兄様との関係
兄様との関係は、特に変わっていない。
兄様は私を従妹として可愛がってくれて、私は兄様のことを慕ってそばにいる。
兄様は私を養ってくれて、私は兄様に甘えている。
マネージャーみたいな形で雇用してもらってはいるが、それ以外は今まで通り。
だからこそ、時々切ないのだ。
「マミちゃん、おはよう!」
「コトハちゃん、おはよう!お邪魔します」
今日はマミちゃんが遊びに来る日。
兄様はお仕事だけど、私はお休みをもらっている。
マミちゃんを私のお部屋に通す。
マミちゃんは途端に真剣な表情になった私に聞いた。
「それで、進展はあった?」
「ない…」
「そっか」
…私は今、恋をしている。
兄様に。
いつから恋していたかはわからない。
ただ、兄様と普段通りに過ごしていた何気ないタイミングでふと思ったのだ。
ああ、好きだなぁと。
それから私は、ずっと兄様のことを意識している。
でも兄様にその様子はない。
そして私は、兄様にアピールする気はない。
ただこのまま、兄様といられればそれでいいから。
だけど…時々切ない。
それを、マミちゃんだけが知っている。
「でも、あれだけコトハちゃんを溺愛しているナギさんだもん、アピールすれば振り向いてくれそうだけど」
「でも、それで嫌われちゃったらって思うと…怖いよ」
「嫌われることはないと思うけど…でも、コトハちゃんが嫌なら無理することはないね」
マミちゃんはいつだって私の味方でいてくれる。
だから私は、マミちゃんに安心して頼れるのだ。
「ごめんね、意気地なしで…でもどうしても怖いの」
「謝ることじゃないよ、私はいつだって応援してるからね」
「マミちゃん、ありがとう」
「こちらこそありがとう。でもナギさんもこんなに可愛いコトハちゃんがそばにいるのに、手を出さないなんて…」
「も、もう!兄様はそんなタイプじゃないもん!」
マミちゃんったら!冗談がすぎるよ!
でもマミちゃんはそんなご立腹の私に笑う。
「本当にコトハちゃんはナギさんが好きだね」
「う、うん…だって好きだもん…」
「コトハちゃん可愛い!」
「マミちゃんったら…」
「…でも、ナギさんがどう思ってるかはいい加減気になるよね」
マミちゃんの一言で固まる。
「…」
「せめて脈なしか脈アリかは気になる」
「そうだね…でも子供の頃から態度は変わらないし、多分脈なしだよ」
「態度が変わらないのはコトハちゃんも同じだよ。その上でナギさんが好きなんでしょ?だったらナギさんももしかしたら…」
「…」
そんな都合のいいことがあるだろうか…。
あって欲しいと思ってしまうのは、許して欲しい。




