インポータントな事情
前回までのあらすじ!
俺の股間のところにひざまずいて女の子がががががが!!
おかん以外で初めてのゼロ距離体験がこんなんでいいんですか神様!?
(ちょ……! ま……!)
まだ目もうまくピントが合わない感じではあるのだが、足元にいるのは……丸メガネで童顔の、すれてない感じの女の子。いや、ロリ。ロ、ロリダアアァァァ!!
エンダアアアアアアアアアアアアアアァァァーー! ウィアァァーーーーーーー!!
とか、取り乱してる場合じゃない!!
さすがに初対面でそれはまずい。ってか、さっぱり心の準備ってやつが出来てない。
このまま心の準備もなしに開始三秒でアウトとかなった日には、たぶん一生立ち直れない。
俺はとりあえず、足元っていうか脚の間にいる少女を静止しようと彼女の肩を……
(ふぁっ!?)
腕が、動かない! イカン、これ感電したままだ!! え、それってどうなの!?
身体がこんな状態で、俺の股間のガンドゥムは、立つの!? ガンドゥム、イケるの!?
いや、ムリ!! 立つわけない!! それに俺、股間にロリなんてシチュエーションでオッキしなかったら、一生トラウマ大決定だって!! ダメ! 今はダメーーーーーーー!!
(やめてあげてええええええええええええええええぇーー!!)
駄目だ、声も出ない。なんだこれ、なんだこれっっ!?
ハーレムだよ!? これから、俺の異世界ハーレムが始まるってのに!?
『異世界に行った俺のインポータント(重要)な事情』
とか、そんなタイトルだっけコレ!?
神様! こんなご無体な!! 俺が現世で何をしたっていうんですか!!
ナニはシてましたけど! してましたけど!! してましたけどおおおおおおお!!
は!! もしかしてロリがいけないんですか神様!? だからこんなバツを!? ロリでナニがいけないんですか!? いけましたけどおおおおおおおおお!!
だからってひどい! あんまりだ!! 鬼! 悪魔!! りらっくま!!
「わあ、やっぱりだいぶ汚れてるね……待ってね、今、キレイにしてあげるね?」
な……なななななななななあんですとおうううう!? ススススンマセン俺今日風呂まだDEATH!!
脳内で絶叫する俺を差し置いて、少女は俺の股間に両手を伸ば……フオオオオオオ!!
状況は刻一刻と変化している! 変化、して、いるううううううう!!
少女は慣れた手つきで、ごそごそと俺の股間をまさぐりはじめたああぁぁぁぁーー!!
「やっぱりおかしいよねぇ、こんなところにこんなものがあるなんて……。
なんでこんなふうにしちゃったのかなあ……」
(うんそうだよね! 俺もそう思うよ!! 何もそんなところにくっつけなくてもいいじゃんか!! ねえっ!?)
脳内で激しく同意する俺の思考をよそに、彼女が、俺の股間部分を刺激していく。
すると、なんということでしょう!? 俺の股間に、そそり立つ棒状のモノが、ニョキッと姿を表したのだ! まさに、俺の股間が大・復・活・祭!!
さすがロリ! そしてさすがマイ、サン!! 感電なんかに負けない強い我が息子!!
うおおおおおおおお!! 大丈夫! 俺、大丈夫! 立った!! 立った!!
クララが、立ったあああーーーーーっ!!
「じゃ、外すね?」
(……はい?)
「ん、しょっ……と。よし、とれたぁ」
少女は、俺の股間にそそり立ったモノを、ズボッっとばかりに俺から抜き去った。
外したああああああああああああ!?
俺の、俺のガンドゥムがあああああああああああああああああーーーー!!
彼女は二の腕くらいはありそうな俺のを持ちきれず、重そうに地面におろした。床と、俺のアレがぶつかって、ゴイン、と鈍い音をあげる。
(ゴイン……?)
ここに来てようやく、俺は色々とおかしいことを把握しつつあった。っていうか、ようやくはっきり目が見えてきたのもあって、俺は気がついたのだ。
全然知らないところにいる自分に。それと、自分の異変に。
何もかもが違いすぎて、何から説明したものだろうか迷うところなのだが、まず、ここは工房……と研究室の間みたいな場所だ。でもって、少なくとも、俺の知ってる現実世界じゃ、ない。断言できる。
というのも、テニスコートくらいはあるだろうこの場所には、ごちゃごちゃしたよくわからない機材的なものと一緒に、たくさんの魔法陣が存在しているのだ。
比較的暗めの室内で、魔法陣は中空に浮いていたり、ぐるぐる回っていたり……魔法陣を小さな光球がなぞっているものや、点滅しているものなんかもある。
なかでも、俺の周囲にぐるっと描かれた魔法陣は、光こそ弱いけれど、とびきり大きいものだった。
(魔法のある世界なのは、間違いないな……俺は、召喚されたって感じか)
「あ、動いたね! おはよう!」
四方を見渡していた俺の目の動きを追ったのだろう。俺が足元に視線を戻すと、着ている作業着?のツナギから見かけによらない豊満な胸元を覗かせつつ(重要)、ロリ少女が俺の顔を見上げていた。そして、覗きこんでいた。
ロリ巨乳だ。
……いやそうじゃなくて。
その子は、俺の顔を「見上げて」「覗きこんでいた」のだ。
『鋼鉄の身体』
メールの文面が、俺の頭をよぎったのだった。
第二話:「インポータントな事情」完
ロリ巨乳だ!!