過保護
『コトハちゃん、帰ろうか』
『うん、帰ろう!』
マミちゃんとやらとコトハはまっすぐ家に帰る。
マミちゃんとやらと他愛もない会話をしながらのんびり帰宅するのもまた、コトハの新たな楽しみとなっていた。
その時だった。
コトハとマミちゃんとやらの目の前に、長ーいコートを着たサングラスとニット帽を装着しているおじさんが突如現れた。
そして、コートをパッと開いた。
「…っ」
ビービーと防犯ブザーがなる。マミちゃんとやらが鳴らしたらしい。
僕はコトハの目を塞ぐ。
幸いコトハは汚いものは目に映していない。
「…ナギさん」
汚いものを一瞬見てしまったマミちゃんとやらは気持ち悪そうな顔をしていたが、僕を見て少しホッとした顔をした。
目の前の変態は、突然目の前に現れた僕に唖然とする。
なお今日の占いは営業終了してあるので誰にも迷惑はかかっていないから安心だ。
…さてと。
「コトハによくも汚いものを見せようとしたね?」
「え…ぎゃあー!?」
即座に露出狂のコートを閉じて、悪夢を見せた。
昏倒して寝言で魘されているのでいい気味。
なお悪夢の内容は、異性愛者のこの男に同性のマッチョたちが迫るというある意味もっとも恐ろしい夢。
ざまぁみろ。
「さて、あの男は放置して帰ろうか」
コートも閉じて中は見えないので、コトハの目を塞ぐ手を下ろした。
コトハは状況がわかっておらず、きょとんとするがそれでいい。
「いや、警察に連絡しましょうよ」
「わかったわかった」
防犯ブザーを止めて、ポケットにしまうマミちゃんとやら。
防犯ブザーのおかげでほかの大人も集まってきたので、周囲にマミちゃんとやらとともに状況を説明した。
突然昏倒した露出狂のために救急車と、露出狂の被害に遭ったマミちゃんのために警察が呼ばれる。
露出狂の男は警察が付き添って救急車でどこかに運ばれ、マミちゃんとやらとコトハと僕は事情を事細かに説明。
なお僕はなんとなく嫌な予感がしてコトハを迎えに来たところだったことにした。
「それにしても、本当にすぐ駆けつけるなんて過保護」
マミちゃんとやらが僕に言う。
「でも、来て良かっただろう?」
「うん!ありがとう、兄様!」
コトハは無邪気に頷く。
可愛いなぁ。
「…ありがとう、ナギさん」
「おや」
マミちゃんとやら…もう面倒だからマミでいいや。
マミもお礼を言うので、頭を撫でてやる。
「汚いものを目に移して最悪だったでしょ、僕の顔でも見て元気だしなよ」
「自分の顔が良いのを自覚してるの、なぜか腹が立つんですけど」
「まあまあ、いいじゃない」
「自由人め」
マミはそう言いつつも僕をガン見して目の保養をしていた。




