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更新遅くて済みません。
もう少し早く更新したいのですが‥生憎、暑さで頭の回転が悪く‥‥はい、嘘です。
もともとでした。ごめんなさい。
翌朝、僕達はコボルトの洞窟を後にした。陽はまだ昇ってなく薄暗い。何故こんな早くからと思うが、僕達は十分過ぎるほど寝た。
もうこれ以上は寝れない。
「あ~動けるって素晴らしい。‥‥!?」
僕は洞窟から出ると思いっきり大きく背筋を伸ばした。そして気づいた。洞窟の前にあの、懐かしの馬車小屋があった。
「おおっ。シャルさん、この馬車‥‥シャルさんが御者をして?」
「まさか。その馬賢いから私がお願いするとちゃんと目的地に走ってくれるのよ。」
ーーあれ、もしかして僕、御者する必要なかったの?
「‥へ、へぇ、お前賢いかったのか‥また、よろしくた‥へっ!!」
ルシールがその馬の背中に触れようと近づくとニィっと馬にしてはキレイな歯を見せ、首を捻りモシャモシャとルシールの髪を噛み始めた。
「‥‥‥うわっ、、こ、こら、、やめろ。」
ルシールは思い出した。こんな、馬だったと。ルシールは涎でベタベタになった髪に生活魔法をかけると素早く馬から離れた。
「あら、その馬。ルシールを覚えてるみたいね。」
「‥‥そうみたいですね。」
僕のジト目を馬は無視をし、フレイとアルテに愛想よく頭をすりよせ、撫でられていた。
「また、よろしく。」
「きゃあ。かわいいっちゃね。」
あれだけ僕のジト目を無視していた馬が、ふと、此方を見てニヤリと笑った。バカにしたように歯茎まで見せやがる。
ーーくっ‥‥こ、こいつ。‥‥まあ、いい。
「‥‥ぼ、僕達は1度ギルドに向かった討伐依頼を報告しよう。上級魔石は‥」
「あっルシール。それは、私に当てがあるから‥任せなさい、ね?」
「シャルさんが?僕は有り難いです。じゃあシャルさんにお願いするという事で‥‥二人ともいいかな?」
「うん。」
「いいっちゃよ。」
二人はまだ、馬の頭をを撫でていた。奴ご機嫌に尻尾まで振っていた。馬って嬉しいと尻尾振るのか?
「‥‥それにしても凄いですね、その偽装魔法?‥それも精霊魔法ですか?」
僕はシャルさんをまじまじと見て関心した。スラッとした足が眩しい。
「もう、そんなに見つめないで。ルシールの目ちょっとやらしいわよ。」
「や、やらしいって、そんなつもりは‥‥」
ーーあるかも‥‥。
「ふふふ、冗談よ。これはただ風の精霊に頼んで私の姿を人族の姿に見えるようにお願いしただけなのよ。」
「‥お願いで、ですか‥凄いですね。髪の色も僕と黒髪‥‥、それに耳、、人族に見える。」
シャルさんは何時もは流しているサラサラのストレートの髪を、今は1つに束ねている。
黒髪で耳もまるく、何度見ても、短めのスカートから見えるスラッとした長い足が眩しい。
これなら、どう見ても人族の冒険者風の美女だ。
ーーあれ?もしかして、これは‥‥。
よくよく見渡せば僕の回りって、シャルさんは文句なしの美女。フレイも冷たい感じがするが美少女。アルテもスタイル良しで可愛く変身してしまった。男は僕だけだ。これはー。
ーー出来る男の見せどころ?
