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情熱キッスをあげる

前回までのあらすじ!


俺、チンコがないと動かないようです。マ、マジカ。


 魔法陣が煌めく床にぽつんと転がっている『起動キー』は、改めて見ると形状的にはなかなかにエントリーなプラグだ。なるほどたしかにそいつがないと動かないわけだな!!


「ふえええ~、ついうっかりなんですぅ~」


 頭上から情けない声がする。

 確かに、それをぶっこ抜いた直後に、俺に意識があるのに気がついてコルセアさんを呼びに行ったから、うっかりしちゃったんだろうけど、整備士としてそれはどうなの!? どうなのポリカちゃん!!


 ……なんて思っているうちに、部屋中の魔法陣はきらっきらのコンサート状態から平常運転に戻っていった。そんな中、ジト目で俺……の後ろの、ポリカちゃんがいるであろうあたりを見上げるコルセアさん。


「ううう~。ご、ごめんなさいぃ~」

「アンタって子はホンっトに……ま、別に術式自体は失敗してないと思うから、ちゃんと『繋がってる』とは思うわよ。後任せていい? 汗かいたから」

「はあああい、ちゃんとチェックしときますう~。あ、タオル乾燥機の中です~!!」

「あーい、了解~、じゃ、お先~」


 乾燥機あるんだ……と妙な肝心をしている俺をよそに、ヒラヒラと手を振って俺の視界から消えるコルセアさん。入れ替わりで、俺の後ろのほうから降りてきたポリカちゃんが視界に入ってくる。


「ううううう~……ゴメンねぇ。なかなか起きなかったから、みんな結構心配してて、あたしも目が覚めたの見たらテンションあがっちゃって……」


 心底申し訳無さそうに謝りながら、ポリカちゃんは俺の足元のエントリーなプラグを拾い上げ……られない。確かに抜くときも結構タイヘンそうだったもんなぁ。

 と思ってたら、ポリカちゃんはツナギの腰のポケットに突っ込んであった手袋を取り出す。


「じゃじゃーん。ごーむーてーぶーくーろー♪」


(普通じゃん!!)


 てっきり異世界の便利アイテムを期待したのだが、どっかで聞いたような音程でごくごく普通のゴム手袋を装着したポリカちゃんは、どうにかこうにか彼女の腕ほどもある起動キーを持ち上げて、手慣れた感じで肩に担ぎあげた……ゴム手袋、侮りがたし!


「んっっしょ……っと。女所帯だと力仕事がキビシぃよねぇ~」


 いやいや充分パワフルだよロリメガネキャラだってのにさ。あーでも、ドクターなんたらのロリメガネはもっと怪力か(古い、古すぎる)。しかし、普段からこうやってひとりで整備とか組み立てとかしてるのかなあ。そういう便利なアイテムとかありそうなのに。

 それこそ、荷物運び用のゴーレムくらいいても良さそうなんだが……。


 ポリカちゃんは俺のそんな心配を無用とばかりに、俺が座っている椅子にエントリープラ……もとい『起動キー』の先端をのっけると、俺の両太ももと付け根に狙いを定め……ってぇ!! それが股間に刺さるのってどうなの!? もともとついてるものだから平気なの!? なんかヤだよ男として!! ノオオオオオオオオオオーーーーー!!

 俺、ロリ少女に股間に棒状のモノをあてがわれて挿入されちゃううううううううううぅぅ!!


 ずぶり。


 こうして俺のJOJOは無残に散らされたのでした……ってうおおおおおおおおおお!?

 股間の奥深くに俺のチンポがねじ込まれ、最深部に到達したその瞬・間!!

 ついさっき、コルセアさんの呪文の中で感じた脳を引っ張られるようなあの感覚が蘇った。

 しかも、それが「感覚」であることが、はっきりと感じられる。痛覚とか、触覚とか、そういうのではなくて、腕が、脚が、指が、繋がっているという「感覚」だ!!

 同時に、自分自身の体があちこち小さく振動し、音を発てているのも……わかる!!


(コイツ……動くぞ!!)


 いける! そう確信した俺は、定番のセリフを脳内再生しつつ「大地に立つ」ってやつをやろうとした。まあ、立つだけだけどね!!


 膝に肘をついた「燃え尽きたぜ……」のポーズのまま、まずは重心をゆっくり前へ!!

 かかとから、重心が足の前の方に移動するのを確認しつつ、そのまま腰を浮かせていく。

 自分でも驚くぐらいのスローモーションで、俺はゆっくりと立ち上が……


「わぁっ!? だ、駄目えええええええ!!」


 立ち上がれないっ!? 肘と膝が離れない!! 体が、起き上がら、ない……っ!!


 一瞬、離れかけた地面が、一気に近づいてくる。足元で、ポリカちゃんが頭を抱えてうずくまるのが見えた。クソデカイ身体でよかった……と思った直後に、


 ドガッシャアアアアアアアアアアアア!!!


 俺はとんでもなく大きな音を立てて、完全に、座ったポーズのままで、顔面から盛大に地面に突っ込んだのだった。


(この世界でのファーストキスは……床、か……よ……ぉ)


 冷たい床の感触も感じないまま、俺の意識はさっくり途切れたのだった。



第六話:「情熱キッスをあげる」完


よし!立ち上がったところで(立ってない)、しばらく2日に1回、お昼更新なカンジでいってみますか!!感想とか、ヨロです!


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