命の価値への妄信。君の命は本当に唯一無二なのか?
最近、命という物の意味が問われているような気がする。
戦争、痛ましい事故、悪意ある暴力の産物、これらの出来事が引き金となって命が失われる事が多々ある。
しかし、人類の歴史とは無駄死にの蓄積であり実際は他人の死など路傍の石ですらないだろう。
死体の画像や惨たらしい暴力の痕跡を目の当たりにすれば普段は出不精の正義感が重い腰を上げて即席の愛の戦士が誕生するわけだが本人はそれで良くても周囲から見れば場違いな道化にしか見えないだろう。
ああ、悲しきは人の性か或いは稚気の発露か。
将又、世の人々の心の狭さか。覚者誕生の贄となった舎利弗の死を円環の内の出来事と断じた釈尊とてわからないだろう。
なぜならば人は万能ではない。
人の造った神ならば尚の事、そもそも万能と不万能を含む万能なのだから。
矛盾した論理こそが本当の意味での論理なのだ。
私はここで訴えたい。
命に何物にも代え難い価値など無い。
他人の命も、自分の命もそれこそ限られた貴重な時間を費やしてまで救わなければならにほど大層な物ではない。
そういった物を後生大事にしたがる人間の大半は不安を解消したいだけなのだ。
不安を解消する為だけに神に祈り、愛を説き、諸人に縋りつく。
これではただの意気地なしだろう。見るべきところは無い。
いい大人が恥を知れ、と文句を言ってやりたいところだ。
自分の存在に不安を感じたならば原因を特定して解決すればいい。
自分は無能だから何も出来ないとか言っているヤツは退場するといい。時間の無駄というヤツだ。
だがもう一つだけ覚えていて欲しい事がある。
この命題は誰でも背負って生まれてくるが、決して楽に解決できる問題ではないのだ。
誰でもやっているから安易な問題だと思っている者は今日限りその考えの見通しの甘さを捨ててしまおう。
背負った荷物の重さは当事者にしかわからない。
それをやれ甘えるなとか片手間で事が足りるとか考えている者こそが己の慢心に気がつくべきなのだ。
人の世とは常に浅く、深く、一度やそこら見ただけでは判断できない場面は少なくないのだ。
我々の持つ無価値だが決して手放す事の出来ない自分の命などはその典型例ではないだろうか。
まず命を大切にするという考え方に不備が存在する。
己の命だけを大切にすれば利己的と中傷されて、他者の命を大切にすると名言すれば偽善という批判を浴びる。
平行線、堂々巡りな意見交換だがこれはこれで間違ってはいない。
何事も何かの犠牲無くしては前に進む事の出来ない、という矛盾を含んだ世界を作った神とやらの設計ミスだろう。
もう一度、明言する命に価値は無い。
命を生かそうとする意志に価値が宿るのだ。
批判覚悟で言わせてもらうが、骨肉の温情が人と人の絆を紡いて命を生かしているのである。
ある意味、命の価値とは物言わぬ草木のそれであり命を賛美する詩歌の文言にこそ価値があるのだろう。
ゆえに我々は無暗に命を大切にするべきではない。
命の素晴らしさを説く詩人の言葉に耳を傾け、それらの価値を評価するべきなのだ。
もしかするとそれらは他人にとっては文字を連ねただけの駄文なのかもしれない。
だが詩人と聞き手の心の歯車が重なり合えばその時は本当の価値ある物になり変わるはずだ。
そうアシュラマン(詩人)とサンシャイン(聞き手)のはぐれ悪魔コンビのように…ッ‼
「行くぜ‼サンシャイン、地獄のコンビネーションだ‼」
「応よ、アシュラマン‼」
アシュラマンはスペシャルマンに、サンシャインはカナディアンマンに脱出不可能の魔技ロメロスペシャルをかける。
スペシャルマンとカナディアンマンの左胸にはトゲがついていた‼
「いかん、このままでは…ッ‼」
ロビンマスクは二人を助けに行こうとしたがその手をウォーズマンが止めた。
「駄目だ、ロビン。今出て行けばトーナメントのルール上、失格になってしまう」
ウォーズマンの瞳はいつも以上に冷たい物になっていた。
キン肉マンの友情パワーを妨害するアシュラマンの呪いの道具、「呪いの小箱」の力によるものだった。
ロビンマスクの心にも呪いの道具の力は作用し、熱き友情パワーは消え失せてしまった。
「さて弱体チームにはご退場願おうか‼そりゃああ‼」
天上からロメロスペシャルを返してアシュラマンがスペシャルマンと共に落下する。
その先にはカナディアンマンとサンシャインが待ち構えていた。
「「地獄のコンビネーション‼ッッ」」
「「ぐあああああああッ‼」」
それぞれの胸についた棘が互いの心臓を貫いた。
全身から血を噴き出し、失神するカナディアンマンとスペシャルマン‼
「カーカッカッカ‼友情パワー破れたり‼タッグトーナメントで優勝するのは我らはぐれ悪魔コンビだー‼」
「フォッフォッフォ…正義超人の命などゴミクズ同然よー‼」
そういえば箱の中にカナディアンマンとスペシャルマンの人形はなかったねという話。
終わり。