、その背中!!」


 「羽根?」


 「違う、翼?」


 僕の背中には魔力で出来た立派だが、透き通った綺麗な翼が生えていたのだ。



 【ルシールの手持ちが20万カラ減少した。】


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【名前:アルテ:Lv15】⏫ギルドランクF

 戦闘能力:150⏫

 種族:人間

 年齢:14歳

 性別: 女

 職業:冒険者

 スキル:〈棍棒術:2〉〈盾術:2〉〈文字認識〉

     〈魔力操作:1〉〈魔力回復:2〉

     〈薬草の知識:1〉〈精神耐性:3〉

 魔 法:〈生活魔法〉〈回復魔法:2〉

 レア装備:誓約の指輪ルシール

  状態:正常

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【名前:フレイ:Lv17】⏫ギルドランクE

 戦闘能力:160⏫

 種族:人間

 年齢:13歳

 性別: 女

 職業:冒険者

 スキル:〈棒術:1〉〈文字認識〉〈魔力操作:3〉

     〈魔力回復:2〉〈魔力量UP:2〉

     〈毒耐性:1〉〈治療:2〉

     〈危険察知:2〉

 魔 法:〈生活魔法〉〈水魔法:2〉〈風魔法:2〉

レア装備:誓約の指輪ルシール

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【名前:ルシール:LV17】⏫ ギルドランクE

 戦闘能力:330⏫

 種族:人間?

 年齢:14歳

 性別: 男

 職業:冒険者

 スキル:〈スマイル〉〈料理〉〈洗濯〉〈文字認識〉 

     〈アイテムバック〉〈貫通〉〈馬術〉

     〈カウンター〉〈早寝〉〈早起〉

     〈早食〉 〈早技〉〈早足〉〈早熟〉

     〈治療:3〉〈回避UP:4〉 〈剣術:3〉

     〈見切り:4〉〈捌き:3〉〈毒耐性:2〉

     〈覗き見:2〉〈危険察知:2〉〈空間把握:4〉

     〈精神耐性:2〉

 固有スキル:〈浄化〉〈魔眼:5〉〈飛翔〉new

 魔 法:〈生活魔法〉〈初級魔法:1〉

 *レジェンドスキル:《スキルショップ》

          《スキル制限解除》

 所持金 :178,913カラ⏬

 借金残高:シャルロッテ 

           63,949,850カラ

        フレイ 1,320,000カラ

 スキルショップ借入残:       0カラ

       担保提供:なし

 レア装備:竜のブレスレット

     :風のシルエア

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