妬み嫉み嫌がらせ
兄様が私のためにみんなを祟っていたという衝撃的な事実を知って、それでも私は兄様を嫌いになることはなかった。
むしろ兄様が私のために色々してくれたのを、みんなには申し訳ないけど…少し嬉しいと思ってしまった。
その罰、なのだろうか。
「…なに、これ」
学校に登校したら、机にたくさん落書きがされていて仏花が飾られていた。
「ええ…」
「こ、コトハちゃん大丈夫…?」
マミちゃんが気遣わしげな目で見てくるけれど、私は傷ついてはいない。
むしろこんなコテコテな嫌がらせをしてくる人にドン引きである。
殴る蹴るの暴行を受けるより断然マシだからノーダメージだけど。
「…うーん、大丈夫。ただどう片付けようか」
「コトハちゃん、マミちゃんもおはよー!…なにこれ!?」
「みんなで協力して片付けよう…!」
マミちゃんの言葉に後から来たみんなも頷いてくれて、みんなで落書きを消して、仏花とツボは先生に言って処分してもらった。
最終的には元通り綺麗になったので、よかったと思う。
みんなの優しさを改めて実感して、お友達って素敵だなと思った。
だけど、クラスメイトのみんなはこんなに優しいなら…誰がこんなことをしたんだろう?
不思議に思い、先生に心当たりを聞かれたがそんなものないので先生も首を傾げていた。
「…ってことがあったの」
帰ったらすぐに兄様に報告した。
兄様は難しい顔をしている。
「不愉快だね」
「ごめんね、兄様」
「コトハが謝ることじゃないよ!コトハは偉いよ、よく耐えたね」
「うん、耐えたって言うよりノーダメージだったから」
「コトハは強い!偉いね!」
兄様は私の頭を撫でてくれる。
「とはいえ、やっぱり不快なものは不快だ」
「そうだね、理由もわからないとちょっと困る」
「理由がわかっても迷惑だよ」
「たしかに」
「ねえ、祟ってもいいかな」
兄様を見る。
本気の目をしていた。
「…でも、もしかしたら私に理由があるのかも」
「どんな理由があれども、嫌がらせをしていいことにはならないよ」
「そうだけど」
「コトハは優しすぎる」
優しいんだろうか?
兄様の私を見る目の方がよっぽど優しいと思うけれど。
「ねえ、祟っていいかい?」
「…ほどほどにしてあげてね」
「コトハは本当に優しいなぁ」
頭を撫でられる。
あんまり苛烈な祟りじゃないといいんだけど。




