街に出る
「火事、怖かったね…」
「怖がらせてごめんね」
「兄様のせいじゃないよ!それに兄様が家と私を守ってくれてたんでしょ?」
まあ、ある意味そう。
「そうだね」
「なら大丈夫!」
可愛いコトハはなぜか僕を慰めてくれる。
そんなコトハの励ましを受けて笑顔になる僕に、コトハはホッとしていた。
…僕が村を守れなかったと落ち込むと思ってくれたのかな?
僕は祟り神だからそれはないんだけど。
…まあ、今はコトハを守る守り神としての側面を会得したからマシな存在になれたといえばそうなんだけどね。
「しばらくホテル暮らしになるけど、すぐに賃貸マンションを契約するからね」
「うん!」
「住民票を移して転校手続きもして…ああ、ちょっと忙しいな」
「大丈夫?」
「コトハとの生活のためなら大丈夫だよ。さあ、早速だけど不動産屋さんに行こうか」
手を差し伸べればコトハは迷わず僕の手を取る。
「うん!」
「ついでにこの街には美味しいアイスクリーム屋さんがあるみたいだから、ちょっとそこにも寄って行こう」
「アイスクリーム!?」
子供というのは甘いものが好きかなと思って提案したが、コトハも例に漏れず好きらしい。
「一緒に食べようね」
「うん!」
結果的にコトハには火事を知られてしまって怖がらせてしまう結果になった。
祟ってすっきりはしたが、コトハの気持ちも考えてあげるべきだった。
人命は無事と知るとほっとしていたコトハだから、もうちょっとぬるい祟りにすべきだったかも。
傷つけてごめんね。
だから、今日はうんと甘やかしてあげよう。




