コトハへの想い
僕は祟り神だった。
それを一人の女の子の信仰によって、守り神としての側面を得た。
その女の子を助けて、ここまで育ててきた。
その女の子はコトハという可愛い子で、大学を無事卒業して今は僕のマネージャーをやっている。
そんなコトハに、僕は今恋をしている。
「コトハ、今日はマミと遊べて楽しかった?」
「うん、楽しかったよ兄様!」
コトハは純粋に僕のことを従兄として慕ってくれている。
だけど僕はコトハに恋をしてしまった。
特別なきっかけがあったわけではない。
育てていった中で、コトハが大学生になった辺りで不意に横顔にグッときてしまって…それから意識してしまっている。
コトハに悟られたら嫌われるかもしれないから、必死になって隠しているけれど。
「マミとはなんの話をしたの?」
「えっと…恋話とか…」
「恋話!?」
コトハが恋をしたの!?
誰に!?
いつのまに!?
「うん、なんかマミちゃんが拝み屋さんのお仕事で出会った男の人に告白されたらしくて」
「あ…ああ、そっち」
「?…うん、そっちだよ?」
焦った…コトハを何処の馬の骨ともわからない輩に取られるかと思った…!
「で、マミはその男をどう思ってるの?」
「実は結構悪く思ってないらしくて」
「ほうほう」
「今度デートしてみるんだって!きゃー!」
頬を手で挟んでくねくねするコトハが可愛い。
しかしそうか、マミにもついに春が訪れたのか。
「マミももうそんな歳かぁ…」
「そうだねぇ」
「デート、上手くいくといいね」
「うん、絶対上手くいくと思う!だってマミちゃんはとっても可愛い女の子だもん!」
たしかにそう。
コトハは見事に美少女に育ったが、マミもなかなかの美女に育った。
おかげで二人で遊びにいくとナンパが寄ってくるので、二人が遊びにいくときは僕が同伴することも増えた。
二人だけでは危ないからね。
でもマミにそういう相手が出来たなら、もうそんな機会も減るだろうか。
…マミに恋人が出来たら、コトハもその相手とあったりして、その相手から男を紹介されたりするんだろうか。
ぽっと出の男に、コトハを取られたりするんだろうか。
…そんなのは嫌だ。
コトハを見る。
美しく育った。
狙う男も多いだろう。
…もし、コトハとの『未来』を望むなら。
タイミングは、今しかないのかもしれない。
僕は、覚悟を決めることにした。




