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妖精の原田さん  作者: 鈴木将太
原田さん1
8/9

原田さんと家族




「買わないよ。普通のコンソメなら買うけど」


カゴにコンソメ味のポテチと電池を入れて、ついでに飴を入れて会計をする。


「家帰ったら、食べようか」


少し不満そうに頷き、また暑い道を通り、家に帰った。


「ただいま」


「おかえり」と母の声がして、ほのかに魚の匂いがした。「晩御飯何?」と聞くと「鯖の塩焼き」と嬉しそうに答えた。


「今日、何かあったの?」


「仕事先で28才って言われたの!」


鼻歌を歌い、嬉しそうな母を見て、「それはお世辞だよ」と言おうとしたのを口を紡いだ。


「あんたの母親っていくつなんだ?」と耳打ちをする妖精に「42」とこっそり話す。



私はリビングでリモコンの電池を取り替え、

ポテチを開け、食べ始める。


「食べ過ぎないでね。もうすぐごはんだから」


「はーい」とポテチを口に入れながら、話す。

懐かしむような目で私を見てきた妖精。


「どうした?」


「俺に家族がいたらこんな感じなのかって思ってさ」


「家族いないの?」


「婚約中の彼女もいてもうすぐ産まれる子供もいたよ」


「だけど」と続けて、自分の手を見て、頬に触れて、「俺死んじゃったもんな」と涙を溢す。


「恵、ごめんな。お前と子供を残してしまって」


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