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8話 二人の乙女


 そこに行くと、そいつらは既に意識を取り戻していた。

 身を隠すように手足を縮め、怯えた目で俺を見る赤髪

 赤髪を背後に、俺を睨みつける紺色。


「下がりなさい!下郎!!こちらに居られる方は高貴な御方!如何なる仕儀によりてお目通り願えると思ったか!?」


 気丈な事だ、忠誠心も高い。

 既に裸、身を守る為の武器一つもないというのに、健気な事だ。

 紺色の単発が揺れ、紫色の瞳が音を立てるように睨みつけてくる。

 しかし、判る。

 彼女は怯えている。


 手足の端の震えが止まっていない。

 警告する声の端が、わずかに震えている。


「如何なる仕儀、だと?それは俺のセリフだ、お前たちの船は俺の支配領域を侵した、お前達こそどこの誰で、いかなる権限を持って俺の支配を侵したのだ」

「何を……!」


 牢の扉を開けて中に入る。人一人がかがんで通るのがギリギリのサイズだ。

 俺の姿を見て、赤髪の方が顔色を青ざめさせて息をのむ。紺色の方も慄いたかのような表情を一瞬だけ見せた。


「答えろ、黙っていても良いが、お前たちを殺す事など、容易い」


 わざと、この場には不釣り合いな曲刀を振って見せる。

 喉元に刃を突き付けられた紺色は、恐怖で動けず、赤髪の方は、泣き出しそうな表情で震えるだけ。


「くっ……このお方はリーザ・ノエラント、私はその侍従、ミリシア……西方のグリューネベルグ領へ、リーザ様の輿入れの為にここを通った」


 そう言って紺色……個体識別名ミリシアの語った事は概ねこうだ。

 個体識別名リーザとミリシアの住む東方大陸のサンベルタ皇国と、グリューネベルグ家のあるサザラント王国は、長い事海を挟んでの緊張状態にあった。

 両大陸の中央に新たにできた島を巡り、両国がそれぞれに所有権を主張、状況は既に、戦争止む無しという空気が両国を覆っているほどだ。

 それでもなんとか戦争だけは回避すべく、数十代前に一族のものが嫁いでいた、という理由でサンベルタ皇国皇の娘、リーザが一度最大貴族のノエラント家に養子入りしてから、ノエラント家の娘としてグリューネベルグ家に嫁ぎ、開戦をやめるよう働きかける……という政略結婚の為に送られてきたそうだ。