ルシールの感覚はちょっとずれていた。
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ーーー
話は戻るが、洞窟を出る前に確認した所、屋代は予想通り冒険者に壊されていた。
当然、聖石は無く糸のような小さな穢気が煙りのように昇っていた。
シャルさんにお願いすると‥「しょうがないわね」と言いながらも新しい聖石を取り出し浄化をかけ屋代に設置し直してくれた。
今回はその後に隠蔽魔法を掛けているのだとか。
これなら、始めから隠蔽しとけば良かったんじゃないですか?と聞いたら、隠蔽魔法が浄化を阻害し本来の3分の2くらいの効果しか発動しなくなるのだとか。
でも、今回は見つかったら人族に持っていかれてしまうのでしかたない。貴重な聖石を使って貰うのだから‥‥。
僕はシャルさんの話を思い返した。
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「シャルさん。人族にもってどういう事ですか?」
「それはねー。」
シャルさんは聖石と浄化の関係をゆっくりと語り出した。
フレイもアルテも黙って聞いていた。
本来、全ての生物は体内に命の核、魔石を秘めている。
だが、エルフ族だけは体内の命の核魔石の、その更に中心に聖石を秘めている。魔石の中に聖石がある。
とうぜん、聖石はエルフ族の命の核。
つまりこの世界の穢れをエルフ族は、永い年月もの間、命を贄に抑えていたのだ。屋代にはある聖石はより魔力の高かったエルフ達の命の核なのだと語った。
それでも穢気を吸収し、浄化する。これを繰り返し永い時間、穢気からこの世界を護り続ける聖石事態の能力低下は防げるものではなく、一定の周期で聖石の代替えが必要になっていた。
だが、近年、この世界には何故か至る所で、その穢気が溢れ排出され始めたのを確認された。
これがタイミング悪く、代替え時期とも重なり、大量な聖石が必要となってしまった。
元来屋代に利用されていた聖石は上級聖石だった。上級の聖石はそう簡単に代替え出来る代物ではなかった。
そこで一時しのぎであるが、病気や事故で亡くなったエルフ達の聖石を利用しているのだとシャルさんは語った。
そこで、ふと、ルシールはシャルロッテの保有する魔力がとんでもなく多い事を思い出した。
「‥‥ひょっとしてシャルさんは?」
シャルさんの目が僅かに見開いた。
「どうしてそう、思うの?」
「魔力が‥‥魔力量が凄いから‥‥」
「あ~、そうか、ルシールは魔眼を持っていたわね‥‥‥そうよ、ルシールの思った通りよ‥‥」
シャルさんは誤魔化せないと分かると、観念したように正直に答えてくれた。
「や、やっぱり‥‥シャルさんは‥」
ルシールの顔はみるみる血の気を失っていく、そんなルシールを見かねて、「だから言いたくなかったのに‥」と、言いつつもシャルロッテは「もう、男の子でしょ」と、優しい顔をルシールに向け、小さく微笑んだ。
「‥‥それに、今すぐじゃないわよ。今は異常事態なのよ。
仮にそんな事になってもルシールがよぼよぼのお爺ちゃんになる位先の話よ。私はエルフなのよ。」
「‥‥それでも‥‥僕‥」
「じゃあ、その時は何か良いスキルでルシールが私を助けてくれる?」
「はい!!もちろんです。」
先程からフレイとアルテの視線が突き刺さるが、ルシールはここで決意する。
自分自身のスキルについてもっと詳しく知ろうと。今後役に立つスキルを調べたいと。
「ふふふ。ありがとうね。それで‥ルシールに手伝って欲しい事はね‥」
嬉しそうにそう続けたシャルさんの顔は、直ぐに真剣な面のとなっていたー。
昨今、穢気の至る所での発生に伴い、各地では人族からエルフ族に対する圧力が激しくなり始めた事が問題視されて始めていた。
シャルさんもエルフ族会議に参加するよう召集されたのもこの為だ。
神より与えられた使命を担う立場であるエルフ族、なかなかその会議は纏まらず、平行線をたどり長引いていたらしいのだが、数日前に悠長に構える事が出来ない、見過ごすことが出来ない事態が発生した。
それがー。
マクール王国、王都クイール地域。渓谷付近に隠れて住んでいる集落エルフ族族長からの救援要請。
その内容は人族騎士団が、実践訓練と表して投降しろと集落エルフ族に圧力を掛けて来たのだと。
各地で起こる異変、魔物の大量発生など、その首謀者として。
幸い結界が発動した為、その場は撤収したらしいのだが、結界が持ちこたえても後10日。
今も数人体制で包囲されているらしい。
目的は、各地の集落エルフ族の報告で聖石だと分かっている。
実際、各地の屋代は既に壊され聖石が奪われている。
投降してもまず命はないだろうと予想された。
ここの集落エルフ族は、この王都クイール地域の穢気を管理していた。だが至る所で溢れ出した穢気に人手不足となってしまった為、今は本国から派遣されたシャルロッテがその代理として、後手に回ってしまった管理地を巡回していたらしいのだが。この巡回が切っ掛けでルシールと出会いう事になった。
何処でエルフ族の魔石が聖石だと漏れたのか。
この状況を重く見た、主要人達は会議中の、その場で、平行線を辿っていたのが嘘みたいに即決した。
集落エルフ族の全ては本国に一時撤収すると。
「つまりは、集落エルフ族の撤収を手伝って欲しいのよ。」
「撤収ですか。わかりました。でも、僕達、人族だけど大丈夫ですよね?」
ルシールは人族に圧力をかけらている集落エルフ族が人族の僕達を信用してくれるか心配になった。
「それは問題ないわ、フレイとアルテはエルフ族の認める誓約の指輪を嵌めているし、ルシールも私の‥相手だから。エルフ族には分かるわ。」
「そっか。良かった。僕に誓約しているから大丈夫なのか。」
「そ、そうよ。」
「あ~でもシャルさん。エルフ族の撤収に、僕役に立ちます?」
「ルシールしか出来ないわ。‥誓約の時にあれだけルシールが利用されないようにって思っていた私が、今、利用しようとしてる。申し訳ないわ、けど‥‥だから私は‥‥ずっと‥」
シャルさんは悲しげに眉尻を下げルシールの顔を眺めていた。
「大丈夫です、スキルショップですよね?僕は構いませんよ。これで皆が助かるなら‥ね。シャルさん?」
ルシールは元々シャルロッテに救われている。いつも助けてもらうばかりだ。そのシャルロッテさんがルシールを頼ってくれるなら、それに応えたいと思った。
「ありがとう。そう言って貰えると気持ちが少し軽くなったわ‥‥‥ルシールには、そこの族長に、あるスキルを買って与えるだけで良いの。」
「‥‥あるスキル?」
「そう、精霊門スキル。エルフ族固有スキルなのよ。」
「精霊門スキルですか?」
「試しに見てくれる?これで無かったら別の手を考えないと行けないわ。」
僕は頷くと、スキルショップを発動した。
ーーん、、、ん!?エルフ固有‥‥あった!?
