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¬L.F.番外編 あゆみ&未咲の会話集一 水族館リベンジ

未咲「この間は水族館からの回転寿司コースがダメだったから、今度こそ!」

あゆみ「今日は大丈夫でしょう。平日だし」

未咲「じゃあ早速、水族館へ復讐しに行こっ!」

あゆみ「別に恨みはないけれど……」


―水族館リベンジ―


あゆみ「あら、エビ」

未咲「うわあ、おいしそう」

あゆみ「タカアシガニ」

未咲「身がたくさんとれそう!おいしそうだね」

あゆみ「これは鯛の仲間かしら」

未咲「鯛もおいしいよねー」

あゆみ「これはヒラメの一種かしら」

未咲「お刺身で食べたいなー」

あゆみ「水族館というより、まるで築地の魚市場に来たみたいな感じねえ」

未咲「だっておいしそうなんだもん。あゆみさんだって、エビとかカニ好きでしょ?」

あゆみ「ええ…好きよ」

未咲「だったら、ほら。魚を見てると食材を見てるような感じになるでしょ?」

あゆみ「もう…。お腹が空いてきちゃうから、深海の生物コーナーに行ってみましょう」

未咲「そうだね。面白そう」

あゆみ「……」

未咲「うげげっ!こ、これって…だんご虫じゃん!しかもデカいし!うえ〜…」

あゆみ「……」

未咲「へえ…オオグソクムシだって。あ、そういえばテレビでやってたね。ふ~ん、一応は深海生物なんだー。海の生き物だし、カニとかエビとかシャコとかと同じ仲間なのかな?食べたらおいしいのかも。なーんて」

