表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/43

純白天使・降臨

前回までのあらすじ!


俺の初キッスの相手は床!! でも床となら初じゃないよね!? ないよねえっ!?


…。

……。

………。


 ああ、これだけ「……」が並んでるってことは、俺、よっぽど長い間気絶してたんだろうな。


 目を開ける……は嘘だな、瞼ないっぽいし。意識が戻るとともに、周囲を認識する。


(知らない天井だ……)


 俺の大きな身体をどうやってひっくり返したかは分からないが、俺は仰向けに寝かされていた。


「まー、多分平気だと思うわよ。後頭部ってないし、宝珠はノーダメみたいだしね」

「はうぁぁ~。よかったですぅ~><」


 ポリカちゃんと、誰か、コルセアさん以外の知らない女の子が会話してるのが聞こえる。


 視界に映ってるのは、体育館ほどの高さがある天井と、あとは視界の端に映り込む、三角形の白い布と、肌色の……脚!?


 ってことはこれは、この白いのはパンツだ。間違いない……間違い、ないッッッ!!


(ぱんちゅうううううううううぅぅぅぅーーーーーーーー!!)


 俺は、ガン見した。えんじ色のプリーツスカートの中の、純白のその天使ちゃんのお姿を!!

 頭……ってか顔面を強打して、たぶんなにか吹っ切れちゃった俺は、誰にも聞こえないのをいいことに存分に絶叫した。


(ふおおおおおおおお!! ぱんちゅ!! おぱん、ちゅうううううううううううっ!!)


「……ッ!?」


 俺の純白天使がサッとばかりに視界から消え、入れ替わりに少女の顔が視界に入り込んできた。

 土色の四角いフチメガネに、緑の髪をツインテールに結わえた、深緑のパーカーの少女だ。

 初めて見るその顔は、ものの見事に真っ赤に染まっている。


「み、みみみみみみみみたわねぇっ!?」


(見た!! しかも純白とはマジ素晴らしいっ!! パンツ世界ランキングで言うなら……そう! シマパンの次に素晴らしいっ!!)


 どうせ会話が成立しないのをいいことに、俺、言いたい放題である。あー、コレはコレで楽しいかもなあ。普段からそんな人と会話してたわけじゃないしさ。へへ。へへ。


「へ、へ、へ、変態ぃぃーーーーーーーーーーーっっっ!!」


 ガイン。とばかりに振動と同時に、鈍い音が響く。あ、ひどい。頭蹴られた。


「はわわわわぁ~! ど、どうしたんですかぁシキさぁぁぁぁん!? 頭はだめですぅ~!!」

「この変態野郎が、私のパンツを覗いたのっ!! ありえないわ! 絶対許さないっ!!

 万死に値するっ!! 変態死すべしよっ! 末代まで呪い殺してやるんだからっ!!」

「えええええ~!? だ、だってゴーレムさんですよぉっ?」

「そんなの関係ないわよ! なんなのよパンツランキングってぇっ!?」

「なななんですかそれぇっ!?」


(教えてやろう! パンツランキング! それはパンツマニアの! パンツマニアによる!! パンツマニアのためのぉぉ……って)


「何よそれ分けわかんないっっ!! キモいっ!! 超キモいっっ! ありえないっ!! このっ! くのっ! くのっ!!」


ガンガンガンガンッ!! 


 容赦なく蹴られる俺の頭。まあ、幸い鉄製?の俺にはその程度の蹴りではダメージはないのだが。


 そんなことより、だ!!


(なあ、聞こえてる……よな?)


 俺の発言を受けて、パンツ少女の蹴りが止まる。工房に響き渡っていた大きな音が止み、静寂が訪れた。


(やっぱりだ! 聞こえてるんだよな? 俺の声っっ!!)


 あ! コイツ、目、逸らしやがった!!


(おいコラ!! コッチ向けって!! 聞こえてるんだろ、パンツ女!!)


「誰がパンツ女よぉっ!!! あっ!!!」


(やっぱり聞こえてんじゃねえかーーーーーーーーー!!)


「え、なになに? ねえ、もしかしてお話してるのっ!?」

「ポリカは黙ってて!! 死霊語の難しい話よっっ!!」

「は、はあぃっ!」

「っていうか、ちょっと席外してもらえる? 思考の波長を調べる魔法を使うから」

「え、でもさっき平気って……」

「いいからっ! おかしな波長を感じたの!!」

「は、はぁぃっ!!」


 トテトテトテっ……と歩幅が狭い感じのポリカちゃんの足音が遠のいていく。続いて、金属扉の開閉する音。パンツ女は扉が閉まるのを確認してから、くるりとコッチに向き直った。


「さて……どうしてやろうかしら」


 どうもうこうも、それは俺のセリフだ。



第七話:「純白天使・降臨」完


日曜だし、明日も更新スルデスヨ!!ヒャッハー!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