「……グリューネベルグ、というと、アルフレッド辺境伯殿か」

「……何故そう思う?」

「簡単な話だ、年齢の合いそうな男が、兄しか思い浮かばん」


 こぼした言葉に、ミリシアとリーザが一瞬顔を見合わせる。


「なぜ、魔の島に居るような輩がグリューネベルグ辺境伯様の御芳名を知っている、兄とはどういうことだ」

「聞いたことは無いか?辺境伯様には双子の弟がいたが、病死した、と」


 またも、顔を見合わせる。


「政権争いに負けて流されたか?」

「馬鹿を言え、そんな面倒くさい事に首を突っ込んだ覚えはない」


 少し口の端を歪めて挑発するミリシアの言を流して、続ける。


「なら、親であった男女は事実を公表はしなかったんだな、辺境伯様には双子の弟が居た、5歳の時に追放され、島流しとなったがな」

「どういう事だ」


 改めて、ミリシアの声に警戒が混じる。


「こういう事だ、付与、水」


 手にした曲刀に、水をエンチャントしてみせる。


「……エンチャンターか」


 小馬鹿にしたような視線でこちらを見ながら、ミリシアが鼻で笑いつつ言う。


「これが便利でな、こういう事もできる“俺が許可を出すまでベッドに座って待機、護衛対象から目を離すなよ”」

「なに……を……?」


 言われるなり、素直にベッドに座る自分自身に驚いた表情を見せるミリシア。


「貴様!何をした!?」

「エンチャンターが出来る事は、付与に決まってるだろ」


 それだけ言うと、今度はリーザに向き直る。

 ひっと息をのみ、身を縮こまらせながら、怯えて何もできない、同年代の少女。


「立って、ベッドに座れ」

「ひっ……い、いや……!」


 必死になって抵抗しようとするが、意志に判して体はベッドに腰かける。

 大きなバストも、丸い尻も、丸出しになった状態で、いつも椅子に座る様にベッドに腰かける体、それに絶望の表情を浮かべる顔。


「貴様!お嬢様になにを……!!」

「騒ぐな、次はお前の番だから黙ってみていろ」


 もとより動けない体を、それでも動かそうとしているのだろう。

 無駄だ、付与はそんなやわなものではない。


「膝を立てて足を開け」

「いや……いやぁ……!!」


 体が全くいう事を聞かず、最も秘すべき場所を晒す。


「いや……やめて……!」

「そのまま寝転がれ」


 足を大きく開いたまま、リーザがベッドに寝転がる。

 俺は、その上から覆いかぶさった。


「悲鳴は上げるな、面倒だ」

「いや……お願い、やめて……性欲を解消したいだけなら、手でも、胸でも口でもします、だから……お願い……!」

「良い心がけだな、俺も少し考えたんだが……結果は、拒否だ」

「……っ!!」


 そして俺は、前世も含めて生まれて初めて。

 本物のお嬢様というのを、心の底から味わった。

 勿論、その後で本物のメイドさんもいただいている。

 こちらは遊び心で感度1万倍とかにしてみたら速攻で心毎折れて俺をご主人様と呼ぶようになった。


 結局その後は俺とミリシアの二人でリーザが壊れるまで休みなく快楽漬けにした。

 今は、二人とも全裸で全身にぶっかけられた状態で、はぁはぁと荒い息を吐いている。

 二人とも目のハイライトが無くなっているのが気になる所ではあるが、一応の口封じは成功という所か


 二人がダウンしている間に、俺への揺るがない好意と、従属を付与。

 少なくとも、当面は、こいつらが逃げる心配をしなくていい、という訳か。


「やぁ、ご主人様?随分と、鳴かせていたみたいじゃないか?」

「これは非難しないのな」


 そこにやってきたフレーアルがニヤニヤとそんな事をのたまったので、思った事をそのままぶつけてみる。


「強い者は全てを得る、当然の事だろう?」

「……そうだな」


 そう、強い者は全てを得る。

 翻せば、弱者はその尊厳までをも含め全てを奪われる。

 だからこいつは、例え俺が敗北し、その尊厳のひとかけらまで奪われたとしても、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「それに見たまえよ、ご主人様の付与もあいまって、完全に屈服した雌の顔をしているじゃないか」

「気絶した上色んな液体でドロドロで良く判らんが」


 最終的に二人とも感度3万倍で全部中に出したからな。

 感度云々は消してある、あれはやばすぎる。

 今後拷問には使えるかもしれない。


「そこはきちんと洗ってあげよう?いろんな所を合法的に触れるわけだ」

「あのなぁ、俺がこいつらを犯したのは口封じ兼心を折る為だ、性欲でしたわけじゃない」

「……うわほんとだ、全裸の美少女二人も目の前にしてるのに欠片ほども獣欲を感じてない」


 驚いた、というより異質なモノを見る目で、アメーバが改めて俺を見る。

 なんだよ、これくらいは普通の事だぞ


「美少女二人が悶える様を目の前で見て、その体を好き放題しながら完全に機械的に処理した、と知って君が本当に心を持つ存在かどうか疑問に感じてるんだよ、ご主人様」

「性的興奮を受けるような状況にあれば体は反応する、なにもおかしいことは無いだろう」

「それって滅茶苦茶精神的な影響を受けると思うんだけどね」


 確かにな、前世でゴリラの変種みたいな女に強姦されてその後一切勃たなくなった男も居たし。

 ガチで強姦されたと被害届出して裁判になった、と噂が流れてたけれど、その後は知らん。

 勃起してりゃ合法?ちょいと前立腺マッサージしてやれば海綿体への血流なんて簡単に生み出せるんだよ


「……そりゃ、災難としか言えない話だね」

「……普段オトコガー!ダンソンジョヒガー!!と叫んでたフェミニストさん達が皆全力でそっぽを向いて見ないふりしてたからな」


 あのスルーっぷりはいっそ見事だった。

 あの面の皮の分厚さととその上に塗ったくった化粧品の厚さと、精神的図太さはあるいは俺も見習うべきなのかもしれない。

 フェミニストなんて全てそんなもんだが。あそこまで落ちる事もないか、あそこまで行ったら人としてというか生命体として終わりだ。


 さて今日はどうするか……。

 とりあえず、今後来るであろう討伐隊に警戒する罠でも仕掛けておくかな。

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