あゆみ「…断じて許さん」

未咲「え?なにが…?」


あゆみ「…気絶するかと思ったわ」

未咲「ああ、さっきのオオグソなんとかってやつ?」

あゆみ「汚らしい呼び方しないの」

未咲「でも、あゆみさんはアレ嫌いだよね」

あゆみ「ええ」

未咲「じゃあ汚らしい呼び方してもいいんじゃない?」

あゆみ「そうね。ファッキングソクソムシヤロウ地獄で永遠の責め苦を受け続けるがいいたかだかだんご虫風情がぶち殺すぞクズテメームシ、とか」

未咲「…それをさらりと無表情で言っちゃうところがステキ!」


あゆみ「う……」

未咲「どうしたの?あゆみさん……あ、ウミウシ」

あゆみ「もうイヤ……やる気なくすわ……」

未咲「えー。かわいいじゃん。それにどっかの地方じゃ、これ食べるらしいよ」

あゆみ「海の生物が何でも食べられると思っちゃだめ!」

未咲「大体は食べられるらしいよ。イソギンチャクとかヒトデとか」

あゆみ「じゃあ未咲は海女も食べるのね!?」

未咲「……若い海女さんなら、食べられるかと」

あゆみ「えっ……それは、どういうこと?」

未咲「……それは、ここではちょっと……」

あゆみ「……?」

未咲「……多分、あゆみさんも大丈夫かな」

あゆみ「…あっ。それは、もしかしてそういうこと?」

未咲「…う、うん」

あゆみ「う~ん…ちょっと興味はあるし……確かに若い方が柔らかいとは思うわ。けど猟奇的だし、そういうのはねえ……」

未咲「え!?りょ、猟奇的?」

あゆみ「どこかの怪しいお店の裏メニューにあるのかも…」

未咲「…なんかあゆみさん、私が想像してたことと違う話をしてるような……」

あゆみ「じゃあどんな想像してたの?」

未咲「……ぶっちゃけ、エロいことです」

あゆみ「ぶっちゃけ過ぎよ、未咲。慎みなさい」


あゆみ「お土産買っていきましょうよ」

未咲「あっ。オオグソクムシのぬいぐるみだ!」

あゆみ「そうね。かわいいわね」

未咲「ぬいぐるみなら平気なの?」

あゆみ「これぐらいなら、平気よ」

未咲「じゃ、これ手にとってみて」

あゆみ「いいわよ」

未咲「わあ~、ふわふわしててかわいい~」

あゆみ「そうねね、未咲きき」

未咲「…なんか変なエコーがかかってるんだけど」

あゆみ「そそそんんなこととななないいいわわよよよ」

未咲「すっごい汗」

あゆみ「ハアハアハアハア大丈夫よ大丈夫大丈夫大丈夫だからね痛くないもん頑張れわたしし」

未咲「も、もういいよあゆみさん!無理しないで!」

あゆみ「いいいえ、だだいじょうぶよよ、みみみみさききききーーーーききーーー」

未咲「いいの!もういいのよ!あゆみさん!頑張らなくていいの!こっちを見て!あゆみさん!あゆみさん……!」


あゆみ「水族館の後は」

未咲「お寿司屋さん!」

あゆみ「何を食べようかしら」

未咲「オオグソクムシ!」

あゆみ「ファッキンね。イヤよ、私は」

未咲「じゃあエビにしよっと」

あゆみ「それはライクね」

未咲「ねえねえ。回転寿司っていやに安いよね」

あゆみ「ええ」

未咲「深海魚使ってるかららしいよ」

あゆみ「帰りましょう、未咲」

未咲「あ、うそうそ、冗談だってば」

あゆみ「じゃあどうして安いのかしら」

未咲「回転してるからじゃない?」

あゆみ「それじゃあ、握ってる人が回転したらもっと安くなるのかしら」

未咲「いや、それは……」

あゆみ「回転速度を上げればさらにお安く」

未咲「ならないでしょ」

あゆみ「あ、そうね。じゃあ低速にすれば値段もぐっと抑えられる」

未咲「そんなわけないじゃん」

あゆみ「逆回転にすれば」

未咲「そもそも回転は値段に関係ないかと」

あゆみ「…回転してるから値段が安いんでしょ?」

未咲「え?値段が安いから回転してるんじゃないの?」

あゆみ「じゃあ値段が高ければ回転しない、と?」

未咲「してないじゃん」

あゆみ「……そうね」

未咲「うん」

あゆみ「超高級回転寿司って無いものね」

未咲「うん」

あゆみ「じゃあ高級じゃないから回転してるのね?」

未咲「そうとも限らないじゃん」

あゆみ「異議あり!」

未咲「なんで裁判してるの?」

あゆみ「”値段が安いから回転してる”と言っているにも関わらず”高級じゃないから回転してる”という意見に同意しないというのは、明らかにおかしい!」

未咲「う……」

あゆみ「裁判長。このように、被告の態度には矛盾点が多くあります」

未咲「それ、裁判長じゃなくてガリだよ」

あゆみ「つまり、被告は何かを隠しています。ですから意見がブレるのです。その隠している”何か”とはつまり……”寿司が回転している”ということの、本当の理由なのです!」

未咲「ええ~!そ、それは一体…」

あゆみ「まあ人件費の削減でしょうね。機械化でコストを抑えるってことで」

未咲「逆転も何もしないし、すっげつまんねー。さっさと食べて帰ろ?」

あゆみ「……未咲ったら、冷たいわ……」

未咲「でも、そこが好きなんだよね!?」

あゆみ「…冷たくされると、燃え上がるわ」

未咲「…ちょ、ちょっと怖いよ、あゆみさん……」


あゆみ「回転寿司って初めてなんだけど、プリンアラモードもあるのね」

未咲「うん」

あゆみ「握ってるのかしら」

未咲「うん。半分に圧縮されちゃって出てくるよ」

あゆみ「未咲…それ、本気で言ってる?」

未咲「うん。もうぐっちゃぐちゃのねっちょねちょ」

あゆみ「帰りましょう、未咲」

未咲「あ、うそうそ冗談だってば。もう、あゆみさんはだまされやすいんだからー」

あゆみ「本気になんてしてないわよ」

未咲「だって、あゆみさんって冗談なのか本気なのかわかんないんだもん」

あゆみ「そう?」

未咲「うん。表情があんまり変わらないし、いっつも冷静だし。ま、そこが大好きなんだけどね」

あゆみ「……ふふっ」

未咲「ん?」

あゆみ「嬉しいわ」

未咲「…う、うん。で、でも、そんな真面目な顔で言われると…照れるよ」

あゆみ「そういうところが、いいの?」

未咲「うん!」

あゆみ「ところで、まろのプリンアラモードはまだかしら」

未咲「通り過ぎちゃったよ」

あゆみ「あ〜……プリンアラモードが…………」

未咲「あ。もう一個流れてきたよ」

あゆみ「プリン、アラドーモ」

未咲「…それ、本気で言ってる?」

あゆみ「ええ。それが何か?」

未咲「……開き直ったあゆみさん、ステキ!!」


あゆみ「ここのお店は回転が速いわね」

未咲「ちょっと速度落とそうか」

あゆみ「え?そんなこと出来るの?」

未咲「魔法をかければ」

あゆみ「やってみて」

未咲「きゅんきゅんきゅんきゅんきゅん」

あゆみ「ぎゅいーーーーん」

未咲「きゅんきゅんきゅんきゅんきゅん」

あゆみ「ぎゅいーーーん、ぎゅわーーーん、ぎょぎょぎょぎょぎょ」

未咲「…何、その効果音」

あゆみ「…きらめく銀河にハードなギターを乗せてみたの。気にしないで、続けて」

未咲「ごめん、バカくさくなってきた」

あゆみ「冷たいわねえ未咲ったら。せっかく私も一緒に魔法をかけていたのに」

未咲「…あゆみさん、なんか性格変わったような」

あゆみ「そうかしら」

未咲「前はもっとクールでカッコいい人だったのに…」

あゆみ「そういうつもりは無かったんだけど」

未咲「本当はちょっとイカレた人だったのね」

あゆみ「私のそういうところが好きなんでしょ?」

未咲「うん!!ギャップ萌えってヤツ」

あゆみ「そう…だから、これはわざとやってるのよ。あなたに好かれたいから…」

未咲「ウソでしょ?」

あゆみ「本当よ」

未咲「じゃあ、その左手の甲に書いてある謎の文字は何?」

あゆみ「ああ、エビチリ?」

未咲「なんで、そんな言葉書いたの?」

あゆみ「さあ…エビチリが食べたかったのかしら…」

未咲「…わからない。あゆみさんって、謎が多い人……」



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