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妖精の原田さん  作者: 鈴木将太
原田さん1
9/9

原田さんと父親


私は原田を水をすくうように持ち上げ、

「いいもの見せてあげる」と耳で囁く。


「家族を紹介してあげる」


私は古いアルバムをとり、広げる。


「私のお父さんだよ。生まれる前に死んじゃったけど」


私は原田を見つめて、ゆっくり話す。


「ねぇ、私のお父さんになってよ」


「お前の親?」


「私お父さんと勉強したり、本読んで感想を語り合ってしてみたかった」


「俺はあんたを抱き締める事も沢山撫でる事も出来ない。

そんな親父でいいのか?」



私は黙って首を縦に振った。


「お父さん、今日面白いテレビがあるんだ

晩御飯終わったら一緒に見ようよ」



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