オーパーツはあなたのそばにも……
第3回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞投稿作品です。
キーワードは『オーパーツ』。
ミステリー風のナレーションを想像してお楽しみください。
オーパーツ。
文化的に、また技術的に、作られたとされる時代に存在するはずのない工芸品を指す。
歴史のヴェールに包まれた神秘の品。
あなたはそれが自分と関わりのない、遠い存在だとは思っていないだろうか?
……それはあなたが気付かないだけかもしれない。
今日はそんな日常に潜むオーパーツをご紹介しよう。
これはとある学童クラブで、七年ほど前に確認された事例だ。
まずはご覧いただこう。
「先生、ただいまー」
「はいお帰りー」
「先生、ただいまー」
「はいお帰りー」
「先生ただいまー」
「はいお帰りー」
「一本つけろや」
「!?」
……お分かりいただけただろうか。
この「一本つけろや」という言葉は、国民的コントグループによる有名なコントの導入だ。
リーダー扮する母親に、子ども姿のメンバーが口々に帰宅の挨拶をする中での、いわゆる『つかみ』である。
……しかしここで一つ大きな問題がある。
このコントが放映されていたのは三十年以上昔の事だ。
対して子どもは小学校低学年。
親世代ですら、物心ついているかどうかという時代の作品なのである。
……この子どもが流れや間まで完璧にコピーしている事態の異常さ、お分かりいただけただろうか。
他にも、
・昭和歌謡を完コピしている子ども
・生まれる前の戦隊ヒーローについて専門家のように語る子ども
・レトロゲームに当時小学生だった大人より詳しい子ども
などが確認されている。
知るはずのない事を知る子ども。
それはあなたのそばにもいるのかもしれない。
オーパーツ児童。
気付けば、そう、あなたの近所にも……!
読了ありがとうございます。
『さては採用される気ねーんだなオメー』
……オーパーツから思い付いたのがこれしかなかったんです!
堪忍してつかぁさい!
でも下野さんが情感たっぷりに読んでもらえたら楽しいかも……。
次のお題は『助手』、よろしくお願いいたします。