「シャルさんありました、って、高い!!
‥‥あっでも精霊門の他に‥、
魔族固有スキル、魔法門‥。
獣人固有スキル、獣人門‥。
‥‥‥あと、なんだこれ、%◆固有スキル、●◆%門って‥‥読めない?‥‥‥‥これ‥を‥」
僕は何故かそのスキル名が触れたくなった、思わずそのスキル名に手が伸び触れようとしたー。
その時、シャルロッテはルシールを覗き込んでいた。だからこそ、ルシールの瞳に光が消えたのを見過ごさなかった。
「ルシール!!!!!」
バチンッ!!
「いたっ。‥‥」
不安そうにシャルさんが僕の両頬を叩いた後、そのままルシールの顔をぎゅっと押さえながら覗き込んでいた。
「‥‥僕は何を?」
「ルシール大丈夫?なのね?今ちょっと、おかしかったわよ。」
「‥はい、もう大丈夫です。何か体が勝手に‥」
「‥その読めないスキルは絶対買ったらダメよ。触れてもよ。」
「‥‥大丈夫です。こんな怪しいの絶対買いませんよ。お金もないし。」
「でも、良かったわ何事もなくて。」
その後、シャルさんが携帯していた果物を皆で軽く食べるた。何故果物かと言うとルシール意外誰もまともな料理が出来なかった為だ。
「じゃあ今日は明日に備えてゆっくり眠ると良いわ。明日は、町に行った後、渓谷に向かうわよ。」
「はい、1度ギルドに報告したいので‥急いでる時に済みません。」
「いいのよ。討伐依頼中に何日も報告に帰らないと死亡扱いになる場合があるからね。冒険者資格を失ってしまったら何もならないものね。」
フレイとアルテは、まだ話足りないのか「まだ寝たくないちゃよ~」「いや、いや」と否定的だったが、シャルロッテが何やら呟くと3人は寝息を立て始めた。
ルシールにフレイとアルテが左右に引っ付く様に‥‥シャルロッテはそんな二人を横目に「しょうがないか。」と3人の頭を優しく撫でた。
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【名前:アルテ:Lv12】 ギルドランクF
戦闘能力:115
種族:人間
年齢:14歳
性別: 女
職業:冒険者
スキル:〈棍棒術:2〉〈盾術:2〉〈文字認識〉
〈魔力操作:1〉〈魔力回復:2〉
〈薬草の知識:1〉〈精神耐性:3〉
魔 法:〈生活魔法〉〈回復魔法:2〉
レア装備:誓約の指輪ルシール
状態:正常
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【名前:フレイ:Lv14】 ギルドランクE
戦闘能力:125
種族:人間
年齢:13歳
性別: 女
職業:冒険者
スキル:〈棒術:1〉〈文字認識〉〈魔力操作:3〉
〈魔力回復:2〉〈魔力量UP:2〉
〈毒耐性:1〉〈治療:2〉
〈危険察知:2〉
魔 法:〈生活魔法〉〈水魔法:2〉〈風魔法:2〉
レア装備:誓約の指輪ルシール
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【名前:ルシール:LV14】 ギルドランクE
戦闘能力:250
種族:人間?
年齢:14歳
性別: 男
職業:冒険者
スキル:〈スマイル〉〈料理〉〈洗濯〉〈文字認識〉
〈アイテムバック〉〈貫通〉〈馬術〉
〈カウンター〉〈早寝〉〈早起〉
〈早食〉 〈早技〉〈早足〉〈早熟〉
〈治療:3〉〈回避UP:4〉 〈剣術:3〉
〈見切り:4〉〈捌き:3〉〈毒耐性:2〉
〈覗き見:2〉〈危険察知:1〉〈空間把握:4〉
〈精神耐性:2〉
固有スキル:〈浄化〉〈魔眼:5〉
魔 法:〈生活魔法〉〈初級魔法:1〉
*レジェンドスキル:《スキルショップ》
《スキル制限解除》
所持金 :258,913カラ増
借金残高:シャルロッテ
63,949,850カラ増
フレイ 1,320,000カラ
スキルショップ借入残: 0カラ
担保提供:なし
レア装備:竜のブレスレット
:風のシルエア
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