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更新遅くなりましたすみません。

 シャルさんの心配は現実のものとなった。


 ナントウ渓谷の手前の南の森に、砂埃が舞い上がっている。

 数人で行動する冒険者にはとても見えない。あの砂埃の規模からも王国騎士団が行軍しているだろう事が分かった。


 試しに僕が《覗き見》スキルで望遠してみれば、うっすらと見える影は優に500人は超えていた。


 「シャルさん‥」


 「仕方ないわ‥‥迂回しましょう。」


 このまま南の森を突っ切るのが一番早く目的のエルフ村に辿り着けるのに‥‥。シャルさんの横顔も悔しそうに見える。


 「でもシャルさん迂回して、山を越えるんじゃ最低でも3日かかりますよ。それじゃ間に合わないんじゃ?」


 「そうね間に合わないわね。だから死者の洞窟を通り抜けるわ‥‥」


 「死者の洞窟?‥‥そんな洞窟があるんですか?」


 「ある。ルシール無知!!」


 「うっ‥‥。」


 「でも、私達のレベルじゃ無理。」


 「そうね‥死者の洞窟はレベル30前後が適正レベルだったかしら。」


 「それって‥‥シャルさん‥僕達レベルが‥」


 「心配しなくても、大丈夫よ。ほとんどがアンデットだから、浄化さえあれば大した事ないわ。」


 「‥‥そ、そうなんですか?」


 「そうよ、だから‥急ぎましょう。ラッシュお願い。」


 珍しく焦りを露にするシャルさんに僕達3人と馬のラッシュは頷いた。


 それから、僕は南の森に向かって走っていたラッシュを死者の洞窟へと向け走らせた。


 暫く走らせた所で、無言の重圧で僕は不安になった。

そして、気づけば口を開いていた。


 僕以外は馬車小屋に入ってるから、先程からボックリくん越しに話をしている。

 非常に便利だ。こんな機能早く教えてほしいかった。


 ボックリくんは今は僕の肩、耳の位置。耳にしっかり掴まっている。


 因みに僕にはボックリくん、シャルさんにはリーフルくん、フレイにはグリくん、そしてアルテにも、体とお目目がまん丸した胡桃みたいなルミくんが言霊を飛ばしてくれる。


 前にシャルさんは僕のボックリくんと、フレイのグリくんは受けるだけの一方通行って言っていたのを思い出し尋ねてみたら、「ふふ、そうだったかしら‥‥」と誤魔化された。


 フレイも何言ってるのって感じで僕を見るしー。


 ーー何で?


 「‥シャルさん‥そこの、死者の洞窟を通れば間に合いますよね?」


 「‥何とも言えないわね‥‥相手の出方次第ではギリギリよ。」


 「出方次第?」


 「そう。あの王国騎士団が休みなく行軍するようだったら‥間に合わない。

 でも、騎士達も馬も生き物だから、それはあり得ないわね。

 ‥‥だから、今回の行軍で何れだけ休憩回数を入れるかに掛かってるの。

 王国騎士団の情報が少なくて読めないから、出来ることなら私達は休みなく進んで明日の朝までには村に着きたい所なのよ。」


 「それって‥僕達に出来そうなんですか?」


 「かなり無理をするけど、可能よ‥‥それよりルシール、あまりお喋りしてると‥‥舌噛むわよ。」


 「あはは、喋ってないと‥‥怖‥‥へぶっ!!」


 「はぁ‥」


 そんなやり取りとしている間に死者の洞窟にたどり着いた。


 シャルさんにお願いされたラッシュは張り切っていてとんでもなく速かった。

 しかも、風の精霊に頼んで、馬車小屋の風の抵抗を無くしてもらったから、更にとんでもないことになり、岩も木もスレスレを通り過ぎるし正直僕は怖かった。舌も噛んだー。


 僕だけ地面に足をつけるとガクガクと膝が震えている。シャルさん、フレイ、アルテは平然としている。


 ーーえっ、僕だけ‥‥男なのに‥体力もついた‥それなのに!?


