誕生日
「ところで、兄様」
「なに?コトハ」
「兄様の誕生日はいつなの?」
唐突にコトハに聞かれて戸惑う。
「覚えてないなぁ…どうして?」
「覚えてないの!?お祝いしてあげたかったのに!」
「おや」
そうか…それなら…!
「コトハ、コトハ」
「なに?兄様」
「明日はコトハのお誕生日だよね?」
「うん…」
「僕も、明日を僕のお誕生日にしていいかな?」
コトハは僕の発言に一瞬驚いた。
だが、次の瞬間にはまたぱっと笑った。
「うん、いいよ!」
「良かった!じゃあ明日は二人でお互いをお祝いしようね!」
「うん!」
ということで、明日は二人でお祝いすることにした。
ということで、一晩明けて今日はコトハと僕のお誕生日。
ナイスタイミングなことに、今日は日曜だからゆっくりできる。
僕は朝からスポンジケーキを焼いて、生クリームとフルーツも用意しておいた。
そしてそこにちょうどコトハが起きてきた。
「おはよう、兄様」
「おはよう、コトハ。顔を洗って歯磨きしておいで」
「うん」
コトハは顔を洗って髪を梳かし、歯磨きうがいをしてから戻ってきた。
「…それ、ケーキの準備!?」
「うん。今日は特別に、朝からケーキにしよう」
「わーい!」
「とりあえずパジャマから着替えておいで。あと、せっかく誕生日だからおめかししておいで」
「うん!」
パジャマから可愛らしいワンピースに着替えてきたコトハ。
「じゃあ、お互いのお誕生日のお祝いに二人でケーキをデコレーションしよう」
「うん!」
二人でケーキを飾る。
綺麗に飾られたケーキを二人でスマートフォンで撮影して、それから切り分けた。
「たくさんお食べ」
「わーい!」
二人でモリモリとケーキを食べた。
そしてそのあと、二人で買い物に行こうと誘う。
「コトハ、またおもちゃ屋さんに行こう。誕生日プレゼントを買ってあげるよ」
「うん!」
コトハとおもちゃ屋さんに行き、コトハが選んだぬいぐるみを買う。
また大きなぬいぐるみで今度は犬。
アニメのキャラクターの等身大ぬいぐるみらしい。
等身大でこれとか大きいな、抱き枕にできるサイズだ。
「じゃあ、帰ろうか」
「待って、兄様も選んで!」
「え」
「兄様の選んだおもちゃ買ってあげる!」
そう言ってお財布を出すコトハ。
コトハは毎日お勉強を頑張ったり、家事を手伝ってくれるたびにお小遣いに五十円を渡している。
一回五十円とはいえ、毎日お勉強も家事手伝いも頑張っているコトハだからそれなりの金額は貯まっていた。
それを、僕のために使いたいだなんて。
「コトハ、ありがとう」
「うん」
コトハがいい子すぎてつらい。
いや、つらいといってももちろん嬉しい。
僕は迷いに迷って、コトハが買ったのと同じぬいぐるみを買ってもらった。
お揃いだねと笑顔になるコトハが愛おしくてたまらない。
コトハは本当に、素敵な子だ。




