まあいっか!
おじさんが帰ってからも、なんとなくしんみりした空気が続く。
どうしようかと思って、ナギさんに話しかけようとしては黙ってしまう。
無言でナギさんの殴られた場所を手当てした。
するとナギさんが言った。
「まあいっか!」
「え」
「僕の本当の親戚ではないし、もう口を挟ませないって言質も取ったし!いいよね?」
「…ふふ、うん」
明るく振る舞ってくれるナギさんに笑う。
優しいな、ナギさんは。
「でも、コトハがあんな風に言ってくれるなんて…嬉しかったな」
「えへへ。マミちゃんに言われてたの」
「なんて?」
「ええっとね… 『もしそのことでコトハちゃんやナギさんが責められても、聞く耳を持つことないよ。従兄との結婚は法律上問題ないし、モラル的にも…お互い惹かれあっての恋愛結婚なんだから、負い目を感じることなんてないもん』だって」
「マミもいいこと言うなぁ」
ナギさんはうんうんと頷く。
「コトハ、今日は逆に守られちゃったけど…これからは僕がコトハを守るからね」
「ありがとう、ナギさん」
「コトハ。今日は守ってくれてありがとう」
「どういたしまして」
ナギさんが明るく振る舞ってくれたから、空気も良くなった。
「遅くなっちゃったけど、夕飯にしようか!」
「うん!」
「今日は久しぶりに二人でキッチンに立とうか」
「うん、そうしよう!」
二人でキッチンに立って、二人で料理を作る。
「いただきます」
「いただきます」
二人で食べる。
「ウィンナーの焼き加減がすごく上手で、とっても美味しいね、ナギさん」
「コトハの焼いてくれた卵焼きもすごく美味しいよ」
「ナギさんのお味噌汁もすごく美味しい!」
「お漬物も美味しいね」
「ご飯もおいしい!」
さっきはどうなるかと思ったが、今ではいつも通りの穏やかな時間が過ぎている。
勇気を出しておじさんに言ってよかった。