 僕は情けないと思う気持ちで、震える膝に力を入れ皆に悟られないように必死に治療スキルを使った。



 ルシールは乗った事が無いので知らないが、馬車小屋は魔道具で、別空間に部屋がある。温度も一定の快適空間にある存在、揺れなど皆無だったのだ。



 シャルさんは茫然と洞窟の入口を眺めていた。


 「考えて無かったわ‥」


 「入口、小さい。」


 「シャルさん、これだとさすがに馬車は入れませんけど‥どうしますか?」


 「‥‥そうね、他のエルフに連絡を取って取りに来てもらうしかないわね。」


 「ラッシュだけなら入いれそうちゃのにね‥‥ここで、お別れっちゃね‥」


 「残念。」


 フレイとアルテが頑張ったラッシュを労い‥寂しそうに鬣と頭を撫で撫でしている。


 「‥‥しょうがないわね。今は時間がないし、、ごめんねラッシュ。」


 シャルさんもラッシュに歩み寄ると、フレイとアルテと同じように鬣と頭を優しく撫でた。


 「ラッシュ、残念だったな‥‥馬車小屋が僕のアイテムバックに入ればお前も一緒に行けたのに‥‥。」


 僕は何気に馬車小屋に手をあてアイテムバックに収納と念じて見た。


 「へっ?」


 すると‥どうした事か、馬車小屋がアイテムバックにスッと入ったじゃないですか。

3人はラッシュを撫でお別れの挨拶をして夢中だ。


 僕はあり得ない状況と、先程まで、あった物が無くなって一人混乱した。


 ーーど、ど、どうしたらいい。そうだシャル。

 

 「し、シャルさん?」


 シャルさんはラッシュに夢中で僕の声が届かない。じゃあー。


 「フレイ?」


 フレイもラッシュに夢中で僕の声が届かない。じゃあー。


 「アルテ?」


 アルテもラッシュに夢中で僕の声が届かない。ああもう。


 「おい、ラッシュ!!」


 ラッシュは僕の声に反応し、撫でられてるのを自慢しようと歯茎を出して、動きが止まった。


 「ルシール、ラッシュに何‥え?」


 こちらを見たフレイはあった物(馬車小屋)が無くなっていて驚き固まった。


 「ラッシュ?どうしたっちゃ‥へ?」


 何気にこちらを見たアルテも固まった。


 「ほらほら、みんな、何固まってるのそろそろ行くわ‥‥えっ?」


 シャルさんもビックリ固まった。


 「私の馬車小屋は‥‥?」


 「いやぁ、なんか馬車小屋、アイテムバックに収納出来ちゃった。」


 「「「ええ!!」」」


 「こ、これは予想外だったわ。何で誰も気がつかなかったのかしら‥‥よくよく考えたらアイテムバックスキルには、幌馬車の積載量以上に収納できるものね。収納出来ても不思議じゃないわね。」


 「凄いちゃね、ルシールは。」


 「ルシール偉い。これでラッシュも一緒。」


 「良かったっちゃねラッシュ。」


 「へへへ。僕に感謝しろよ、ラッシュ。」


 僕は得意気にラッシュの頭に手を置こうとしたが、プイッと顔を背けられ代わりにラッシュのシッポが僕の頭の上にポフッと乗った。

 そして、横目に歯茎を見せニヤリとした。


 ーーむむむ。


 「ほんとに、ルシールとラッシュは仲が良いわね。」


 「羨ましい。」


 「いいっちゃねルシールは。」


 「ん、ん?」


 ルシールは納得しながらも、納得出来ないのか首を捻っていたが、こうしてルシール達4人と馬1頭は死者の洞窟に入った。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【名前:ルシール:LV14】 ギルドランクE

 戦闘能力:250

 種族:人間?

 年齢:14歳

 性別: 男

 職業:冒険者

 スキル:〈スマイル〉〈料理〉〈洗濯〉〈文字認識〉 

     〈アイテムバック〉〈貫通〉〈馬術〉

     〈カウンター〉〈早寝〉〈早起〉

     〈早食〉 〈早技〉〈早足〉〈早熟〉

     〈治療:3〉〈回避UP:4〉 〈剣術:3〉

     〈見切り:4〉〈捌き:3〉〈毒耐性:2〉

     〈覗き見:2〉〈危険察知:1〉〈空間把握:4〉

     〈精神耐性:2〉

 固有スキル:〈浄化〉〈魔眼:5〉

 魔 法:〈生活魔法〉〈初級魔法:1〉

 *レジェンドスキル:《スキルショップ》

          《スキル制限解除》

 所持金 :378,913カラ

 借金残高:シャルロッテ 

           63,949,850カラ

        フレイ 1,320,000カラ

 スキルショップ借入残:       0カラ

       担保提供:なし

 レア装備:竜のブレスレット

     :風のシルエア

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

次回からステータスは変更がある時だけ乗せようと思います。

読み難くてすみません。

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