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今日から女の子♂♀-2

僕は今日から女の子になってしまった。

理由は「女の子になりたい」と声に出してしまったから?


違和感のある頭、ありえない長さの髪の毛

頭を動かすと耳や首に今まで感じられなかった、なんとも鬱陶しい感覚がある

手を見れば細いスラリとした指、自然と目に入る頼りない腕

そして、ないはずモノが胸に存在している

起きたとき、女の子らしいパジャマを着ていた

そのパジャマを胸が押し上げる

さらに下、確かにそこに存在していたはず・・・

しかしない。触ってみても情けなくなる感触。覗き込んでみてもそこがどうなっているか分からない。

分かる事は今まであったのに、すっかり消えてなくなっているのだ


立ち上がれば髪の毛が揺れる感触と同時に視界が今までと少し違う

全身を写す鏡に自分の姿を映してみる

身長が縮んでいる感じがした。実際は本当に10センチ程、縮んでしまっていた。

それよりも鏡の向こうで可愛い顔の女の子がじっとこちらを見ていた

でもどこか見覚えがある顔みたいだけど、どうみてもニヤニヤしながら見とれてしまうようなアイドルのような顔

冷静に思考が働きその顔が自分の顔であるということを理解しようとすればするほど自分の体に起こってる事に疑問を感じてしまう。



「喜んでいただけましたか?」

お客様に満足してもらった、という感じの自身に満ちた声が聞こえてきた。

健太の体を女の子に性転換させた張本人だと思われるナビゲーターの声だった。


健太は喜んでる顔というより、パニックで不安な顔でナビゲーターの方を見る。

「なんで!僕の体が女の子に!?」

少し焦り気味の口調で答えを求める


部屋にはもう一人、女の子がいた。

健太が前日の夕方に告白した子だ。その子も何が起きてるのか分からない感じであった。

この子の名前は『綾音』あやねと言う名前で、親友からは「綾姉~」と呼ばれている。

どちらかと言えば妹というより、綺麗な顔、モデル体系、性格からしてもお姉さんという感じかもしれない。

今、目の前で起きてることを一つずつ確認しようと、綾音も健太に問いかける。

「け・・んた・・・君なの?」

健太は綾音の方を向き、コクコクコクッと首を縦に振り必死にアピールしていた。

綾音はそれを見て驚きを隠せない様子だったが思った事を健太に聞こえない小声で言ってしまった。

「可愛い♪」

当然健太には聞こえなかった。

それよりもナビゲーターとのやりとりに必死になっていた。


「喜んでない様子ですがなぜでしょう?」

「僕は女の子になりたいなんて思ってなかったし、どうして勝手にこんなことするんだよー!」

「・・・女の子になりたいと口に出した事は記録として残っているのですが?」

「そのあと否定したはずだー!」

「・・・否定された言葉は記録に残ってませんねー。」

「とにかく戻せーー!!」

「すぐには無理です。体に負担が大きすぎるので、もし無理やり実行すればどうなるか保障できません。」

それを聞いた健太は少しの間無言になってしまった。

落ち込んだ様子で「どれだけ待てばいい?」

すぐに戻るのを諦めたが、男の体に戻る希望は捨ててなかった。

「そうですねー周囲への記憶操作や環境の変化もありますし、プログラムの調整もありますので・・・」

ナビゲーターの言葉に耳を傾ける健太、それをじっと見ている綾音。

沈黙が部屋の空気を凍らせて、溶けるのを2人は待っていた。


ナビゲーターが空気を溶かそうと言葉を発する。

「ん~調べてきますので、分かり次第お伝えします。」

結局、いつ元に戻れるか分からずしばらく強制的に健太は女の子として生活することをなってしまった。


「忘れてました。女性としての名前ですが『佐奈』にしておきましたので。」

ナビゲーターの言葉に唖然とする健太。もう何も言えずに無言のまま床に座り込んでいた。

「綾音さんに色々女性としての生活を助けてもらってください。それでは。」

ナビゲーターは最後にそう言うと姿を消してしまった。


部屋に残った佐奈(健太)と綾音。

佐奈はまだ疑問だらけでいる。

(なんで僕が・・・女の子になりたい!なんて言ってるヤツなんて他にもいるはずなのに、なんで否定したのに僕が・・・ 今まで女の子になりたいなんて思ったことなんてなかったのに。 なんで!?)

床に座り込んで考えてる佐奈に綾音が何かをもってきた。


「佐奈ちゃ~ん♪早く着替えないと~♪」

綾音は、もうすっかり健太という男じゃなく佐奈という女の子として見ていた。

そんな言葉に佐奈は驚きと好きな子に『佐奈ちゃん』と呼ばれることと、持ってきた何かを見て少し顔が赤くなった。

(なんでこんなに簡単にこの状況に順応するんだーー!!)

心の中ではそんな事を思ってても、何か恥ずかしかった。


「まずはパジャマ脱いでブラ着けないとね♪」

そう、持ってきた何かとは女性用の下着ブラジャーだった。

綾音がブラを沙耶の目の前に置き、壁にかけてあった制服を手に取る。

「多分、これが沙耶のかな?私のはあっちにあるしね♪」

とても楽しそうな綾音。

ブラを手に取る佐奈。

「これを僕が・・・。」



「佐奈?」

佐奈が顔を上げると、目の前に綾音の顔がキスできる距離にあり思わず後ろに倒れそうになった。


「今から『僕』は禁止!でも~僕でも可愛いかも~♪」



僕は、目の前にあるブラを着けて女子高生として学校に行かないといけない。

「休む。」

と言ったところで、綾音は聞いてくれそうにない。


(ナビゲータ~~~!!早く元に戻してくれ~~~!!)

佐奈は心の中で叫んでいた。




もっと表現力を身につけたいですね^^;

次話の投稿も早くできるように頑張ります!

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